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【注意】イラン攻撃で法人の電気代は値上がりする?過去の事例をもとにわかりやすく解説

【注意】イラン攻撃で法人の電気代は値上がりする?過去の事例をもとにわかりやすく解説

2026年2月28日、アメリカとイスラエルがイラン各地への共同空爆を行った。これによって多数の死傷者が出ており、イランが報復行為に出るなど対立が深まっている。

この衝突は日本から遠く離れているものの、日本国内にもかなりの影響を及ぼす恐れがある。特にエネルギーに関する問題は深刻で、2022年のように多くの電力会社が大幅値上げ・倒産する可能性もゼロではない。

この記事では、イラン攻撃の概要や背景に触れつつ、なぜ電気代が上がるどころか電力会社が倒産する可能性があるのか、もし倒産した場合に法人はどう対応すべきなのか、について解説していく。

 

 

 

イラン攻撃とは?そもそもなにが起きたのか?

イラン攻撃とは?そもそもなにが起きたのか?

冒頭でも述べたように、2026年2月28日にアメリカとイスラエルがイラン各地への共同空爆を行った。これによってイラン国内の軍事施設や核関連施設、交通インフラなどが被害に遭い、数百名の死者が出ている。その中には、イランの最高指導者であるハメネイ師の名前もあった。

この事態を受けてイランは反撃を開始。周辺諸国(クウェート、UAE、カタールなど)にある米軍基地へミサイル攻撃を実施した。さらにイランはホルムズ海峡の閉鎖を宣言し、燃料を載せたタンカーが通過できないなど、世界各国で混乱を招く事態となっている。

 

なぜアメリカはイラン攻撃を実施したのか?

アメリカがイラン攻撃を実施した主な原因としては、「イランの核問題」と「ハメネイ師という存在」の2つが考えられる。

まず、一番の理由として考えられるのが「イランの核問題」だ。IAEA(国際原子力機関)の報告によると、イランがウランを「核兵器転用が可能なレベル」まで濃縮している事実が指摘されていた。

トランプ大統領は「イランのミサイルがアメリカを直接攻撃しうる」と危機感を募らせ、アメリカ・イラン間で核濃縮の即時停止をめぐる交渉を開始。しかし2026年2月26日に交渉が決裂し、今回のイラン攻撃へと繋がった。

また、今回の攻撃には「ハメネイ師の排除」も目的の一つと考えられる。アメリカとイランは半世紀近くにわたって対立関係にあり、さらにイランはハマスやヘズボラ、フーシ派といった武装勢力を資金・武器両面で支える「影の主役ではないか」という懸念もあった。

こういった背景もあり、イランの現体制を終わらせるためにも、アメリカは今回の攻撃に踏み切ったものと思われる。

 

 

イラン攻撃ですでに燃料費が高騰している

イラン攻撃ですでに燃料費が高騰している

ここまで、アメリカによるイラン攻撃の背景を解説してきた。冒頭でも述べたが、今回の衝突によってイラン革命防衛隊(IRGC)はホルムズ海峡の封鎖を発表。天然ガスや石油を積んだタンカーが海峡を通過できず、エネルギーを運搬できない事態となっている。

これに対し、アメリカ側は「タンカーを護衛する」と発言。しかし、実際に通過したタンカーが攻撃を受けたとの報道があり、保険との兼ね合いから、多くの船舶がホルムズ海峡を通過できずにいる。

これを受けて、LNG(天然ガス)と石油の価格が上がり始めている。

JKM(日本と韓国のLNGのスポット価格)の1年間の価格推移だ。2026年3月17日時点の価格は19.275ドルと、すでにこの1年で最高値となっていることがわかる。(出典:Investing.com「LNG Japan/Korea Marker PLATTS Future 取引 - 5月2026 (JKMc1))

上図は、JKM(日本と韓国のLNGのスポット価格)の1年間の価格推移だ。2026年3月17日時点の価格は19.275ドルと、すでにこの1年で最高値となっていることがわかる。

LNGは石油や石炭と違って長期備蓄が難しいため、供給不安が生じると即座に価格が跳ね上がってしまう。今回もその不安が価格に反映されている形だ。ちなみにこの価格は、2022年に開始したロシア・ウクライナ戦争で発生した燃料費高騰と同水準である。

政府のLNGの備蓄状況を見ると、日本のガスはあと2〜3週間分しか在庫がない。運搬にも数週間かかるため、このままではガスの在庫が底をつき、価格がさらに高騰する可能性がある。

 

LNGだけでなく「石油価格」も大幅に値上がりしている。この価格水準は、やはり2022年ごろと同じである。政府の石油備蓄状況を見ると、こちらは250日分の備蓄があるものの、それでもこの衝突が長引く限りは価格が上がる可能性は高いだろう。(出典:Investing.com「原油先物 WTI 取引 - 5月2026 (OIL)」)

また上図のように、LNGだけでなく「石油価格」も大幅に値上がりしている。この価格水準は、やはり2022年ごろと同じである。政府の石油備蓄状況を見ると、こちらは250日分の備蓄があるものの、それでもこの衝突が長引く限りは価格が上がる可能性は高いだろう。

 

ホルムズ海峡の閉鎖により燃料はどうなるのか?

ホルムズ海峡の閉鎖によって供給不安が生じ、燃料価格が上がっていることがわかった。それでは今後、燃料はどのルートを使うのだろうか?そして、燃料費はこれからどうなっていくのだろうか?

日本向けのエネルギー輸送ルートをまとめたものだ。ルートは今回閉鎖された「①ホルムズ海峡ルート」の他に、「②紅海ライン」と「③喜望峰ルート」がある。

上図は、日本向けのエネルギー輸送ルートをまとめたものだ。ルートは今回閉鎖された「①ホルムズ海峡ルート」の他に、「②紅海ライン」と「③喜望峰ルート」がある。

まず「②紅海ライン」について。これはスエズ運河から紅海を通過し、インド洋へと向かうルートで、ホルムズ海峡ルートよりも5〜10日ほど時間がかかる。

このルートの難点は、世界で最も危険な海域の一つとされる「紅海」を通過する点だ。

紅海は親イラン武装勢力の海賊が多く、世界の保険市場でも「戦争危険区域」に指定されている。ここを選ぶだけで保険料が跳ね上がり、輸送コストだけで倍近く高騰する可能性があるのだ。さらにタンカーが攻撃を受けるリスクもある。

そして次の候補が「③喜望峰ルート」だ。これは南アフリカを大きく回り、インド洋を横断する長距離ルートである。このルートを選んだ場合、かなり遠回りをする必要があり、20日で到着できるところが40日近くかかってしまう。

輸送日数が伸びれば、その分だけ人件費・運搬費・保険料も上がる。そのため輸送コストだけでも、ホルムズ海峡ルートと比較すると4倍近くまで跳ね上がるといわれているのだ。燃料費を含めると、さらに燃料価格は上がるだろう。

ここまでをまとめると、以下のようになる。

 

ホルムズ海峡

紅海ライン

喜望峰ルート

運搬日数

約20日

約30日

約40日

輸送コスト

1.0(基準)

2.0

4.0

デメリット

保険料の高騰・海賊の攻撃リスク

エネルギーを必要とするモノの大幅な価格高騰

どのルートに移行するにしても、今よりも運搬日数が増え、輸送コストが上がることになる。燃料費だけでなく輸送コストも上がれば、さらにエネルギー価格が高騰する恐れがあるのだ。

 

 

イラン攻撃で、法人の電気代は値上がりする可能性「大」

日本の電力は33%がLNG由来であり、そのうちの1〜2割のガスを中東から仕入れているため、もしこの衝突が長引けば日本の法人の電気代も大幅に上がることになる。(出典:資源エネルギー庁「令和5年度(2023年度)におけるエネルギー需給実績(確報) 」より弊社作成)

ここまでエネルギーの運搬ルートに触れ、どのルートを選んだとしても燃料費が上がることを解説してきた。

上図のように日本の電力は33%がLNG由来であり、そのうちの1〜2割のガスを中東から仕入れているため、もしこの衝突が長引けば日本の法人の電気代も大幅に上がることになる。

ここで「1〜2割程度なのに電気代が大幅に上がるの?」と疑問に感じるかもしれない。しかし実際はその程度であっても、中東からの輸出が止まるのは日本だけではなく、欧州やアジア諸国も同じだ。

こうした国々で「他国のLNGの奪い合い」が発生する可能性があるため、結果としてLNG自体のコストが上がり、電気代が上がる可能性が高いのだ。

 

燃料費の値上げが電気代に反映されるのは数ヶ月後だが…

法人の電気代の内訳は、大半が以下の構成になっている。

法人の電気代の内訳

この中で燃料費が反映されるのは「燃料費調整額」という箇所だ。

燃料費調整額は毎月、過去3〜5ヶ月分の燃料費をもとに1kWhあたりの単価が算出され、それに電力使用量をかけたものが電気代に加えられている(東京電力は過去1ヶ月分をもとに決定)。

まとめると以下のようになる。

・過去1ヶ月分の燃料費で燃料費調整額が決まる場合

→変動が激しくなるため、燃料費高騰の影響をすぐに受ける


・過去3〜5ヶ月分の燃料費で燃料費調整額が決まる場合

→変動は緩やかだが、燃料費高騰が続く場合は値上げが長引く

大手電力だけでなく、新電力の大半が「燃料費調整額」を電気代に組み込んでいる。

電力会社は燃料費の高騰分を後から請求するしかない。数ヶ月後からしか請求できない電力会社も多いため、仮に高騰が右肩上がりに続くと、電力会社が耐えられない可能性がある。倒産や事業撤退、新規受付停止、または固定単価(基本料金・電力量料金)の大幅値上げに踏み切るリスクがあるのだ。

 

ロシア・ウクライナ問題で大手電力も大幅に値上げした

今回と似たようなケースとして、2022年から続く「ロシア・ウクライナ問題」がある。

2022年にロシアがウクライナを侵攻した際、西側諸国の経済制裁に抵抗し、ロシアは化石燃料の輸出を制限した。ロシアは資源大国のため、これによって世界的に燃料費が高騰。日本も影響を受け、電気代が大幅に高騰することとなった。

これにより、コスト増加に耐えきれなくなった新電力(新興の電力会社)のうち、当時の約3割にあたる195社が倒産・事業撤退を余儀なくされている。東京電力や中部電力などの大手電力も軒並み数百億円〜数千億円の赤字となり、燃料費調整額だけでなく固定単価の大幅値上げに踏み切った。

正直なところ、今回のアメリカとイランの衝突がこのような影響を及ぼすかはまだ断言できない。しかし衝突が長引けば、それだけ世界各国が受けるダメージは大きくなり、私たちの電気代にも大きな影響を及ぼすことになるだろう。

 

 

契約中の電力会社が倒産したら法人はどうすべき?

今後、もし契約中の電力会社が倒産した場合、法人ができる対応は以下の2つだ。  ①最終保障供給を契約する ②他の電力会社と契約する

ここまで、法人の電気代がどうなるか?ということを考察し、過去にはロシアとウクライナの衝突によって3割近い新電力が倒産、大手電力が大幅値上げしたことを解説した。今後、もし契約中の電力会社が倒産した場合、法人ができる対応は以下の2つだ。

①最終保障供給を契約する
②他の電力会社と契約する

ここからは、それぞれ法人ができる対策について解説していく。

 

①最終保障供給を契約する

1つ目が最終保障供給の契約だ。最終保障供給とは、電力会社と契約していない法人でも常に電力供給を受けられる制度のこと。契約中の新電力が倒産や事業撤退し、電力会社と契約できない場合、最終保障供給の契約が可能となる。

2022年から最終保障供給は大幅に値上がりしている

しかし、上図のように2022年から最終保障供給は大幅に値上がりしているため注意が必要だ。最低料金が「該当エリアにある大手電力会社の電気代の1.2倍」で、JEPXの市場価格(電気の仕入れ値)が高騰した場合、その分がさらに上乗せされる。

もし最終保障供給を契約した場合、電気代が倍近く上がるケースも散見されるため、私たちとしては最終保障供給は契約せず、電力会社との契約をおすすめしている。

 

②他の電力会社と契約する

2つ目が他の電力会社との契約だ。近年はCO2排出量ゼロプランや、単価が大手電力より大幅に安いプランを提供する企業も増えているため、御社のニーズにあった電力プランを契約するといいだろう。

しかし他の電力会社と契約しても、アメリカとイランの衝突が長引いた結果、また電力会社が倒産・事業撤退・大幅値上げする可能性もある。こうした場合に備えて、電気代だけでなく「2022年の燃料高騰時はどういう対応をしたのか」「燃料費高騰が長引いても事業を継続できる余裕があるのか」といった点を確認しよう。

特に「燃料費調整額」を含む電力会社は燃料費が上がるとそれだけ電気代も上がるため要注意だ。「燃料費調整額」を含まない電力プランを提供する新電力もあるため、高騰・倒産リスクが怖い法人はこうしたプランを契約するのも一つの手である。

 

 

しろくま電力は電気代が安いだけじゃない
事業の多角化により、今後も積極的なサポートを実施

ここまで、アメリカとイランの衝突の詳細と、それによって日本の法人の電気代がどうなるか、電力会社がどうなるリスクがあるのかを解説してきた。

しろくま電力では、高圧・特別高圧の電力を使用する法人向けに電力プランを提供している。しろくま電力の強みは「電気代の安さ」と「業界トップクラスのプラン数」だ。

電気代が大手電力より安いのはもちろん、「電気代をとにかく安くしたいから市場連動型プラン」「価格の安定性も重視したいから燃調リンクプラン」など、ニーズに合わせて電力プランを選ぶことができる。中には電気代を45%削減したプランもある。プランをカスタマイズし、御社だけの電力プランを作ることも可能だ。

しろくま電力は、商業施設や店舗などさまざまな施設・法人に導入いただき、電気代の削減を実現している。例えば、以下はしろくま電力に切り替えた法人が電気代をどれほど削減できたかの実績の一部である。

しろくま電力は、商業施設や店舗などさまざまな施設・法人に導入いただき、電気代の削減を実現している。例えば、以下はしろくま電力に切り替えた法人が電気代をどれほど削減できたかの実績の一部である。

さらに、以下はしろくま電力を導入する主な企業・自治体である。

しろくま電力は電気代が安いだけではない。2022年に3割近い新電力が倒産・撤退し、大手電力が新規受付を停止したが、しろくま電力はそんな中でも新規受付の継続どころか新プランを打ち出し、電力契約にお困りだった約300社の法人の支援を行い、電気代削減に貢献した。

しろくま電力は電気代が安いだけではない。2022年に3割近い新電力が倒産・撤退し、大手電力が新規受付を停止したが、しろくま電力はそんな中でも新規受付の継続どころか新プランを打ち出し、電力契約にお困りだった約300社の法人の支援を行い、電気代削減に貢献した。

現在も、しろくま電力はさまざまな事業を手がけており、他事業でも収益を上げるなど安定して経営規模を拡大している。現在も高騰に備えた対策を講じているため、契約中の法人の皆様には安心いただけると幸いだ。

また、現在他社と契約中の法人様に対しても、積極的に新規契約の受付を行っている。見積もりだけでなく「最適なプランを提案してほしい」「なぜ高騰時も無事なのかを知りたい」といった依頼も対応可能だ。以下のバナーより、お気軽にお問い合わせをいただきたい。