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系統用蓄電池補助金を徹底解説!

【最新】系統用蓄電池補助金を徹底解説!

2026年時点で、法人が系統用蓄電池の導入に活用できる補助金は、経済産業省の「系統用蓄電池等電力貯蔵システム導入支援事業」(補助率1/3〜2/3・上限最大40億円)と、東京都の「系統用大規模蓄電池導入支援事業」(助成率2/3以内・上限20億円、2026年9月1日〜30日申請受付)の2本だ。

国の令和8年度予算は350億円と前年の2倍以上に増えた一方、次回の公募には「GXフューチャー・リーグ会員」という新しい応募要件が加わる方針が示されており、公募開始を待ってから動き出したのでは間に合わない可能性が高い。この記事では、2つの補助金の最新の内容と、次回公募までに法人がすべき準備をわかりやすく解説する。

この記事を読んでわかること

・系統用蓄電池に使える補助金は何がある?

・補助率と上限額はいくら?

・次の公募はいつ?何を準備すべき?

・採択されるためのポイントは?

 

系統用蓄電池の補助金は「国」と「東京都」の2本柱【2026年8月時点】

結論をまとめると

2026年時点で法人が系統用蓄電池の導入に使える主な補助金は、経済産業省の「系統用蓄電池等電力貯蔵システム導入支援事業」(補助率1/3〜2/3・上限最大40億円)と、東京都の「系統用大規模蓄電池導入支援事業」(助成率2/3以内・上限20億円)の2つである。

まず最初に、法人が使える系統用蓄電池の補助金の全体像を整理しておこう。2つの補助金の概要をまとめると以下のようになる。

 

国(経済産業省)

東京都

事業名

系統用蓄電池等電力貯蔵システム導入支援事業

再エネ導入拡大を見据えた系統用大規模蓄電池導入支援事業

補助率(助成率)

1/3〜2/3以内(設備の種類・規模で変動)

2/3以内(EVリユース蓄電池は3/4以内)

上限額

10億〜40億円

20億円

対象

日本国内で事業活動を営む法人

都内に本店または支店を持つ法人(設備は東京電力管内)

直近の公募・申請

令和7年度は2025年10月24日で終了。次回(令和7年度補正)は2026年8月時点で未開始

令和8年度は2026年9月1日〜9月30日に申請受付

予算規模

令和8年度当初予算350億円

令和8年度約130億円

このうち、今すぐ申請できるのは東京都の助成金だけだ。国の補助金は令和7年度分の公募がすでに終了しており、次回の公募はまだ始まっていない。しかも次回からは応募のハードルが1段上がる方針が示されているため、この記事ではその最新動向もあわせて解説していく。

 

 

国の補助金は補助率1/3〜2/3・上限最大40億円(系統用蓄電池等電力貯蔵システム導入支援事業)

結論をまとめると

経済産業省の系統用蓄電池補助金は、補助率1/3〜2/3以内・上限10億〜40億円で導入費用を支援する制度である。令和7年度は37件・約363億円が採択され、令和8年度の予算は350億円と前年の2倍以上に増額されている。

まず1つ目が、経済産業省が主導する「系統用蓄電池等電力貯蔵システム導入支援事業」だ(正式名称は「再生可能エネルギー導入拡大・系統用蓄電池等電力貯蔵システム導入支援事業費補助金」)。ここからは、この補助金の中身を順に見ていく。

 

補助金の概要

「系統用蓄電池等電力貯蔵システム導入支援事業」では、太陽光や風力などの変動が激しい再エネを無駄なく使うため、電力系統に直接つながる大規模な蓄電池や、水素を作る水電解装置の導入を支援している。

この補助金の予算は年々拡大している。令和7年度の当初予算は150億円だったが、令和8年度は概算要求で472億円が計上されたのち、最終的に350億円の当初予算が成立した(出典:経済産業省「経済産業省関係 令和8年度当初予算の概要」)。前年の2倍以上だ。

なぜここまで予算が増えているのか。それは、再エネの導入が進んだ北海道や九州などで「電気が余って発電を止める」出力制御が深刻化しており、余った電気を貯めて使う蓄電池の確保が国の最優先課題になっているからだ。国が本気で系統用蓄電池を増やそうとしていることが、予算の伸びから読み取れるだろう。

 

補助対象者となる法人

この補助金の対象となる法人は以下だ。

・対象:日本国内で事業活動を営む法人(株式会社、SPC、NPO、非営利法人など)。ただし一般送配電事業者は対象外。

・主要な要件①財務健全性:直近の決算で債務超過(負債が資産を上回っている)でないこと。設立1年未満のSPCの場合は、主たる出資者が債務超過でないことが求められる。 ②運用能力:各種電力市場(卸電力市場、需給調整市場、容量市場)での取引を行う能力と体制を有していること。

補助金の交付を受けた後も、市場での運用データや活用状況報告書を3年間提出する義務があるため、「設置して終わり」ではなく、市場で運用し続けられる体制が前提となる。

 

補助率と補助上限額

「系統用蓄電池等電力貯蔵システム導入支援事業」の補助率と補助上限額は、設備の種類と規模によって以下のように分かれている(令和7年度公募要領より)。

設備区分

補助率

補助上限額
(1申請あたり)

蓄電システム(リチウムイオン・NAS等)
最大受電電力1,000kW以上10,000kW未満

1/3以内

10億円

蓄電システム(リチウムイオン・NAS等)
最大受電電力10,000kW以上

1/2以内

40億円

新規技術(LDES:長期エネルギー貯蔵技術)
の蓄電システム 1,000kW以上

2/3以内

20億円

EVなどの駆動用蓄電池をリユースした
蓄電システム

1/2以内

20億円

水電解装置(定格消費電力250kW以上)

2/3以内

20億円

(出典:SII「令和7年度 再生可能エネルギー導入拡大・系統用蓄電池等電力貯蔵システム導入支援事業費補助金 公募要領」)

この補助金のポイントは、規模が大きいほど・技術が新しいほど補助が手厚くなることだ。

一般的なリチウムイオン電池でも、1万kW以上の大規模案件なら補助率1/2・上限40億円まで引き上がる。またLDES(わかりやすくいうと、6時間以上連続で充放電できる圧縮空気や重力蓄電などの新技術)は補助率2/3と最も優遇されている。

 

令和7年度の公募は終了、採択は37件・約363億円

令和7年度の公募は、2025年8月29日〜10月24日に実施され、すでに終了している。採択結果は2025年12月25日にSIIから公表された。直近2年間の採択実績を比較すると、以下のようになる。

年度

公募期間

採択件数

採択総額

令和6年度(2024年度)

2024年8月30日〜10月31日

27件

約346億円

令和7年度(2025年度)

2025年8月29日〜10月24日

37件

約363億円

(出典:SII「系統用蓄電池・水電解装置導入支援事業」交付決定一覧をもとに筆者作成)

1年で採択件数は10件、採択総額は約17億円増えている。オリックスや三菱地所・伊藤忠商事の共同案件など、大手企業の参入も相次いでおり、系統用蓄電池が「実証段階」から「本格的な投資対象」に移ったことがこの数字からわかるだろう。

 

補助金の加点要素

審査で評価されやすい(加点されやすい)のは、以下のような取り組みをしている法人だ。

  1. 接続検討回答の確保:申請時に電力会社との系統連系協議が進んでおり、連系時期や工事費負担金の確度が高いほど評価される。
  2. 長時間の充放電への対応:最大受電電力で6時間以上連続して充電または放電できる設備は、再エネシフトへの貢献度が高いとして加点されやすい。
  3. 出力制御が多いエリアへの設置:再エネの出力制御が中長期で多く発生すると見込まれる北海道・東北・中国・四国・九州の供給区域に設置する案件は評価される。

裏を返せば、系統連系の目処が立っていない案件や、根拠の薄い収支計画の案件は採択されにくい。審査では「楽観的に儲かる試算」ではなく「試算の根拠が合理的か」が見られるため、事業計画の作り込みが勝負になる。

 

その他の注意点

それ以外にも、以下の点に注意しておこう。

  • 目標価格の遵守:設備費と工事費の合計が、国の定める目標価格以下であることが求められる。
  • 特定メーカー指定の禁止:申請には3者見積・競争入札が必要で、特定のメーカーや機種を指名した見積依頼はできない(仕様指定で結果的に1社に絞られる場合も含む)。
  • 財務健全性の重視:直近決算で債務超過の事業者は原則不採択となる。運営期間が10〜20年に及ぶインフラ事業として、継続性が厳しく見られるためだ。
  • BMS(電池管理システム)の実績:採用するBMSメーカーに過去5年間の国際的な実績があることは、加点ではなく設備の必須要件である。
  • セキュリティ要件(JC-STAR):BMS・PCS・EMSなどの制御システムが、IPAの「セキュリティ要件適合評価及びラベリング制度(JC-STAR)」の★1を取得していることが求められる。機器選定の段階でメーカーの対応状況を確認しておきたい。

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次回の国の補助金は「GXフューチャー・リーグ会員」が要件に。2026年8月時点で公募は未開始

結論をまとめると

次回の国の系統用蓄電池補助金(令和7年度補正)は、GXフューチャー・リーグ会員であることが応募要件として求められる方針である(中小企業を除く)。2026年8月時点で公募は始まっておらず、法人は公募開始を待たずに会員手続きと系統連系協議を進めておく必要がある。

ここまで、令和7年度までの国の補助金の中身を解説してきた。ここで、「予算が2倍になったなら、次の公募で申請すればいいだけでは?」と思われた方も多いだろう。ところが、次回の公募はそう単純ではないのだ。ここからは、次回公募の最新動向と、今からすべき準備を見ていく。

次回の国の系統用蓄電池補助金は、令和7年度補正予算による「系統用蓄電システム等導入支援事業」として実施される。執行団体のSIIは2026年3月に事業ページを公開したが、2026年8月時点で、公募の概要・スケジュールはまだ公表されていない。「2026年の春頃には公募が始まるだろう」という当初の見立ては外れており、公募開始を待っている法人にとっては、見通しの立たない状態が続いている。

そして2026年5月14日、SIIから重要な方針が示された。本事業はGX関連予算の補助金であるため、「GXフューチャー・リーグ」の会員であることが応募要件として求められる方針なのだ(中小企業を除く)。会員になるには、以下の2つを提出する所定の手続きが必要になる。

  1. 2030年度の直接・間接排出量(Scope1・2)の削減目標
  2. 自社のGX需要創出に係る2つ以上のコミットメント

なぜこのような要件が加わるのか。それは、この補助金の財源がGX(グリーントランスフォーメーション)関連予算に移り、「単に設備を買う会社」ではなく「会社として脱炭素に取り組む企業」を国が選別する方向に舵を切ったからだ。

わかりやすくいうと、GXフューチャー・リーグの会員資格は、次回公募の入場券のようなものである。入場券を持っていなければ、どれだけ良い事業計画を作っても土俵に上がれない。つまり、次回公募で採択を狙う法人が今からすべき準備は次の3つだ。

今からすべき準備

理由

GXフューチャー・リーグの会員手続き

応募要件になる方針のため(中小企業を除く)。目標設定と社内決裁に時間がかかる

電力会社との系統連系協議(接続検討)

申請時の確度が審査で評価される。エリアによっては協議に半年〜1年以上かかる

事業用地の確保と機器選定(JC-STAR対応)

消防法などの基準を満たす土地探しと、要件を満たす機器の選定には時間がかかる

公募が始まってから動き出したのでは、これらは間に合わない。当社も蓄電池事業者として次回公募の動向を注視しており、公募情報が公表され次第、この記事を更新していく。

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東京都は助成率2/3・上限20億円。令和8年度の申請受付は2026年9月1日〜30日

結論をまとめると

東京都の「再エネ導入拡大を見据えた系統用大規模蓄電池導入支援事業」は、助成率2/3以内(EVリユース蓄電池は3/4以内)・上限20億円で、令和8年度の申請受付は2026年9月1日〜9月30日である。予算は約130億円で、採択予定は特別高圧5件・高圧6件にとどまる。

国の公募が未開始である一方、東京都の助成金は令和8年度の申請期間が確定している。ここからは、東京都の助成金の中身を見ていこう。

東京都は「2030年カーボンハーフ(温室効果ガス50%削減)」を掲げ、独自に強力な支援を行っている。令和8年度の予算は約130億円で、実施要綱は2026年4月1日に公表済み。申請受付は2026年9月1日〜9月30日だ(出典:東京都報道発表「『再エネ導入拡大を見据えた系統用大規模蓄電池導入支援事業』令和8年度助成事業を開始します」2026年3月30日)。

 

補助対象者となる法人

この補助金の対象となる法人は「東京都内に登記簿上の本店、または支店を有している法人」だ。ただし、一般送配電事業者(大手電力の送配電部門)は対象外となる。

本店が都外にあっても、都内に支店があれば対象になりうる。一方で、助成対象になる設備は東京電力管内の電力系統に接続するものに限られるため、「都内に拠点があり、関東エリアで蓄電池事業を行う法人」向けの制度と理解しておこう。

 

補助率と補助上限額

「再エネ導入拡大を見据えた系統用大規模蓄電池導入支援事業」の助成率と助成上限額は以下である。

項目

内容

助成率

助成対象経費の2/3以内(国等の補助金と併給する場合でも、合計2/3以内)

助成上限額

20億円

電気自動車(EV)のリユースバッテリーを活用する場合、助成率は3/4以内に引き上げられる。国の補助率(一般的な蓄電池で1/3〜1/2)と比べても、2/3という助成率は突出して手厚い。

 

令和8年度の申請期間は2026年9月1日〜9月30日

令和8年度のスケジュールは以下のとおり確定している。

時期

内容

2026年4月1日

実施要綱・交付要綱・手引きの公表(公表済み)

2026年9月1日〜9月30日

申請期間

2027年(令和9年)1月頃

交付決定案件の公表

また令和8年度からは、系統への接続工事(一般送配電事業者が行う工事)の長期化に対応するため、案件ごとの事業期間が一律で約9年に延長された。交付決定年度から9年目までに事業を完了させればよく、時間のかかる大型案件でも申請しやすくなっている。なお、この助成事業自体は長期プログラムとして続くが、助成金の申請ができるのは令和10年度までである。

 

補助金の加点要素と採択予定件数

以下の取り組みをしている法人は評価されやすい。

  1. 定格出力の規模:系統側への定格出力が1,000kW(1MW)以上の大規模設備であることが前提だが、より大きな規模ほど貢献度が評価される。
  2. 需給ひっ迫時の供給協力:東京都の要請に応じ、東京電力管内の電力不足時に電気を供給する体制・計画があること。
  3. 地域社会への貢献:災害時の非常用電源としての活用など、レジリエンス強化に資する計画。

注意したいのが採択予定件数だ。令和8年度は、特別高圧(2,000kW以上)が5件、高圧(2,000kW未満)が6件の合計11件しか採択されない予定である。約130億円という予算規模に対して枠は少なく、要件審査に加えて採点審査で競う狭き門となっている。

 

その他の注意点

それ以外にも、以下の点に注意が必要だ。

  • 設置場所の制約東京電力管内の電力系統に直接接続する蓄電システムに限られる。
  • 国との併用時の計算:国の補助金と併用する場合、総経費から国の補助額を引いた残りの2/3を東京都が助成する仕組みだ(合計で経費の2/3以内)。これにより、自己負担は投資額の2〜3割程度まで抑えられる計算となる。
  • 連系協議の回答必須:申請時点で一般送配電事業者(東京電力PG等)からの接続検討回答が得られている必要がある。

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系統用蓄電池の補助金獲得のハードルと「令和8年度版」の注意点

系統用蓄電池の補助金は、かつての「申請すれば通る」という時代は終わり、現在は「事業の確実性」が厳しく問われるフェーズに入っている。実際、東京都の令和8年度の採択予定はわずか11件だ。採択を勝ち取るために、以下の3点を押さえておこう。

  1. 系統連系の確保が必須:補助金申請の時点で、一般送配電事業者(東電PG等)との「接続検討」が完了し、連系の目処が立っていることが必須要件となるケースが大半だ。系統の空き容量が不足しているエリアでは数年待ちになることもあるため、早期の着手が不可欠である。
  2. 市場運用のシミュレーション:単なる設置補助ではなく、卸電力市場(JEPX)、需給調整市場、容量市場を組み合わせた「マルチユース」による収益モデルが確立されているかが審査の要諦となる。審査では収支の良し悪しよりも「試算の根拠が合理的か」が見られる。
  3. 要件を満たす機器の選定と工程管理:JC-STAR★1などのセキュリティ要件や類焼試験の証明など、機器側の要件が年々厳格化している。世界的な部材不足や施工業者の確保状況も鑑み、余裕を持った機器選定・工程管理が求められる。

 

 

しろくま電力は系統用蓄電池の土地開発から運用までを自社で対応


しろくま電力では、大規模な太陽光発電所の土地探しから土地開発、資材調達、施工、運用管理と、すべての工程を一社で手掛けてきた。また揚水発電所の運用も手がけており、多額の収益を上げることに成功している。

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現在はこのノウハウを系統用蓄電池の分野で活かしており、2026年4月時点で11.4Gwh分の系統用蓄電池を導入した。どの蓄電所も、土地探しから土地開発、資材調達、施工、運用管理と、すべての工程を一社で手掛けている。

現在も全国各地で蓄電所の開発工事を手掛けており、今後続々と運転開始していく予定だ。日本のカーボンニュートラル実現に向けて、しろくま電力は「蓄電」の分野においても貢献できるよう、引き続き事業を加速させていく。