2025年10月、経済産業省が「2026年度の電力需給見通し及び電力需給対策」を発表した。この資料によると、2026年夏季の東京電力エリアは電力需給に余裕がなく、もしかすると節電要請が出るかもしれないのだ。
そこでこの記事では、
上記について、わかりやすく解説していく。
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節電要請とは、政府が家庭や法人に対して節電の実施を依頼することだ。電力需要量が電力供給量に迫っており、電気が余っていない場合にこうした節電要請が発令される。
そして政府が「電気が余っているかどうか(電力需給がひっ迫しているかどうか)」の判断材料とするのが「電力供給予備率」だ。この予備率が8%以上であれば「電力需給は安定している」といえるが、以下のように5%を下回ると「電力不足が起こる可能性がある」として節電要請が出る可能性がある。
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電力需給
ひっ迫準備情報 |
「2日後」の予備率が5%を切る恐れがある場合に発令される。節電要請など、注意喚起にとどまる場合がほとんど。
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電力需給
ひっ迫注意報 |
「翌日または当日」の予備率が5%を切る恐れがある場合に発令される。こちらも節電要請などが行われる。
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電力需給
ひっ迫警報 |
「翌日または当日」の予備率が3%を切る恐れがある場合に発令される。強い節電要請が行われる。もし1%を切った場合は計画停電が実施される可能性が高い。
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節電要請は強制ではないため、対応しなくても罰則はない。しかし、皆が節電しないでいると需給の余裕がますますなくなり、予備率が1%を切ると計画停電が実施される可能性が高くなる。
もし計画停電の対象となると、その間、事業を継続できなくなってしまう。さらに需給バランスが悪化すると、ブラックアウト(大規模停電)が発生し、事業どころか社会インフラが全て停止するため、極力節電要請には応じた方がいいだろう。
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2026年度は節電要請が実施される可能性が高いとされるが、これまでも日本ではたびたび節電要請が発令されている。
例えば、2011年には東日本大震災後の原発停止により節電要請・計画停電が実施された。最近では、2022年度に震災や火力発電所の休止などで電力需給が度々ひっ迫し、3月には「電力需給ひっ迫警報」の発令に合わせて節電要請が出される事態となっている。
電力需給ひっ迫警報が出たのはこの1回だけだが、節電要請の発令は最近も行われていることを理解しておくといいだろう。
ここまで節電要請について解説し、2022年も発令されたことを説明したが、それでは2026年はどれくらい需給に余裕がないのだろうか?
上図は経済産業省が発表した電力需給の最小予備率である。黒字の箇所を見ればわかるが、東京電力エリアは2026年7〜9月にかけて予備率に余裕がないことがわかるだろう。
中部エリアも9月はひっ迫の恐れがあり、さらに2027年1月も予備率が5.7%の見込みとなるなど、余裕があるとは断言できないことがわかる。
ちなみに上図は2025年度の予備率である。夏場は特に2桁の予備率となっており、東京では結局節電要請は行われなかった。この数字と比較すると、いかに2026年度の電力需給に余裕がないかがわかるだろう(2026年2月の九州エリアの予備率は3.2%となっているが、実際は8.5%まで上がる予定)。
2026年夏に東電エリアの予備率が低い理由は、管轄内の複数の火力発電所が年間を通して補修に入っているからだ。さらに現在も稼働中の火力発電所も休止に入るため、電力供給量が大幅に下がるとされている。下図を見ればわかるが、供給力が極端に落ちているのだ。
一方、この図では東京エリアは去年よりも需要が増える見通しとされているが、これは「東京エリアで電力を使う量が増える」という意味ではない。この資料では「需要=電力を使う量」ではなく「需要=電力を使う量ー他エリアから融通された電力量」である。
日本ではエリア間で電力を融通しており、東電エリアは他の地域から多くの電力を受け取っている。しかし2026年度は前年度よりも全国的に電力需給に余裕がない見通しのため、東電は前年度よりも融通を受けられないかもしれないのだ。
こうした事態を受け、政府は現在、休止している火力発電所の再稼働を検討するなどの対策を進めている。日本全体で大規模な停電が発生する、ということはないとは思うが、節電要請が発令される可能性があることは理解しておくといいだろう。
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ここまで、2026年に東電エリアで節電要請が起こるリスクがあることを解説してきた。それでは節電要請が出た場合に備え、法人はどういった対応をしておくといいのだろうか。
まず節電要請が出た場合、夏の昼間や冬の夕方など、電力需要が最も増える時間帯の使用量を減らすことが求められる。このためには、
・空調の温度設定の見直し
・不要な照明の間引き
・生産設備の稼働の調整
・使用しない機器はスリープでなくコンセントから抜く
といった対応をとることをおすすめする。こうしたアクションだけでも10%近い節電になるのだ。それ以外にもオフィスや工場でできる節電方法を解説しているため、興味がある方はぜひ読んでいただきたい。
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しろくま電力は、大手電力よりも電気代が安い電力プランを提供しているが、それだけでなく「しろくまDR」という、デマンドレスポンス(DR)のサービスも行っている。
デマンドレスポンス(DR)とは、電力の需要量を供給量に合わせる方法のこと。需給バランスがひっ迫しそうになると、電力会社から契約中の法人・家庭にDRの依頼が飛び、対応することで電気代が割引される仕組みだ。
しろくま電力では、高圧・特別高圧の法人を対象に「しろくまDR」を実施している(参加費無料)。毎年夏季(7〜9月)および冬季(12〜2月)の指定時間に節電することで、削減電力量に応じて電気代を割引する。
通常は節電しても大きなメリットはないが、しろくまDRに加入すれば節電できるだけでなく電気代も割引されるため、興味がある法人様はぜひご連絡をいただきたい。
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