法人向け電力お役立ちコンテンツ|しろくま電力

系統用蓄電池補助金を徹底解説!

作成者: しろくまぱわー編集部|2026/08/25 6:45

新規事業として、系統用蓄電池の導入を検討する法人が非常に増えている。今この記事を読んでいる方も、系統用蓄電池事業に参入するか悩んでいるのではないだろうか?

系統用蓄電池は収益が見込めるものだが、自社導入するとなると当然安い買い物ではない。そこでこの記事では、系統用蓄電池の導入に活用できる補助金を2つ、ご紹介する。

 

経済産業省が主導する「系統用蓄電池等電力貯蔵システム導入支援事業」

まず1つ目が、経済産業省が主導する「系統用蓄電池等電力貯蔵システム導入支援事業」だ(正式名称は「再生可能エネルギー導入拡大に向けた系統用蓄電池等の電力貯蔵システム導入支援事業費補助金」)

 

補助金の概要

「系統用蓄電池等電力貯蔵システム導入支援事業」では、太陽光や風力などの変動が激しい再エネを無駄なく使うため、系統に直接つながる大規模な蓄電池や、水素を作る水電解装置の導入を支援している。

令和7年度の当初予算は150億円だったが、今回は令和8年度の概算要求の時点で472億円が請求されている。これは増額としてはかなり異例であり、国が「出力制御対策」として蓄電池導入を最優先課題に据えていることの現れといえるだろう。

 

補助対象者となる法人

この補助金の対象となる法人は以下だ。

・対象:日本国内で事業活動を営む法人(株式会社、SPC、NPO、非営利法人など) 。

・主要な要件:
①財務健全性直近の決算で債務超過(負債が資産を上回っている)でないこと。1年未満のSPCの場合は、主たる出資者が債務超過でないことが求められる 。
②運用能力:各種電力市場(卸電力市場、需給調整市場、容量市場)での取引を行う能力と体制を有していること 。

 

補助率と補助上限額

「系統用蓄電池等電力貯蔵システム導入支援事業」の補助率と補助上限額は以下だ。

設備区分 補助率 補助上限額
系統用蓄電池(一般) 1/3以内 10億円 〜 15億円
水電解装置(長周期貯蔵等) 1/2 〜 2/3以内 最大40億円

中小企業が一定の条件(非化石転換など)を満たす場合、補助率が1/2や2/3へ引き上げられる特例がある。

 

公募日程

  • 令和7年度実績2025年8月29日 〜 10月24日
  • 令和8年度予想予算の大幅増額に伴い、2026年3月末 〜 4月頃に第1次公募が開始されることが予想される

 

補助金の加点要素

以下の取り組みをしている法人は評価に加点される。

  1. 接続検討回答の確保:申請時に電力会社から「系統連系が可能」という回答を得ていることは、事業の確実性として高く評価される 。
  2. 長周期貯蔵への対応:4時間以上の放電が可能な大容量蓄電池や、新しい技術(レドックスフロー電池、水電解装置等)は、再エネシフトへの貢献度が高いとして加点されやすい 。
  3. BMS(電池管理システム)の実績:採用するBMSメーカーに過去5年間の国際的な実績があること 。

 

その他の注意点

それ以外にも以下の点に注意しておこう。

  • 目標価格の遵守設備費と工事費の合計が、国が定める「目標価格(例:12万円/kWh)」以下である必要がある 
  • 特定メーカー指定の禁止:申請時の見積もりにおいて、特定のメーカーや機種を指名して入札を行うことは禁止されている(公平な競争入札が必要) 
  • 財務健全性の重視(債務超過の原則不採択):直近決算において債務超過である事業者は、原則として不採択とする方針が示された 。これは、運営期間が10〜20年に及ぶインフラ事業としての継続性を保証するためだ。また、自己資本比率10%以上、または流動比率100%以上といった基礎的体力が確認される 。

 

 

 

東京都が行う「再エネ導入拡大を見据えた系統用大規模蓄電池導入支援事業」

東京都は「2030年カーボンハーフ(温室効果ガス50%削減)」を掲げ、独自に強力な支援を行っている。

この補助金は令和7年度に予算130億円を確保した。令和8年度の予算はまだ未定だが、引き続き東京都は厚い支援を行うものと思われる。

 

補助対象者となる法人

この補助金の対象となる法人は東京都内に登記簿上の本店、または支店を有している法人」だ。

ただし、「一般送配電事業者(大手電力の送配電部門)」や「国・地方公共団体」は対象外となる。

 

補助率と補助上限額

「再エネ導入拡大を見据えた系統用大規模蓄電池導入支援事業」の補助率と補助上限額は以下である。

項目 内容
助成率 助成対象経費の2/3以内
助成上限額 20億円

電気自動車(EV)のリユースバッテリーを活用する場合、助成率は3/4以内に引き上げられる。

 

公募日程

  • 令和7年度実績: 2025年9月1日 〜 9月30日
  • 令和8年度予想: 令和6年度から令和12年度までの長期プログラムとして公表されており、2026年9月頃に公募が実施される可能性が高い

 

補助金の加点要素

以下の取り組みをしている法人は評価に加点される。

  1. 定格出力の規模: 系統側への定格出力が1,000kW(1MW)以上の大規模設備であることが前提だが、より大きな規模ほど貢献度が評価される
  2. 需給ひっ迫時の供給協力: 東京都の要請に応じ、東京電力管内の電力不足時に電気を供給する体制・計画があること
  3. 地域社会への貢献: 災害時の非常用電源としての活用など、レジリエンス強化に資する計画

 

その他の注意点

それ以外にも、以下の点に注意が必要だ。

  • 設置場所の制約: 東京電力管内の電力系統に直接接続する蓄電システムに限られる 。
  • 国との併用時の計算: 国の補助金と併用する場合、総経費から国の補助額を引いた残りの2/3を東京都が助成する仕組みだ。これにより、自己負担は投資額の2〜3割程度まで抑えられる計算となる 。
  • 連系協議の回答必須: 申請時点で一般送配電事業者(東京電力PG等)からの接続検討回答が得られている必要がある 。

 

系統用蓄電池の補助金獲得のハードルと「令和8年度版」の注意点

系統用蓄電池の補助金は、かつての「申請すれば通る」という時代は終わり、現在は「事業の確実性」が厳しく問われるフェーズに入っている。

  1. 系統連系の確保が必須: 補助金申請の時点で、一般送配電事業者(東電PG等)との「接続検討」が完了し、連系の目処が立っていることが必須要件となるケースが大半だ。系統の空き容量が不足しているエリアでは数年待ちになることもあるため、早期の着手が不可欠である。
  2. 市場運用のシミュレーション: 単なる設置補助ではなく、卸電力市場(JEPX)、需給調整市場、容量市場を組み合わせた「マルチユース」による収益モデルが確立されているかが審査の要諦となる。
  3. 期限厳守: 令和7年度・8年度の事業も、多くは年度内の発注や次年度の運開が求められる。世界的な部材不足や施工業者の確保状況を鑑み、余裕を持った工程管理が求められる。

 

 

しろくま電力は系統用蓄電池の土地開発から運用までをワンストップでサポート


しろくま電力では、大規模な太陽光発電所の土地開発から資材調達、施工、運用管理を数多く手がけてきた。揚水発電所の運用も手がけており、多額の収益を上げることに成功している。

業務の中で培った専門的なノウハウや知識を活かし、しろくま電力では「系統用蓄電池を導入したい」とお考えの法人・個人に向けて、用地の土地開発から蓄電池の設置、運用をサポートしている。

通常、蓄電池の設置ができても運用は自社で行う必要があるが、しろくま電力であれば運用も対応できる。また土地が見つかっていない場合、当社の不動産開発チームが適地探しからサポートすることも可能だ。

今後、エネルギー業界には系統用蓄電池が欠かせない。そして今は参入する企業が非常に少ないため、事業化するには非常にチャンスである。導入をご検討中の方、当社のサポート内容や導入費用などを知りたい方は

しろくま電力の系統用蓄電池はこちら>

こちらからお問い合わせをいただきたい。

 

しろくま電力は、蓄電池事業者による業界団体
「一般社団法人蓄電池事業者協議会(BBA)」の代表を務めています。


https://bba.or.jp/

系統用蓄電池の普及と市場の健全な発展を目指し、事業者間の情報共有や制度に関する議論など、業界の基盤づくりに取り組んでいます。
自社の事業推進にとどまらず、蓄電池が社会にとってより良い形で活用される環境づくりにも、丁寧に向き合っています。