ソーラーカーポートとは?導入がおすすめな企業やメリット・デメリット、補助金情報、後悔しないためのポイントを解説
※この記事は2024年3月22日に最新の情報に更新されました。
昨今、法人の電気代やCO2を削減するために、さまざまな場所に太陽光発電設備を設置するケースが増えている。そしてその1つの設置場所として注目されているのがソーラーカーポートだ。駐車場に発電設備を設置することは、発電以外にもメリットがある。
そこでこの記事では、導入を検討中の法人に向けて、ソーラーカーポートのメリットや注意点、導入にあたっての企業選びのポイントなどを解説する。
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ソーラーカーポートとは?
ソーラーカーポートとは、駐車場に設置するカーポート型の太陽光発電設備のことだ。カーポートとは、柱と屋根だけでできた簡易的な車庫で、その屋根部分に太陽光パネルを設置したものをソーラーカーポートという。
ソーラーカーポートは駐車スペースさえあれば、屋根の面積や建物の耐震性を気にせず導入できる。すでに屋根上に太陽光パネルを設置している企業でも、太陽光発電設備を増やす手段として非常に有効的だ。
ソーラーカーポートの種類とは?
ソーラーカーポートには主に3つの種類がある。それぞれについて解説していく。
①太陽光発電一体型のソーラーカーポート
1つ目が太陽光発電一体型のソーラーカーポートだ。これはカーポートの屋根部分が太陽光パネルになっているもので、ソーラーパネルやパワーコンディショナーなど、周辺機器の設置を前提に設計されている。基本的に太陽光パネルは取り外せない場合が多い。
②太陽光発電搭載型のソーラーカーポート
2つ目が、カーポートの屋根の上に太陽光パネルを設置する太陽光発電搭載型のソーラーカーポートだ。太陽光発電一体型との違いは、太陽光パネルを自由に取り外すことができる点である。しかしカーポートによっては太陽光パネルの設置を前提としていないものもあるため、重さに耐えられず設置ができないケースがある。
③オーダーメイドタイプのソーラーカーポート
3つ目がオーダーメイド型のソーラーカーポートだ。これは敷地に合わせてカーポートを設計し、その上に太陽光パネルを設置するものである。費用が少し高くなるが、設置場所の面積や環境に合わせたカーポートを設置できる。
ソーラーカーポートを導入するメリットとは?
企業がソーラーカーポートを導入するメリットは主に5つある。
メリット①:屋根以外のスペースを有効活用でき、利便性の向上につながる
1つ目のメリットがスペースを有効活用できる点だ。太陽光発電設備を設置しようとしても「工場の老朽化が進んでいて設置を断られた」「設置するスペースに余裕がない」など、屋根上に発電設備が設置できないケースがある。しかし、ソーラーカーポートは駐車スペースがあれば設置できる。
ソーラーカーポートは、雨の日は雨除け、晴れの日は日除けになる。雨の日だと濡れずに乗り降りできるため店舗の場合は売上アップが期待でき、ビルや工場でも従業員が濡れずに済む。晴れの場合、ゴルフ場などに設置すれば車内の温度が上がりすぎるのを防ぐことができる。
メリット②:発電した分だけ電気代を安くできる
2つ目のメリットが、ソーラーカーポートで発電した電気を使うことで、電力会社から購入する電気量が減り、電気料金を安くできる点だ。
設置費用を自社で負担して設置する「自社所有モデル」の場合、初期費用が発生するが、発電した電気は無料で使用できる。月々の電気料金を大幅に安くできるのだ。
一方、初期費用0円でソーラーカーポートを導入する「PPAモデル」というものもある。これは、PPA事業者が初期費用を負担して需要家の敷地にソーラーカーポートを設置するものだ。
太陽光発電設備と発電した電気の所有権はPPA事業者にあるため、PPAモデルの場合は電気を買い取って使用する必要がある。しかし、電気代の単価自体が安くなるケースが多いため、電気代高騰リスクを軽減できるのだ。
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メリット③:CO2排出量を削減でき、脱炭素につなげられる
3つ目のメリットが、CO2排出量を削減できる点だ。太陽光は再生可能エネルギーであり、二酸化炭素を一切排出しない。そのため、脱炭素経営やカーボンニュートラルの実現に繋げられる。
RE100の加盟条件も満たすことができ、ESG投資の呼び込みやプライム市場の所属などの効果も期待できるのだ。取引先からCO2削減を求められている法人も、ソーラーカーポートを設置することで対応が可能となる。
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メリット④:蓄電池の併用で災害時の非常用電源になる
4つ目のメリットが、蓄電池との併用で非常用電源としても活用できる点だ。災害の発生などでインフラが一時的にダウンしても、蓄電池を併用すればソーラーカーポートで発電した電気を貯めることができ、そのまま非常用電源として使用できる。パワーコンディショナー(パワコン、PCS)に自立運転機能が必要なので、その点だけ注意が必要だ。
さらに蓄電池を活用すれば、昼間に発電した電気を貯めることができ、夜間などでも電気が使用できるようになる。BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)対策の観点からも非常に有効的だ。
関連記事:BCP対策とは?目的や策定方法・運用のポイントをわかりやすく解説!
メリット⑤:契約によっては売電収入が得られることもある
5つ目のメリットが、ソーラーカーポートで余った電気を得ることで収入を得られる点だ。FIT制度やFIP制度を活用することで、ソーラーカーポートで作った電気を電力会社に売却することができる。10kW以上の太陽光発電の場合、10円/kWhで売電できる。
ただし注意すべきは、これは設置費用を自社で負担した場合のみ活用できる点だ(PPAモデルは対象外)。また自社で設置費用を負担した場合でも、補助金を活用していると売電が許可されないケースがある。売電も考えている法人は、施工業者に相談することをおすすめする。
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導入後に後悔しないために。
ソーラーカーポートを導入する上でのデメリット・注意点とは?
ソーラーカーポートを導入するにあたって、デメリット・注意点が5つある。
注意点①:設置前に建築確認申請を行う必要がある
1つ目の注意点が、設置前に建築確認申請を行う必要がある点だ。
建築基準法においてソーラーカーポートは「建築物」に該当する。そのため導入する際「法で定められた建ぺい率(敷地の広さに対する建物の面積の割合)を守っている」という申請が必要だ。この申請を建築確認申請という。
建築確認申請を受け付けているのは、役所の担当部署もしくは民間の指定確認検査機関。ソーラーカーポートを扱う企業によっては申請を代行できる場合があるため、手間をかけたくない場合はそういった企業に依頼するのも一つの手だ。ちなみに屋根上・野立ての太陽光発電所は、建築物に該当しない。
注意点②:企業選びを誤れば、設置費用が高くなる可能性がある
2つ目の注意点が、企業によっては設置費用が高くなる可能性がある点だ。ソーラーカーポートは企業ごとにタイプが異なるため、どの会社を選ぶかで価格も大きく変わる。
「A社よりもB社の方が価格が安く、機能性もデザインもよかった」ということもあり得るため、相見積もりをとることをおすすめする。ソーラーカーポートの価格相場は、大体30〜40円/kWhほどだ。しかし設置台数が少ない場合、60万円/kWh以上のものもある。
「脱炭素したいが導入費用はあまりかけたくない」場合、オンサイトPPA契約を結ぶのも一つの手だ。先述したように、PPAモデルであれば、初期費用や管理費用0円でソーラーカーポートを導入することができる。
参考:オンサイトPPAとは?オフサイトPPAとの違い、メリットデメリットをわかりやすく解説
注意点③:周辺環境によっては発電量が少なくなる可能性がある
3つ目の注意点が、周辺環境によっては発電量が少なくなってしまう可能性がある点だ。例えば駐車場周辺に建物や樹木があり影ができる場合、ソーラーカーポートは発電することができない。
発電できないとなると、電気代・CO2排出量の削減効果も期待できなくなってしまう。導入後に気づいて後悔しないためにも、専門知識や経験が豊富な施工業者を選ぶことをおすすめする。
注意点④:ソーラーカーポートの種類によっては駐車しづらくなる場合がある
3つ目の注意点が、ソーラーカーポートによっては設置後に駐車しづらくなり、利便性が落ちてしまう点だ。②でも述べたが、「A社よりもB社の方が価格が安く、機能性もデザインもよかった」という可能性は十分に起こりうる。ここでは、デザインについて説明したい。
ソーラーカーポートは、基本的に四本の柱で成り立っている。そのため、メーカーによっては「柱が邪魔で駐車しづらい」「扉の開け閉めがやりづらい」といった問題があり、場合によっては駐車台数を減らす必要もある。快適に利用できるか、駐車可能台数を減らさずに済むかどうかも注意しておきたいポイントだ。
注意点⑤:固定資産税がかかるケースがある
4つ目の注意点が、ソーラーカーポートは固定資産税がかかるケースがある点だ。以下の条件に該当する場合、固定資産税が発生する。
・基礎が地中に埋められている
・出力が10kW以上ある
・太陽光発電一体型のソーラーカーポートである
法人の場合、太陽光発電一体型のソーラーカーポートが多いため、固定資産税が発生する可能性がある。固定資産税が発生するかどうかは設置業者に確認するといいだろう。
ソーラーカーポートのメリットとデメリット、対策をまとめると
ここまでソーラーカーポートのメリットとデメリット、対策を解説してきた。それらをまとめると以下になる。
ソーラーカーポートのメリット ①屋根以外の空いているスペースを有効活用でき、利便性の向上につながる |
ソーラーカーポートのデメリットと対策 ①設置前に、建築確認申請を行う必要がある ⇨申請を代行できる業者に設置を依頼する |
ソーラーカーポートの設置が向いている企業の特徴とは?
ソーラーカーポートを設置することをおすすめする企業の特徴を3つ紹介する。
特徴①:屋根上や自社敷地内に太陽光発電設備を設置できない法人
1つ目が自社敷地内に太陽光発電設備を導入できない企業だ。ビルや工場の屋根上の場合、敷地の広さが不十分だったり、建物の老朽化が進んでいたりすると太陽光発電設備を設置できない場合がある。
しかしソーラーカーポートは駐車場があれば設置できる。ソーラーカーポートの場合、土地を有効活用して利便性を上げることもできるため、何らかの理由で太陽光発電設備の導入を諦めていた企業にもおすすめだ。
特徴②:太陽光発電設備を導入済みだが、さらに発電量を増やしたい法人
2つ目が、すでに太陽光発電設備を導入していて、さらに発電量を増やしたいと考えている企業だ。屋根上や遊休地と合わせてソーラーカーポートを導入することで、さらに発電量を増やすことができる。
CO2削減量が目標に達していない、電気代をもっと安くしたい、土地を有効活用したい法人はソーラーカーポートの導入を検討するといいだろう。PPAモデルなら、0円での導入が可能だ。
特徴③:自社で電気自動車を使用している法人
3つ目が、社用車として、EVやPHEVなどの電気自動車を使用している法人だ。ソーラーカーポートには、タイプによっては充電器つきのものもある。その場合、発電した電気をそのまま充電できる。
充電器が付いていないものでも、オプションなどで追加できる場合もあるため、一度相談することをおすすめする。
ソーラーカーポートの導入で使える補助金はある?
2023年度、ソーラーカーポートの導入に利用できる補助金制度は1つのみ。環境省が行う「新たな手法による再エネ導入・価格低減促進事業」だ。
この補助金は、条件を満たした法人であればどの事業者でも応募できる。もし採択された場合、ソーラーカーポートや蓄電池の導入費用が3割以上安くなる(補助金額の上限は1億円)。
補助金の詳しい条件や採択されるためのポイント、環境省が実施している加点ポイントなどの解説は、「【2024年最新】ソーラーカーポート、設置費用3割減!補助金情報をわかりやすく解説!」で行っている。
ソーラーカーポートの導入事例
次にしろくま電力のソーラーカーポートの導入事例を紹介する。
導入事例①:ケーヨーデイツー様の店舗駐車場にソーラーカーポートを設置
しろくま電力と、しろくま電力が出資するMaF合同会社は、株式会社ケーヨーが展開するケーヨーデイツーの4店舗に自家消費型のソーラーカーポートを設置。オンサイトPPAモデルによる電力提供を開始した。
2021年にソーラーカーポートを導入したケーヨーデイツー八街店の発電容量は約250kW。店舗の使用電力の約4割をソーラーカーポートで賄っている。この事例は、環境省が発表した「優良事例」としても紹介されている。
参考:しろくま電力「エンバイオ・ホールディングスと共同で、ケーヨーデイツーの3店舗にソーラーカーポートを設置。PPAでの電力提供を2月1日から開始。」
導入事例②:茨城県八千代町役場の職員用駐車場にソーラーカーポートを設置
2023年にしろくま電力は茨城県結城郡八千代町と常陽グリーンエナジー株式会社と協業し、八千代町役場の職員用駐車場にソーラーカーポートを設置。同年4月よりPPAモデルによる電力供給を開始した。
想定年間発電量は145,266kWhで、これによって約24.6%の電力を賄うことができる計算だ。電気代を大幅に削減するのはもちろん、年間58.4tのCO2排出量を削減する見通しである。
参考:常陽銀行としろくま電力が協業し、八千代町にソーラーカーポートPPAによる電力供給を開始
導入事例③:滋賀県湖南市の5施設にソーラーカーポートを設置
2023年、しろくま電力は滋賀県湖南市とパシフィックパワー株式会社、こなんウルトラパワー株式会社との協業により、湖南市のコミュニティセンターなど5施設にソーラーカーポートを設置した。
5施設の出力規模は合計339.3kW。この取り組みによってCO2の年間排出量を170t削減する見通しだ。
参考:しろくま電力、湖南市の5施設にしろくまカーポートを設置
しろくま電力のソーラーカーポートは駐車しやすい2本足タイプ
電気代・CO2排出削減を実現し、補助金申請なども手厚くサポート
しろくま電力ではソーラーカーポート「しろくまカーポート」の施工を手がけている。「しろくまカーポート」は、従来の4本足タイプのソーラーカーポートと異なり、前方に脚がない2本足タイプだ。一級建築士監修のもと、2年の歳月をかけて開発した(下図参照)。
(左が従来の4本足のソーラーカーポートで、右がしろくま電力が開発した2本足タイプ)
しろくま電力は、ホームセンターであるケーヨーデイツー4店舗(八街店、姉崎店、佐原店、長生店)に「しろくまカーポート」を設置している。八街店では234kW分のソーラーカーポートを導入。発電した電気は、店舗で使用する電力の約4割を担う計算だ。
この事例は、環境省が発表した「ソーラーカーポート等の新たな自家消費型太陽光等の導入支援事業に関する優良事例」において、優良事例として掲載された。
「しろくまカーポート」を導入するメリットは以下の3点が挙げられる。
・業界トップクラスの低価格
・2本足だからこその高い利便性
・4本足と同等の優れた耐久性
「しろくまカーポート」のメリット①:業界トップクラスの低価格
これまでソーラーカーポートは資材や施工方法の関係で単価が高く、普及が進んでこなかった。しかししろくま電力では、資材を大量購入し、効率のよい工法を自社で開発。調達から施工までを内製化し、4台用のソーラーカーポートだけを扱うことで大幅なコストダウンに成功した。
こういった取り組みにより、業界トップクラスの低価格でソーラーカーポートの設置が可能だ。PPAモデルを活用し、初期費用0円でソーラーカーポートを導入することもできる。
(実際にケーヨーデイツー姉崎店に設置されている、2本足のしろくまカーポート)
「しろくまカーポート」のメリット②:2本足だからこその高い利便性
「しろくまカーポート」が2本足である理由は、利用者目線を徹底的に追求しているからだ。前方の支柱をなくすことで、従来のソーラーカーポートよりも駐車がしやすい。さらに前方の支柱がスペースを取らないため、駐車可能台数を減らすことなく設置できる。
ケーヨーデイツー八街店にて、実際に買い物で利用された方に話を伺うと「開放感があって扉の開け閉めがしやすい」「雨の日に荷物が多くても安心して利用できる」などの声が挙がった。「しろくまカーポート」は電気代・CO2排出の削減だけでなく、雨の日の利便性向上・売上UP効果も期待できるのだ。
「しろくまカーポート」のメリット③:4本足のソーラーカーポートと同等の優れた耐久性
「しろくまカーポート」は2本足だが、耐久性は4本足と同等である。支柱を減らすにあたり、私たちは2本足でも耐久性を維持できるよう研究を重ね、試験を繰り返した。
その結果、しろくま電力独自の工法の開発に成功。これにより、従来の四本足のソーラーカーポートと同等の耐久性を実現した。標準仕様の場合、積雪量が41cm以下、風速が39m/s以下の地域で設置可能だ。
このように「しろくまカーポート」は従来のソーラーカーポートよりも多くの導入メリットがある。さらに導入の際、今回の記事で解説した補助金の申請についても、担当者が手厚くサポートする。
(実際にケーヨーデイツー姉崎店に設置されている、2本足のしろくまカーポート)
無料かんたんシミュレーションで、どれだけ電気代が安くなるかの確認を
「ソーラーカーポートを導入すれば、実際にどれだけ電気代が安くなるのか知りたい」
こういった声にお応えすべく、しろくま電力では「しろくまカーポートのAI導入シミュレーション」を提供している。
シミュレーションは、電気代の検針表を用意し、導入を希望する場所の住所と希望台数、電気の使用状況を入力するだけ。あとは全国の日射量データを学習したAIが、削減できる電気代をすぐに算出する。
導入シミュレーションの利用・お見積もりのお問い合わせは「しろくまカーポートのAI導入シミュレーションページ」または下記バナーから。
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