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市場連動型プランの電気代はさらに安くできる!法人ができる値上げ対策を解説

作成者: 本橋恵一|2022/09/29 7:41

※この記事は2024年3月22日に最新の情報に更新されました。

2022年はJEPX(日本卸電力取引所)での電力の取引価格(市場価格)が高騰しており、多くの電力会社が今までの料金メニューでの新規契約の受付を中止し、「市場連動型料金メニュー」での受付を開始している。

しかし、市場料金はJEPXの市場価格に合わせて変動するため、市場価格が高いときに電気をたくさん使うと、電気代も大きく跳ね上がるので注意が必要だ。そこでこの記事では、市場連動型プランで電気料金を安く抑える方法について解説する。

目次

・市場連動型プランは時間によって電気料金が大幅に安くなる

・市場連動型プランを安くする方法①:節電を徹底して実施する

・市場連動型プランを安くする方法②:はたらく時間をシフトさせる

・市場連動型プランを安くする方法③:電気代を前日に確認する

・電気料金を大幅に削減するために、大胆な節電に取り組むのも一つの手

・電気料金の基本料金が上がらないように注意しよう

 

市場連動型プランは時間によって電気料金が大幅に安くなる

 意外に感じるかもしれないが、実は電力会社が販売する電気のおよそ3〜4割はJEPX(日本卸電力取引所)で売買されたものだ。それ以外は、大手電力会社が自社の発電所や契約している発電所から調達している。市場連動型プランの料金は、このJEPXの市場価格をもとに決定する。

詳しくは「【図解】市場連動型プランとは?電気料金が安くなる?わかりやすく解説!」で説明しているが、「市場価格」+「託送料金(送電線の使用料)」+「再エネ賦課金」+「電力会社の運営費用」電気を販売するのが市場連動型プランである。

この仕組み、実はガソリンの価格の内訳とあまり変わらない。ガソリンの値段も「市場価格」+「ガソリン税」+「ガソリンスタンドの運営費用」で決まっている。

ただし、電気はガソリンと違って貯めておくことができない。需要量と供給量が同時同量でないと電気の周波数が変動してしまい、大規模停電などが発生するリスクがあるのだ。そのため、電気の市場価格は需要と供給の変化に合わせて30分ごとに変動する。

市場価格は一般的に、太陽光発電が盛んに発電している日中や、電気の需要が少ない深夜が安い。特に空調の需要が少なく、太陽光発電が活発に発電する春や秋の日中の市場価格はかなり安くなる。下図は2022年4月1日のJEPXの市場価格だ。昼間の市場価格は0.01円になっている。

その一方で、夕方は太陽光発電の導入量が減るが電気需要が多いため、市場価格が高くなる傾向にある。空調需要が増える夏や冬の夕方は特に要注意だ。冬場、雪で太陽光発電の発電量が減ると、市場価格は大きく上昇してしまう。下図は2022年7月1日のJEPXの市場価格である。需要があるため、市場価格も上がっている。


関連記事:【2023年最新】なぜ電気代は高い?値上げの理由と安くする方法を解説

 

市場連動型プランを安くする方法①:節電を徹底して実施する

それでは市場連動型プランの料金を抑えるには、どう注意すればいいのだろうか?

繰り返しになるが、市場連動型プランの料金メニューの特徴は、30分ごとに市場価格が変動する点だ。そして一般的に日中が安く、夕方は高い。つまり、日中ではなく夕方に節電すれば、より効果的であることがわかる。

特に空調の場合、温度を1℃上げれば約13%、暖房温度を1℃下げることで約10%の節電効果がある。エアコンの温度の目安は、冷房は28℃で暖房は20℃と言われるが、無理をすると作業効率が下がる。そこで、夕方だけこの温度を守るというのも一案だ。

逆に屋外が暗くなってくる時間帯なので、夕方の節電は難しいかもしれない。それでも通常の節電と同じように、廊下の照明を間引いたり、タスク&アンビエント照明にすることで電気代が節約できる。詳しくは「【すぐできる】法人・企業の電気代削減・節電方法を徹底解説!(オフィス編)」で解説している。

OA機器も、スリープモードを活用し、使用しない機器はスイッチを切るといいだろう。スリープモードにするだけでPCもプリンターも90%以上の節電になる。

また設備を運転する時間帯を変えるのも効果的だ。例えば、業務用「エコキュート」のようなヒートポンプ式給湯器の場合、深夜電力を使用するケースが多い。しかし深夜よりも日中の方が電気の市場価格が低いため、日中の電気を使用するように設定を変更すれば、電気料金を抑えられる。もちろん、実際にお湯を使う時間帯との兼ね合いを考えることも必要だ。

これは、蓄熱式空調についても同じことが指摘できる。代表的なものは、深夜に氷を使って冷熱を蓄える「エコアイス」や、レンガのような蓄熱体を深夜電力を使ってヒーターで温めるというものがある。いずれも深夜よりも日中での利用の方が、電気代が安くなる。ただし、ヒートポンプを使った氷蓄熱式の空調ならともかく、ヒーターを使った蓄熱式暖房はそもそも、エネルギーの無駄が多いので、可能であれば設備を更新した方がよい。

 

市場連動型プランを安くする方法②:はたらく時間をシフトさせる

従業員の勤務時間をシフトさせるのも、電気料金の削減に効果的だ。例えば、残業時間を減らせばそれだけ節電につながる。どうしても残業が必要な場合は、市場価格が安くなる早朝に出勤した方が電気代の節約になる。

昼休みをシフトさせるのも効果的だ。12〜13時にかけて、多くの事業所が昼休みをとるため、この時間帯は電気の需要が減少する。需要が減るので、この時間帯の市場価格はさらに安くなる傾向にあるのだ。そこで昼休みを前倒し、あるいは後ろ倒しして、12〜13時の時間帯に仕事をすれば電気料金を削減できる。

休日出勤は、一般的な節電を考えれば避けたいところだ。しかし、実は休日は電気の市場価格が安い傾向にある。もちろん休日に1人だけで出勤すると、空調や照明など無駄な電気を使うことになるので注意が必要だ。ただそれでも、夜間に1人で残業するよりは、休日に1人で残業したほうが電気代は安くできる。

このように、はたらく時間帯を電気代が安いタイミングにシフトすることは、市場連動型プランにおいては非常に効果的だ。無理に勤務時間をシフトさせて労働環境を悪化させないよう、注意が必要だが、この点においては意識しておくといいだろう。

 

市場連動型プランを安くする方法③:電気代を前日に確認する

電気の市場価格については、前日に翌日分の価格を確認することができる。JEPXでは、午前10時に翌日の市場取引が終了し、しばらくするとシステムプライスとよばれる、30分ごとの市場価格のグラフが示される。正確には、北海道から沖縄まで、10つあるエリアごとに市場価格は異なるが、おおよその傾向は変わらない。

このグラフをもとに、市場価格が高い時間帯の節電をこころがけるようにすれば、節電になる。市場連動型料金メニューを提供している電力会社の中には、市場価格が高騰すると、前日にアラートを出して教えてくれるところもある。

こうしたアラートを受けたら、社員に在宅勤務を要請したり、工場の稼働を減らしたりするなど、翌日は多少大胆な節電を検討してもいいのではないだろうか。いずれにせよ、翌日の市場価格が前日にわかることで、電気代高騰リスクに備えた対策ができる。

 

電気料金を大幅に削減するために、大胆な節電に取り組むのも一つの手

電力の市場価格が高騰したときには、「大胆な節電」を視野に入れてもいいだろう。電力需給がひっ迫すれば、現在の制度では市場価格が最大200円/kWhにまで値上がりする可能性がある。今後上限が引き上げられると予想されており、2024年度以降は600円/kWhまで値上がりできるようになる見込みだ。しかも、これはあくまで市場価格であり、実際の電気料金には託送料金や再エネ賦課金、電力会社の管理費用などが上乗せされるのだ。

もっとも、市場価格がここまで高騰するときは、需給がひっ迫しており、注意報ないしは警報が発令されていることが予想される。本当に電気が不足してしまえば、停電も起こりうる。したがって、電気料金もさることながら、節電することの社会的な意義は大きい。

それでは、大胆な節電とはどのようなものなのだろうか。

2022323日に東京電力エリアと東北電力エリアで需給ひっ迫警報が発令された。このとき、東京スカイツリーやレインボーブリッジのライトアップが消され、家電量販店ではテレビのスイッチがオフとなった。またスーパーマーケットではショーケースなどが消灯されている。いずれも通常であれば節電の対象とならないものばかりだ。また、生産ラインを一時停止した企業もあった。

オフィスでの大胆な節電も、同様に考えていいだろう。例えば、不要な照明やモニターなどを消す、エレベーターの一部を停止させる、空調をさらに1℃調節する、自動販売機の消灯を行なう、といったことが考えられる。不要不急の作業については、後回しにするという判断も必要だろう。仕事によっては、休業するという判断もあるかもしれない。

大胆な節電を実施するにあたっては、事前にどのような節電を実施するのか、ということも決めておくといい。これは、実際の停電時のBCP対策ともつながるものだ。

 

電気料金の基本料金が上がらないように注意しよう

これまでの一般的な節電と、市場連動型料金メニューでの節電は大きく異なる部分がある。ポイントは、価格が高いときにいかに節電するかだ。とはいえ、注意すべきこともある。その1つが「基本料金対策」だ。

電気料金のうち基本料金の部分は、最大で何kWを使うかで決まる。過去1年間のうちの最大電力需要が、基本料金となるのだ。1kWあたりおよそ280円/月程度だが、最大1000kWの電気を使ってしまうと、それだけで毎月28万円もの基本料金を支払うことになるのだ。

夕方の電力需要を日中にシフトさせると、場合によってはただでさえ多い日中の電力需要が増えてしまい、基本料金が上昇することになる。この点だけは注意しておきたい。

 

しろくま電力の市場連動型プランは電気代削減・脱炭素を手厚くサポート
まずはかんたんお見積もりから

しろくま電力では、高圧・特別高圧の法人向けに市場連動型プランを提供している。新電力ネットが実施した販売量増加率ランキングでは第3位を獲得。2022〜2023年にかけてお問合せ件数は約40倍に増加している(出典はこちら)。

しろくま電力では、翌日の市場価格を、毎日午前中にメールで共有。これによって、市場価格の高騰が見込まれる際には、従業員に在宅勤務を促したり、工場の稼働を減らしたりでき、電気代の節約をサポートする。個別での相談にも対応可能だ。

電気を切り替えるだけで脱炭素ができるのも、しろくま電力の強みだ。私たちが提供する電気は、実質再生可能エネルギー100%であり、CO2を一切排出しない。カーボンニュートラルの実現もサポートする。

以下は、実際にしろくま電力の市場連動型プランを導入した企業様の声だ。

ヨロズ社、カーボンニュートラルで日本の変革に挑戦!「しろくま電力」の導入秘話


【導入事例】電気代の値上げ幅を30%削減し、脱炭素もできた。ウェディング企業の市場連動型プラン実例を紹介


【導入事例】電気代を抑え、次の時代に向けたアクションも起こせた。ワールド様の市場連動型プラン実例を紹介


お見積もりについては、他の電力会社や最終保障供給を契約した場合の電気代との比較もできる(比較を希望した法人のみ)。年間のお見積もりだけでなく、毎月の電気代を算出するため月ごとの料金比較も可能だ。以下は、レポートとお見積書の例である。


お見積もりは「しろくま電力の市場連動型プランページ」または下記バナーからすぐに完了できる。市場連動型プランに切り替えると電気代がどうなるのか、他社と比較して安くなるのかを試算したい方はぜひお申し込みを。お急ぎの見積もり依頼にも対応できる。契約上のご相談や不明点などにも対応可能だ。

 

<法人向け>大手より最大25%も安い
安心して電気を安く使いたい法人は「固定単価型プラン」がおすすめ

また、しろくま電力では「市場連動型プランはどうしても不安だ」という法人に向けて「固定単価型プラン」も提供している。このプランは大手と違って「3〜6ヶ月前の燃料費の平均価格」でなく「前月の市場価格」を1kWhあたりの単価に落とし込むため、不透明な値上げリスクがない。

さらに、以下の2点により電気代が大手電力会社よりも「最大25%安くなる」可能性がある。

①基本料金と電力量料金が大手電力会社より安い
②燃料費調整額でなく、電源調達調整費を電気代に組み込んでいる

①について、しろくま電力では電気代の基本料金と電力量料金を大手電力会社よりも低くなるように設定した。そのため月々の電気代を安く抑えることができる。


②については、大手電力や新電力が電気代に燃料費調整額(化石燃料費の変動分だけ)を組み込む一方、しろくまプランでは電源調達調整費を含んでいる。電源調達調整費は、先述したJEPXの市場価格を1kWhあたりの単価に落とし込んだものだ。

燃料費調整額は化石燃料だけを価格に反映するため、燃料費が高騰すると燃料費調整額も上がってしまう。2020~2022年にかけて電気代が高騰したが、この原因は燃料費調整額だった。しかし市場価格は前述したように燃料費以外も参考にされるため、電気代の高騰リスクを軽減できる(当然、電源調達調整費が高騰するリスクもある)。

このように内訳を変更することで、大手電力よりも最大25%安くすることが可能となった。ちなみに市場連動型プランと固定単価型の価格の違いは以下である。

・市場連動型プランは電力量料金が市場価格を元に決まる
・固定単価型プランは従来の電力プランと同じく電力量料金は一定。

・市場価格は賢く電気を使えば電気代が大幅に安くなる。しかし市場価格高騰時はリスクもある
・固定単価型プランは市場連動型よりも市場価格の影響を受けづらい。安心して電気代を下げたい。


「市場連動型だと不安だ」「安心して安い電気代を使いたい」という企業様は、ぜひ下記からお見積もりを。