※この記事は2024年3月22日に最新の情報に更新されました。
【図解】太陽光発電設備の廃棄費⽤積⽴が義務化!いつから?いくら?わかりやすく解説!【改正再エネ特措法】
※この記事は2024年3月22日に最新の情報に更新されました。
2022年4月1日から施行される「改正再エネ特措法」。その内容のひとつに、太陽光発電設備の廃棄費⽤の積⽴義務化がある。この制度は強制的に廃棄費用が徴収されるものの、一定の条件を満たせば積立金の還付も可能だ。
この記事では、太陽光発電設備の廃棄等費⽤積⽴制度の仕組みや徴収される費用、対象期間、そして積立金の取り戻し方法をわかりやすく解説する。
目次 ・10kW以上の太陽光発電設備は、売電収入から廃棄費用が差し引かれる ・高圧の発電所は、条件を満たせば発電事業者自身での積立も可能 ・FIT期間中でも、以下のケースをクリアすれば積立金の払い戻し対象になる |
10kW以上の太陽光発電設備は、売電収入から廃棄費用が差し引かれる
2022年7月から、太陽光発電設備の廃棄費⽤積⽴制度がスタートした。この制度では、売電収入から廃棄費用が差し引かれ、推進機関という積立金の管理を行う団体に収められる。
制度の対象となるのは、FIT制度(固定価格買取制度)を導入している10kW以上の太陽光発電設備すべてだ。つまり、家庭用の太陽光発電設備以外は、受け取る売電収入が少し減ることになる。
廃棄費用の積立制度自体は2022年7月から始まるが、すべての発電所で一斉に開始されるわけではない。積立が開始するのは「FITの調達期間が終わる日の10年前から」だ。
例えば2013年7月1日にFITを導入した場合、2023年7月1日から積立が開始される。2012年6月30日までにFIT制度を利用して運転開始した発電所については、2023年7月1日の制度開始と同時に廃棄費用の積立が行われるので要注意だ。制度の仕組みを図で表すと、以下のようになる。
廃棄費用の積立制度は、もともと任意で行われていた。しかし2019年に国が調査したところ、実際に廃棄費用を積み立てていた発電事業者は16%にすぎなかった。そこで不法投棄などを防ぐために、この制度が義務化された。
廃棄費用はFIT認定年度や入札区分、容量で異なる
それでは、実際に「廃棄費用」として徴収される積立金はいくらなのか。
積立金は「積立基準額」×「売電量」で求めることができる。そして積立基準額は「FIT認定年度」や「入札区分」「容量」によって変動するので注意が必要だ。積立基準額をまとめると、以下の図になる。
例えば2013年度に運転開始した場合の積立金総額は、表中にあるように50kWでは700,000円(年間:70,000円)、300kWの場合は4,200,000円(年間:420,000円)ということになる。
低圧・高圧に関係なく、売電収入がその分減るため、ご自身の発電所の積立費用がいくらなのかを把握しておこう。どの年にFIT認定を受けたかによるが、売電収入の約4〜6%程度が廃棄費用として天引きされることになる。
高圧の発電所は、条件を満たせば発電事業者自身での積立も可能
今回の制度では、ここまで説明した推進機関による「外部積立」以外にも、条件を満たせば発電事業者自身で積立を行う「内部積立」も選択できる。この内部積立では、改めて事業計画を作成、公表したうえで、以下の5つの条件をクリアしなければいけない。
① 50kW以上の高圧発電設備であること
② 事業計画に記載される事業者が発電事業者本人であること
③ 積立基準額よりも高い金額の積立を行い、それを公表すること
④ 積立金額を定期的に公表すること
⑤ 金融機関や会計士などのチェックを定期的に受けること
内部積立は、50kW以上の高圧発電所だけが対象だ。そのうえ、定められた積立基準額よりも高い金額を積み立てる必要があり、その金額は申請後に減らすことはできない。
また定期的に金融機関などの監査が必須条件のため、未実施も不可能だ。もし条件のいずれかをクリアできなかった場合、すぐに外部積立へと移行される。
FIT期間中でも、以下のケースをクリアすれば積立金の払い戻し対象になる
積み立てられた廃棄費用は、7つある条件のうちどれか1つをクリアすれば払い戻し(取り戻し)される。FIT終了後だけでなく、FIT期間内も対象ですので、ぜひ押さえておこう。
① FIT期間中に発電事業を終了する
FIT期間内に発電事業を終了し、発電設備すベて(基礎や架台含む)を解体・撤去する場合は、払い戻し時点まで推進機関に積み⽴てられていた積⽴⾦を受け取ることができる。
② FIT期間中に発電事業を縮小する/太陽光パネルを交換する
FIT期間内に発電事業の規模を縮小し、使用していた発電設備を廃棄または交換する場合、以下の3つのうちの「もっとも小さい金額」が払い戻しされる。
A. 想定される積⽴総額のうち、廃棄する太陽光パネルの出⼒に相当する額
B. 払い戻し時点で推進機関に積み⽴てられていた積⽴⾦額
C. 実際に廃棄などでかかった費⽤
しかし、出力規模が50kW以上の発電所かつ廃棄される太陽光パネルが全体出⼒の15%以上である場合のみに限られるので要注意だ。
③ FIT期間終了後に発電事業を縮小する
こちらは①とほぼ同じである。FIT期間終了後、発電設備すベて(基礎や架台含む)を解体・撤去する場合は、払い戻し時点まで推進機関に積み⽴てられていた積⽴⾦を受け取ることができる。
④ FIT期間終了後に発電事業を縮小する/太陽光パネルを交換する
こちらも②とほぼ同じだ。FIT期間終了後に発電事業の規模を縮小し、使用していた発電設備を廃棄または交換する場合、以下の3つのうちの「もっとも小さい金額」が払い戻しされる。
A. 10年間で積み⽴てられた積⽴⾦の総額のうち、認定上の太陽光パネルの出⼒に対する廃棄する太陽光パネルの出⼒の割合に相当する額
B. 払い戻し時点で推進機関に積み⽴てられていた積⽴⾦額
C. 実際に廃棄などでかかった費⽤
こちらも②と同じく、出力規模が50kW以上の発電所かつ廃棄される太陽光パネルが全体出⼒の15%以上である場合のみに限られるので注意すべきだ。
⑤ FIT期間終了後、すべての太陽光パネルを交換する
FIT期間終了後、すべての太陽光パネルを交換する場合は、払い戻し時点において推進機関に積み⽴てられていた積⽴⾦をすべて受け取ることができる。
⑥ 事業廃⽌や認定取消により、解体などの完了確認を受けた場合
FIT期間の有無に関係なく、発電事業が継続できなくなり、すでに発電設備の解体などが完了した場合はそれまで積み立ててきた金額全額を受け取ることができる。
⑦ 内部積立と外部積立の2つをやっていた場合
これも⑥と同じだ。それまで外部に積み立てていた金額全額を受け取れる。
ちなみに、20年間のFIT期間が終了したあとも、FIP制度に移行したり自家消費をするなどして太陽光発電所の経営を続ける方は多いのではないだろうか。そういった場合、積み立てた廃棄費用は推進機関に残り続ける。③〜⑤のように積立費用が必要なとき、または⑥のように事業を廃止する場合だけ払い戻しが可能だ。
積立金を払い戻すには、解体前と解体後で提出書類が異なるので要注意
積立金の払い戻しを行う場合には、複数の書類を作成し、推進機関に提出する必要がある。必要なものは以下だ。
<必要なもの>
・申請書
・印鑑証明書
・認定事業者であることを証明する書面(認定事業者が申し込む場合) or 認定事業を承継したことが証明できる書面(承継人が申し込む場合)
上記に加えて、解体前に申し込むか、解体後に申し込むかで必要な書類が変わってくる。解体前に行う場合は、解体・撤去業者との契約書の写しなど「解体を行うことが証明でき、その費用がわかる書類」が必要だ。
そして解体後に申請する場合は、解体・撤去業者との契約書の写しや、産業廃棄物管理表、現場の写真、領収書など、「解体したことが証明でき、その費用がわかる書類」が必要となるので、紛失しないように注意すべきだ。
2022年7月から義務化される太陽光発電設備の廃棄費用積立て制度。強制的に売電収入から積立金が引き落とされるため、今後に備えて「いつから」「いくらくらい」引かれるのかを計算しておこう。導入を検討している法人も、しっかり把握しておくことをお勧めする。
しろくま電力は高い施工品質で、CO2排出量・電気代の削減を実現
補助金の煩雑な申請も担当者が手厚くサポート
しろくま電力は太陽光発電所の適地探しから土地開発、資材調達、施工までを一気通貫で行っている。発電設備の導入にあたって、PPAモデル・自社所有型モデルともに対応可能だ。
しろくま電力で太陽光発電設備するメリットは以下の3点だ。
・大規模発電所など、数多くの発電所を施工した実績
・設置場所の課題をクリアし、発電量を増やす技術力
・日射量データとAIを駆使した適地探し
しろくま電力のPPAのメリット①大規模発電所など、数多くの発電所を施工した実績
しろくま電力は、国内にある発電所の施工を数多く担当してきた。メガソーラーをはじめとする大規模発電所や、店舗の駐車場に設置するソーラーカーポートなど、施工実績が豊富だ。
土地開発から施工にいたるまで、ほぼ全ての業務を内製化する中で培った独自のノウハウを活かし、高品質の太陽光発電所を設置する。
参考:オンサイトPPAとは?オフサイトPPAとの違い、メリットデメリットをわかりやすく解説
参考:オフサイトPPAとは?オンサイトPPA・自己託送との違いをわかりやすく解説
しろくま電力のPPAのメリット②設置場所の課題をクリアし、発電量を増やす技術力
2つ目のメリットが技術力の高さだ。しろくま電力は施工に加え、施工の研究や実験にも力を入れている。発電所の設計では「影のない3D設計」を実現。3D設計により、100m横の敷地に立った左の発電所よりも22%も発電量を増やすことに成功した。
また太陽光発電設備は、屋根上や遊休地はもちろん、水の上や遠隔地、駐車場にも設置できる。特に駐車場に設置するソーラーカーポートには強いこだわりがあり、一級建築士監修のもと、2年もの歳月をかけて改良を重ねてきた。
上図左側のように、従来のソーラーカーポートは4本足で、駐車や扉の開閉がしづらく、相場も高い。しかししろくま電力では、前方に足がない2本足タイプを開発。これによって駐車しやすく、扉の開け閉めが容易になった。
(実際にケーヨーデイツー姉崎店に設置されている、2本足のソーラーカーポート)
ソーラーカーポートの価格についても、資材の大量輸入や業務効率のいい工法の開発などにより、業界トップクラスの低価格で対応する。PPAモデルを活用すれば、初期費用0円でソーラーカーポートや太陽光発電設備を導入することもできる。
参考:【図解】ソーラーカーポートとは?価格相場や導入メリットデメリット、補助金情報を解説!
参考:しろくま電力「しろくまカーポート事業ページ」
しろくま電力のPPAのメリット③日射量データとAIを駆使した適地探し
しろくま電力には土地開発チームがあるため、オフサイトPPAモデルを行う場合、土地探しから土地開発、施工までを一貫して実施できる。
土地探しの際は、自社で開発した「再生可能エネルギー適地検索システム」を活用。日射量データや該当エリアの系統の空き容量、土地の情報などのデータを学習したAIが、152万に分割した日本の土地の中から発電所の適地を見つけだす。
しろくま電力では、豊富な実績と高い技術力を活かし、国内企業の脱炭素や電気料金の高騰リスク軽減を全力でサポートする。太陽光発電設備の導入(PPAモデルまたは自社所有型モデル)に関するお問い合わせやご相談は「太陽光発電設備の導入に関するお問い合わせフォーム」または下記のバナーから。