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電力需給ひっ迫・電気代値上げは2023年も続く!電力不足の原因と法人がすべき値上げ対策を解説

2023年も電力需給のひっ迫・電気代の値上げは続く?理由と対策を解説

※この記事は2024年3月22日に最新の情報に更新されました。

2022年の夏、電力不足によって発生した電力需給の逼迫(ひっ迫)。なんとか大規模停電は免れたが、2022年度の冬、さらに2023年度の夏と冬にも需給ひっ迫が起きる可能性がある。もし電気が不足した場合、さらに電気代が高騰してしまう

この記事では、なぜ2023年度の電力需給がひっ迫、電気代が値上げする恐れがあるのか、電力不足の原因を2つ説明し、今後も続く電気代値上げへの対策を解説する。

2022年度冬の電力需給ひっ迫については「2022年度の冬も電力需給はひっ迫する!電気代高騰・倒産に備えて企業がすべき対策とは?」で解説している。

 

 

天然ガスと石炭の価格が大幅な高騰を続けている

まず1つ目の理由として考えられるのが、燃料価格の大幅な高騰である。日本の火力発電所の主な燃料は、LNG(液化天然ガス)と石炭だ。いずれもそのほとんどを輸入に頼っているが、大幅に値上がりしている。

日本でも、ヨーロッパではロシアから供給される天然ガスが大幅に減少し、今年の冬は十分な量が確保されないのではないか、というニュースが報道されている。実際に、天然ガスのスポット市場の価格は下図のように大幅に上昇しているのだ。

天然ガスの価格推移
(出典:経済産業省エネルギー庁「電力・ガスの需給対策について」


日本はLNGの大部分を長期契約で買っているため、グラフほど大幅な値上がりはしていない。ロシアのサハリンからの輸入が日本全体の9%に相当するため、これが途絶すると需給がひっ迫することになるが、現時点では輸入は継続している。

ただし、今後は長期契約ではなくスポット市場での取引が増加する見込みで、これがLNGの輸入価格をさらに引き上げることになりそうだ。そのため2023年は燃料費高騰の煽りを受けて電気代がさらに高騰する恐れがある。

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最近はロシア・ウクライナ問題の影響もあり、LNGのニュースが多く取り上げられているが、実は燃料代の上昇としては、石炭の方が大きな影響を与えていることも押さえておきたい。

日本の石炭輸入価格(出典:経済産業省エネルギー庁「電力・ガスの需給対策について」


上のグラフからもわかるように、過去10年の平均価格から4倍近く、2年前からは約8倍も石炭は値上がりしているのだ。石炭が値上がりする理由としては、アジア地域で石炭の需要が増加する一方、供給量は増えていないからだ。世界的に石炭が不足しているうえに、ロシアからの輸入が止まっているため、非常に高騰しているといえる。

このように、燃料価格、とりわけ石炭の価格の上昇が電力の価格全体を押し上げているのだ。燃料代がかからない再生可能エネルギーでの発電も増えているが、それでも日本の電気の約7割は火力発電でつくられている。世界的な化石燃料の不足による燃料費高騰の影響は、2023年も続くと考えられるのだ。


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国内の火力発電所が老朽化し、不足している

2023年度に電力需給がひっ迫・電気代が値上げする理由の2つ目は、国内の火力発電所の不足である。

2016年の電力小売り全面自由化以降、大手電力会社は競争力を確保するため、採算の取れない古い発電所を休廃止してきた(下図参照)。年間平均で約400万kW分の火力発電所が日本から姿を消しているのだ。

火力発電所の廃止実績(出典:経済産業省エネルギー庁「今後の供給⼒確保策について」

燃料代の高騰は電気料金全体の値上げにつながっている。そして発電所が不足すれば、電気の量そのものが減ってしまうため、JEPX(卸電力取引市場)の市場価格が急激に高騰(スパイク)する要因になるのだ。市場価格が上がれば、JEPXから電気を仕入れて販売する新電力は電気代を上げざるを得ない。

世界的な脱炭素社会の実現に向けた動きもあり、太陽光発電所や風力発電所は増加している。だが、再生可能エネルギーは天候の影響を受けやすい。特に導入量が多い太陽光発電は、くもりや雨、雪の日や、夕方や夜にはあまり発電が期待できない。

こういった状況もあり、政府は当初、2022年度の冬は最小で1.5%しか予備率がないことを発表していた。そこで火力発電所の補修点検をずらしたり、冬に運転できる発電所を公募することで、電源を確保。下図のように予備率を4%台にまで回復させた。

 

2022年冬の電力需給状況

(出典:経済産業省エネルギー庁「今後の供給⼒確保策について」


それでも冒頭で述べたように、厳しい寒さの日に大規模発電所がトラブルなどで停止したら、予備率が一気に下がり、需給がひっ迫する恐れがある。経済産業省資源エネルギー庁は万が一に備え、自家用発電設備を持っている法人には電力供給を要請し、家庭や法人には節電プログラムへの参加を呼びかけている。

【図解】節電ポイントとは?法人にメリットはある?仕組みや注意点を解説!


それでは、2023年の夏と冬の電力需給状況はどうなるのかといえば、やはり厳しい。

2023年の電力需給予測(出典:経済産業省エネルギー庁「今後の供給⼒確保策について」

とりわけ、9月の東京エリアと中部エリアは予備率3.1%となっている。数字上は2022年の冬より厳しいのだ。2023年の夏冬も需給がひっ迫する可能性が高いといえる。

2023年に限らず、長期的にも電源は不足していくだろう。2030年までにさらに3000万kW程度の火力発電所が廃止される一方、新設される火力発電所は1200万kW程度である。1800万kWもの火力発電所が減少するのだ。

もちろん、これを上回る規模の太陽光発電所が設置される見込みではあるが、節電の実施や蓄電池の設置などを行わないと、電力がひっ迫する可能性は高いままである。ひっ迫すれば、電気代も上がることになる。



燃料・電力量の不足により、2023年も需給ひっ迫・電気代高騰リスクは高い

2023年の電気代は、残念ながら下がる要素はほとんどない。ロシア・ウクライナ問題は出口が見えず、かりに停戦になったとしても、ロシアからの輸入をすぐに再開するということにはならないだろう。

また中国などでエネルギー需要が増加しているが、石炭やLNGの供給力は限られているため、燃料代が下がる可能性も低いといえる。再生可能エネルギーの導入量がさらに増加し、あるいは建物の省エネ化が進むことで燃料の需要が減少すれば燃料代は下がるが、それには時間が必要だ。

火力発電所の発電容量は今後も減少する見込みだが、2024年から、容量市場という「発電所を確保するための市場」の運用が始まる。2024年の発電所はすでに2020年の容量市場オークションで決まっており、必要な発電所は確保されているといわれている。しかし、これも確実に確保されたとは限らない。火力発電所や再稼働した原子力発電所には老朽化しているものがあり、いつ計画外停止してもおかしくないからだ。

したがって電気代を節約するためには、積極的な節電が必要だ。また市場連動料金メニューの場合、高い時間帯の電力消費を減らすことが求められる。さらに、太陽光発電を自社で設置する、あるいはPPAを使って設置するということも、電気代を削減する取り組みとしては効果的だ。

【図解】太陽光発電のPPAモデルとは?仕組みやメリット・注意点を解説

 

特に電気の料金プランには注意しておきたい。一般的な電気料金プランの場合、電力需給がひっ迫すると電気代が上がるだけでなく、新電力の倒産や撤退リスクも上昇する。市場連動型プランではそういったリスクをほぼゼロにできるのだ。2022年の冬だけでなく、2023年度以降に備えて、ぜひ市場連動型プランへの切り替えを検討していただきたい。

市場連動型プランについては「【図解】市場連動型プランとは?最終保障供給より安い?メリットデメリットをわかりやすく解説!」で解説している。

 

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しろくま電力の強みは「電気代の安さ」と「業界トップクラスのプラン数」だ。「電気代をとにかく安くしたい」「価格の安定性も重視したい」など、ニーズに合わせた電力プランを選ぶことができる。中には電気代を45%(1.5億円)削減したプランもある。プランをカスタマイズし、御社だけの電力プランを作ることも可能だ。

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以下はしろくま電力を導入する主な企業・自治体である。

しろくま電力を導入する主な企業・自治体

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