コンテンツまでスキップ

【最新】冷凍倉庫の節電・電気代削減をわかりやすく解説!最も電気代を抑える方法も紹介

【最新】冷凍倉庫の節電・電気代削減をわかりやすく解説!最も電気代を抑える方法も紹介

冷凍倉庫は庫内を24時間冷やし続ける必要があり、電気代が高くなりやすい。そのため、冷凍倉庫を運営する上では、節電によるコスト削減が利益増加のポイントとなる。

そこで本記事では、冷凍倉庫の節電・電気代削減のポイントと具体的な節電方法を解説していく。

「運営コストを少しでも抑えたい」「電気代が高額で対策を講じたい」とお考えの冷凍倉庫の運営者の方に参考にしていただけると幸いだ。

この記事でわかること

  • 冷凍倉庫の節電に取り組む際のポイント
  • 冷凍倉庫の設備別の節電方法
  • 最も効果的な電気代の削減方法

目次

冷凍倉庫で節電・電気代削減に取り組む際のポイント
①冷凍倉庫の電力使用量の内訳
②冷凍倉庫の電力使用パターン
③なぜ電気代が上がっているのか

冷凍倉庫の「冷凍設備」の節電・電気代削減方法
①設定温度を調整する
②デフロスト(霜取り)を最小限にする
③搬入口の開放時間を短くする
④コンプレッサーをインバーター型に替える
⑤コンプレッサーの段落運転を最適化する
⑥凝縮器・蒸発器を定期的に洗浄する
⑦冷媒の量や漏れを定期的に点検する
⑧熱回収・熱交換を最適化する
⑨ドアパッキンとヒーターを定期的にメンテナンスする
⑩BEMS/EMSを導入する
⑪高速シャッターを導入する
⑫エアカーテン・ドックシェルターを設置する
⑬二重扉や前室(風除室)を導入する
⑭屋根や外壁を遮熱塗装する
⑮ドレン管理を適正化する

冷凍倉庫の「照明」の節電・電気代削減方法
①照明をLED化する
②こまめに消灯する
③人感センサーやタイマーを取り入れる
④照度を調整する
⑤照明を間引きする
⑥定期的に照明器具を清掃する

冷凍倉庫の「空調・換気」の節電・電気代削減方法
①作業場の空調温度を調整する
②換気時間を調整する
③換気・空調フィルターを定期的に清掃する
④サーキュレーターや扇風機を併用する
⑤デマンド監視装置やコントローラーを導入する

冷凍倉庫の「動力」まわりの節電・電気代削減方法
①フォークリフトの充電を最適化する
②コンベヤ・自動倉庫の主電源を自動遮断する
③定期的に機器をメンテナンスする

冷凍倉庫の「その他」の節電・電気代削減方法
①従業員に協力してもらう
②太陽光発電設備を設置する

最も効果的な冷凍倉庫の節電・電気代削減方法とは

<業界トップクラスのプラン数!電気代を約45%削減した例も>しろくま電力で御社の電気代を削減しよう

 

 

冷凍倉庫で節電・電気代削減に取り組む際のポイント

冷凍倉庫で節電・電気代削減に取り組む際のポイント

結論をまとめると

冷凍倉庫で節電・電気代削減に取り組むポイントは以下の3つ

①冷凍倉庫の電力使用量は「冷凍設備」の割合が約8割を占める
②冷凍倉庫は夏季に特に電力使用量が増える
③燃料高騰の影響で電気代が高くなっている

冷凍倉庫の具体的な節電方法の前に、節電・電気代削減に取り組む際のポイントを解説する。重要なポイントを把握しておけば、より効率的に電気代を削減できるようになるだろう。

関連記事:業務用電力とは?単価や電力会社の選び方、産業用電力との違いをわかりやすく解説
関連記事:【図解】節電ポイントとは?仕組みと申し込み方法、注意点を解説!企業にメリットはある?

 

①冷凍倉庫の電力使用量の内訳

まずは、「冷凍倉庫で何にどれだけ電力が使われているのか」を把握したい。電力使用量の多い設備から優先して節電すれば、節電効果が高まるからである。

以下は、冷凍倉庫の電力使用量の内訳データをグラフにしたものだ。

冷凍倉庫の電力使用量の内訳

グラフを見ると、冷凍倉庫では使用電力の約8割が冷凍設備に使われている。これは他設備と比べ圧倒的に多い割合であり、冷凍倉庫では冷凍設備の節電対策が最も重要だとわかる。

冷凍設備で使う電力を削減できれば、大幅に電気代を下げることも可能だろう。

関連記事:【最新】倉庫の節電・電気代削減方法とは?法人がすべき節約術をわかりやすく解説!

 

②冷凍倉庫の電力使用パターン

次に、冷凍倉庫の電力パターンも把握しておきたい。

冷凍倉庫は冷凍設備の電力使用量の割合が多く、気温が高いと冷却負荷が大きくなるため、夏に最も電力を使用する。そのため、1年の中で夏に最も節電に力を入れると効果的だ。

また、冷凍倉庫は24時間稼働しているが、特に日射により建物内の気温が高くなりやすい日中に使用電力が増える。そのため、夜間よりも日中に集中して節電するといいだろう。

関連記事:【最新】法人の電力会社・電気料金プランの選び方とは?注意点と電気代を安くする方法を解説!

 

③なぜ電気代が上がっているのか

最後のポイントは、電気代が上がっている理由だ。近年、日本の電気代は高騰しており、電気代が経営の負担になっている法人は多いだろう。

この電気代の高騰は、2022年のロシアによるウクライナ侵攻がきっかけとなっている。ウクライナ情勢の影響で世界的に燃料価格が大きく上昇したことで、発電に燃料を使用する日本の電気代は大幅に値上がりしたのだ。

現在、電気代は高止まりした状態だが、今後2022年以前の水準まで値下がりする可能性は低いと考えられる。そのため、冷凍倉庫の運営コストを削減するには、節電に取り組み電気代の負担を減らすことが重要だ。

関連記事:【最新】電気代の値上げを徹底解説!電気料金が高騰する理由と対策とは?
関連記事:電気代はどれくらい値上げした?推移と今後の予測、法人・家庭でできる電気料金の高騰対策を解説!

 

 

冷凍倉庫の「冷凍設備」の節電・電気代削減方法

冷凍倉庫の「冷凍設備」の節電・電気代削減方法

結論をまとめると

冷凍倉庫の「冷凍設備」の節電・電気代削減方法は以下の15個

①設定温度を調整する
②デフロスト(霜取り)を最小限にする
③搬入口の開放時間を短くする
④コンプレッサーをインバーター型に替える
⑤コンプレッサーの段落運転を最適化する
⑥凝縮器・蒸発器を定期的に洗浄する
⑦冷媒の量や漏れを定期的に点検する
⑧熱回収・熱交換を最適化する
⑨ドアパッキンとヒーターを定期的にメンテナンスする
⑩BEMS/EMSを導入する
⑪高速シャッターを導入する
⑫エアカーテン・ドックシェルターを設置する
⑬二重扉や前室(風除室)を導入する
⑭屋根や外壁を遮熱塗装する
⑮ドレン管理を最適化する

ここまで、冷凍倉庫の節電・電気代削減方法のポイントを解説した。

ここからは具体的な節電方法を説明していく。まずは、先述したように冷凍倉庫の電力消費量の約8割を占める「冷凍設備」の節電方法からだ。

関連記事:【最新】電気代を値上げする電力会社一覧!電気料金はどれくらい高くなる?
関連記事:【法人向け】再エネ賦課金とは?仕組みや役割をわかりやすく解説!

 

①設定温度を調整する

1つ目の冷凍設備の節電方法は、設定温度を調整することだ。冷凍設備のコンプレッサーは設定温度を下げるほど、消費電力が増える。そのため、設定温度を上げることで節電・電気代削減になるのだ。

具体的には、設定温度を1℃上げると約3〜5%の節電になる。なお、肉類・魚介類は-20℃より温度を下げてもほとんど品質が向上しないため、過度に冷却されている場合は-20℃を目安に温度を上げるといいだろう。

ただし、設定温度を調整する際には倉庫業法施行規則により定められた以下のF1〜F3の温度帯を守る必要がある。

区分 温度帯
F1 -25〜-18℃
F2 -31〜-24℃
F3 -36〜-30℃

(出典:国土交通省「倉庫業法第三条の登録の基準等に関する告示の一部を改正する告示について」)

 

②デフロスト(霜取り)を最小限にする

2つ目がデフロスト(霜取り)を最小限にすることだ。デフロストとは、一時的に冷凍庫内を加熱して霜を溶かす機能を指す。

デフロストの消費電力は冷凍倉庫全体の約10〜15%を占めるとされており、大量の電力を使用する。そのため、回数を適正化することで、節電・電気代削減になるのだ。

例えば、デフロストの回数を1日6回から4回に減らすと約10〜15%の節電になる。また、霜センサーを導入して霜を検知したタイミングでデフロストを行うようにすれば、約10〜20%の節電効果を得られる。

 

③搬入口の開放時間を短くする

3つ目が搬入口の開放時間を短くすることだ。冷凍倉庫では搬入口を開放する時間が長いほど庫内の温度が上がり、冷やし直すために大量の電力が必要となるからである。

もし搬入口の開放時間を半分に削減した場合、約10〜20%の節電・電気代削減になる。

さらに、開放時間の短縮は庫内の温度が下がることを防ぐため、食品の品質を維持することにもつながるのだ。

 

④コンプレッサーをインバーター型に替える

次の冷凍設備の節電方法は、コンプレッサーをインバーター型に替えることだ。

コンプレッサーとは、冷媒ガスを圧縮して冷媒が熱を放出しやすくする冷凍サイクルの心臓部である。このコンプレッサーをインバーター型にすることで、必要最低限の冷却能力を出すよう回転数を自動で調整できるようになる。

従来の定速型コンプレッサーではフル稼働か停止かの2択で無駄な電力が発生していたのに対し、インバーター型へ変更した場合、約20〜40%の節電・電気代削減効果が期待できるのだ。

 

⑤コンプレッサーの段落運転を最適化する

コンプレッサーの段落運転を最適化することも、冷凍倉庫の節電・電気代削減になる。

コンプレッサーの段落運転とは、複数台のコンプレッサーを必要な冷却負荷に合わせた台数だけ動かすことだ。現場で段落運転を実施していない場合は、最適化した段落運転によって約7〜18%の節電効果が期待できる。

なお、段落運転のシステムを導入する際にかかるコストは、約1〜4年を目安に回収できる可能性が高い。

 

⑥凝縮器・蒸発器を定期的に洗浄する

凝縮器や蒸発器を定期的に清掃することも、節電に効果的だ。年に2回ほど清掃するだけで、年間約10〜15%の節電・電気代削減になる。

理由としては、凝縮器・蒸発器に汚れが溜まると熱交換の効率が低下し、運転時間が増えることで消費電力と電気代が増大してしまうからだ。

また、凝縮器・蒸発器以外にも周辺吸気フィルターを月に1度を目安に清掃し、目詰まりを防ぐと冷気が庫内で循環しやすくなり、節電効果を高められる。

 

⑦冷媒の量や漏れを定期的に点検する

次の方法は、冷媒の量や漏れを定期的に点検することだ。

冷媒が適正な量で循環していないと冷却効率が落ちて無駄な電気代が発生してしまうため、定期的に冷媒を点検・補充することで節電・電気代削減になる。具体的には、年間で約5〜10%の節電効果が期待できるのだ。

点検の頻度は以下を目安にするといいだろう。

  • 冷媒圧力・温度のチェック:月1回
  • 検知器による冷媒漏れのチェック:年2回以上
  • 冷媒量のチェックと補充:年1回
  • ガス漏えい検知器によるチェック:半年に1回

 

⑧熱回収・熱交換を最適化する

熱回収・熱交換を最適化することも、冷凍倉庫の節電方法の1つだ。

冷凍設備では、冷気を作るために外部に排熱を捨てている。この排熱を再利用したり、熱交換器(凝縮器・蒸発器)の性能を最適化したりすることで、最大で約25%の節電・電気代削減になるのだ。

例えば、デフロストで発生する温風や温水を、事務所の暖房や洗浄用の水に利用すれば、ヒーターやボイラーの節電になる。また熱交換器はプレート式熱交換器に交換したり、冷媒回路を見直したりするといいだろう。

 

⑨ドアパッキンとヒーターを定期的にメンテナンスする

次の冷凍倉庫の節電方法は、「ドアパッキンとヒーターの定期的なメンテナンス」だ。

ドアパッキンは、ドアの隙間から冷気が漏れて庫内の温度が下がることを防止するものである。一方、ドアヒーターは結露や凍結を防ぐためのものだ。これらのドア周りのメンテナンスを行うことで、年間で約8〜15%の節電・電気代削減が期待できる。

例えば、ドアパッキンは週1〜月1回の頻度で汚れを拭き取り、変形を防ぐといいだろう。拭き取り時に弾力の低下や割れがあれば、新しいドアパッキンに交換することも重要だ。また、ドアヒーターは温度連動するセンサーやタイマーによって制御するとより高い節電効果を得られるだろう。

 

⑩BEMS/EMSを導入する

BEMS/EMSの導入も節電・電気代削減になる。BEMSとは、建物単位で電力を監視して制御するシステムのことだ。また、EMSは設備単位で電力や負荷を制御し最適化を行うシステムである。

もし冷凍倉庫にBEMS/EMSを導入すれば、約15%の節電効果が期待できるのだ。例えば、BEMSで冷凍機の排熱制御を行えば、温水利用のタイミングを最適化して熱回収効率を上げられる。さらに、コンプレッサーの段落運転や凝縮ファンの出力の自動制御に活用するのもいいだろう。

 

⑪高速シャッターを導入する

高速シャッターの導入も、冷凍倉庫の節電・電気代削減に効果的だ。高速シャッターは通常10〜15秒かかるシャッターの開閉を1〜2秒へ短縮できる。これにより、扉開放時の熱の侵入を削減して冷却効率を上げ、約15〜30%の節電になるのだ。

もし高速シャッターを導入した場合、おおむね1〜4年で導入費用が回収できるだろう。特に1日に100回以上など扉の開閉回数が多い冷凍倉庫では、導入効果が高く、早期回収が見込める。

 

⑫エアカーテン・ドックシェルターを設置する

次の節電・電気代削減方法は、「エアカーテンとドックシェルターの設置」だ。これにより、年間で約10〜35%の節電効果が期待できる。

なお、エアカーテンとは上部から強い気流で空気の壁を作って搬入口からの冷気の放出と熱の侵入を防ぎ、冷却効率を上げる仕組みだ。また、ドックシェルターは車両と倉庫の隙間を密閉し、搬入時の庫内への熱の侵入を防ぐ仕組みである。

導入からコスト回収までの期間は、エアカーテンが約1〜3年、ドックシェルターは約2〜4年が目安だ。

 

⑬二重扉や前室(風除室)を導入する

二重扉や前室(風除室)を導入することも、冷凍設備の節電になる。

前述したように冷凍倉庫では搬入口を開放する際に冷気が逃げ、庫内の温度を戻すために大量の電力を消費している。もし二重扉や前室があれば、冷気が逃げるのを防ぎ、冷却負荷を軽減できるのだ。

具体的には、二重扉により約10〜25%、前室(風除室)により20〜35%の節電・電気代削減が期待できる。なお、設備の導入にかかるコストは2〜3年程度で回収できる可能性が高い。

 

⑭屋根や外壁を遮熱塗装する

屋根や外壁を遮熱塗装することも、おすすめだ。これにより、日射の強い夏季の冷却負荷を軽減し、約15〜35%の節電・電気代削減になる。

冷凍倉庫の屋根や外壁は、真夏の直射日光によって表面が高温化する。その熱が建物内部にも伝わり庫内の温度が上がり、冷凍機の負荷と消費電力が増えてしまうのだ。しかし、屋根・外壁を遮熱塗装すると、太陽光の吸収を抑えて庫内温度の上昇を防げる。

なお、遮熱塗装にかかる費用は3〜4年で回収できる可能性が高い。また、一度塗装すれば10〜15年ほど効果が持続する。

 

⑮ドレン管理を適正化する

冷凍設備の節電方法の最後が「ドレン管理の適正化」だ。これにより、年間で約5〜15%の節電・電気代削減が期待できる。

ドレンとは、冷凍倉庫内で発生する結露水や、デフロストで溶けた水のことである。このドレンがドレンパイプや冷却コイル・蒸発器まわりにたまらないよう排水を管理したり、凍結防止のヒーターの過剰な稼働を防いだりすることで、節電になるのだ。

具体的には、定期的なドレン詰まりの点検と清掃を行った上で、ドレン配管・パンの断熱をするといいだろう。また、凍結防止用のドレンヒーターを温度センサーやタイマーで制御することも効果的だ。

 

 

冷凍倉庫の「照明」の節電・電気代削減方法

冷凍倉庫の「照明」の節電・電気代削減方法

結論をまとめると

冷凍倉庫の「照明」の節電・電気代削減方法は以下の6つ

①照明をLED化する
②こまめに消灯する
③人感センサーやタイマーを取り入れる
④照度を調整する
⑤照明を間引きする
⑥定期的に照明器具を清掃する

ここまで、冷凍倉庫の「冷凍設備」の節電・電気代削減方法を解説してきた。冷凍倉庫の電気代をできる限り抑えたい場合には、冷凍設備以外の設備の節電も欠かせない。

そこで、ここからは冷凍倉庫の電力消費量の約1割を占める「照明」の節電方法について説明していく。

関連記事:【図解】特別高圧とは?電気代の仕組み、低圧や高圧との違い、活用メリットをわかりやすく解説!
関連記事:【最新】飲食店の節電・電気代削減方法とは?法人がすべき節約術をわかりやすく解説!

 

①照明をLED化する

1つ目の照明の節電方法は「照明のLED化」だ。照明をLEDに替えると、蛍光灯より約50%、白熱灯より約80%の節電・電気代削減が期待できる。

また、LEDは蛍光灯より5〜6倍も寿命が長く、照明の交換コストの削減にもなる。さらに、LEDは蛍光灯より発熱量が少なく、冷却設備の消費電力を抑える副次効果も得られるのだ。

 

②こまめに消灯する

2つ目の照明の節電方法は、「こまめな消灯」だ。冷凍倉庫は24時間稼働しているため、人がいない時間やエリアも常に照明が点灯していることが多い。これをこまめに消灯すれば、約40%照明の節電・電気代削減になる可能性がある。

例えば、夜間や休憩時間など作業が発生しない時間は一斉消灯するといいだろう。また、作業エリア・保管エリアなどエリアごとにスイッチを分け、人がいないエリアの消灯をしやすくするのも効果的だ。

 

③人感センサーやタイマーを取り入れる

3つ目が「人感センサーやタイマーの導入」だ。消灯を自動化することで照明の消し忘れを防ぎ、約40〜60%の節電・電気代削減が期待できる。

例えば、人感センサーは人の出入りがこまめにある通路や搬入口、出荷エリアに優先して導入することがおすすめだ。事務所や休憩所は作業のない夜間に自動で消灯されるようタイマーを設置しておくといいだろう。

なお、人感センサーは約1〜2年、タイマーは2〜3年で導入費用が回収できる可能性が高い。

 

④照度を調整する

次の照明の節電方法は、照度を調整することだ。冷凍倉庫では、作業に必要な以上に照明を明るくしている場合が多く、無駄な電力消費と電気代が発生しやすい。一般的には約20〜30%ほど照度を落とせることが多く、その分だけ節電・電気代削減になる。

ただし、暗すぎると作業に危険が伴うため、以下のJIS基準より暗くならないよう注意が必要だ。

  • 保管エリア:100〜200lx
  • 搬入口:150〜300lx
  • フォークリフト走行部:200lx
  • 出荷・仕分けエリア:200〜300lx
  • 通路・階段:75〜150lx

 

⑤照明を間引きする

照明を間引きすることも、冷凍倉庫の節電に効果的だ。明るすぎる作業場や、保管エリアや棚の奥など作業しない場所の照明は間引きすれば、約20〜50%の照明の節電・電気代削減になる。

照明の間引きを行う際には、前述したJIS基準を目安にするといいだろう。なお、照度を測るための照度計を持っておくと、適切な明るさに調整がしやすい。

 

⑥定期的に照明器具を清掃する

最後の照明の節電方法が「定期的な照明器具の清掃」だ。これにより、約5〜15%の節電・電気代削減になる。

これは照明カバーや反射板にホコリや油膜汚れがつくと、年間で約20〜40%も照度が落ちてしまうからである。照度が落ちると、同じ明るさを得るためにより多くの照明が必要となり、それに伴い消費電力が増え電気代も高くなるのだ。

高天井は半年に1回、入り口や通路は3ヶ月に1回を目安に清掃を行うと、消費電力を抑えて明るさを維持できるだろう。

 

 

冷凍倉庫の「空調・換気」の節電・電気代削減方法

冷凍倉庫の「空調・換気」の節電・電気代削減方法

結論をまとめると

冷凍倉庫の「空調・換気」の節電・電気代削減方法は以下の5つ

①作業場の空調温度を調整する
②換気時間を調整する
③換気・空調フィルターを定期的に清掃する
④サーキュレーターや扇風機を併用する
⑤デマンド監視装置やコントローラーを導入する

ここまで、冷凍倉庫の「冷凍設備」「照明」の節電・電気代削減方法を解説した。

冷凍倉庫では、空調や換気でも一定の電力を使用している。

そこで、ここからは「空調・換気設備」の節電方法を説明していく。

関連記事:電力需給のひっ迫はなぜ起きる?いつまで続く?電気代値上げリスクも!概要と法人がすべき対策を解説
関連記事:【図解】新電力とは?仕組みやメリット・デメリットをわかりやすく解説!

 

①作業場の空調温度を調整する

まず解説する節電方法が「作業場の空調温度の調整」だ。冷凍倉庫では一般的に、前室や仕分けエリアでエアコンなどの空調設備が作動している。これらの空調を冷房は1℃上げると約13%、暖房は1℃下げると10%の節電になるのだ。

作業場の温度が高くなるほど冷凍庫内へ熱が流入してしまうため、特に冬場の空調設定を低めに設定すると節電効果が高くなる。例えば、冷凍室前の仕分けエリアは、18〜20℃を目安に設定するといいだろう。

 

②換気時間を調整する

次に、換気時間を調整することも効果的だ。これにより、約5〜15%の節電・電気代削減になる。

冷凍倉庫では換気で外気を取り込むと庫内の温度が上昇し、冷却効率が落ちてしまう。そのため、換気を最小限にすることで、換気設備の消費電力の削減に加え冷凍設備の節電にもなるのだ。

ただし、換気を減らしすぎると二酸化炭素や臭いが滞留してしまうので、注意する必要がある。CO2センサーなどを活用し、作業人数や状況に応じて換気の稼働を調整するといいだろう。

 

③換気・空調フィルターを定期的に清掃する

換気・空調フィルターの定期的な清掃も、節電・電気代削減になる。換気や空調設備のフィルターにホコリや油汚れが溜まると、吸排気の風量が低下してモーターが余分に回転し、電気代が増えてしまうのだ。

一方、定期的なフィルター清掃を行えば放置した場合と比べ、年間で約5〜15%の節電効果が期待できる。

清掃の頻度は、空調フィルターが月に1回、換気ダクトの吸気フィルターが2〜3ヶ月に1回を目安にするといいだろう。

 

④サーキュレーターや扇風機を併用する

空調にサーキュレーターや扇風機を併用することもおすすめだ。これにより、約10〜20%前後の節電・電気代削減になる。

これは、サーキュレーターや扇風機の風により室内の温度ムラを解消できることが理由だ。温度ムラがなくなれば空調効率が向上し、室内がより早く設定温度まで到達できる。

なお、サーキュレーターや扇風機を使用する際には、上・または斜め上に風を吹き上げると空気を循環させやすくなる。

 

⑤デマンド監視装置やコントローラーを導入する

デマンド監視装置やコントローラーの導入によっても節電・電気代削減ができる。これにより、ピーク電力を約10〜30%削減し、電気代を約5〜15%削減できる可能性がある。

そもそも、デマンド監視装置とは、リアルタイムで電力使用量を監視できるシステムのことだ。デマンド監視装置とコントローラーを併せて使用すると、設定した電力使用量に近づいた際にコントローラーで空調設定を自動制御してピーク電力をカットできる。

なお、法人の電気代はピーク電力を基に基本料金が決まるため、デマンド監視装置とコントローラにより、電力使用量ごとの電気代と基本料金をダブルで抑えることが可能なのだ。

関連記事:デマンドレスポンスとは?仕組みやメリット、参加方法をわかりやすく解説!

 

 

冷凍倉庫の「動力」まわりの節電・電気代削減方法

冷凍倉庫の「動力」まわりの節電・電気代削減方法

結論をまとめると

冷凍倉庫の「動力」の節電・電気代削減方法は以下の3つ

①フォークリフトの充電を最適化する
②コンベヤ・自動倉庫の主電源を自動遮断する
③定期的に機器をメンテナンスする

先ほどは冷凍倉庫の「空調・換気」について説明した。冷凍倉庫では「空調・換気」と同じく「動力」が約5%の電力消費量を占めている。どちらも併せて節電することで、一定額の電気代の削減が可能だ。

そこで、ここからは「動力」まわりの節電・電気代削減方法を解説していく。

関連記事:【法人向け】動力とは?電気料金の仕組みや電灯との違いをわかりやすく解説!

 

①フォークリフトの充電を最適化する

冷凍倉庫では充電式のフォークリフトを使用していることが多く、充電の最適化によって節電ができる。具体的には、約5〜10%の節電・電気代削減になる可能性が高い。

例えば、作業終了後に同時に複数台を充電すると最大使用電力量が増え、基本料金が高くなってしまう。そのため、一斉充電を避け、時間差で充電するように充電スケジュールを分散させると節電効果が高くなるのだ。

さらに、充電スケジュールを組む際には、できるだけ契約電力の単価が安い夜間に充電するよう意識するといいだろう。

 

②コンベヤ・自動倉庫の主電源を自動遮断する

次に、コンベヤや自動倉庫(スタッカークレーンやシャトルラックなど)の主電源を自動遮断することも、冷凍倉庫の節電に効果的だ。

冷凍倉庫のコンベヤや自動倉庫は、作動していない間も待機電力として一定の電力が消費され続け、使用していない間も無駄な電気代が発生している。そのため自動主電源遮断装置を導入し、夜間や休日などの稼働しない時間帯に主電源をオフすれば、その分待機電力を削減できるのである。

具体的には、約3〜8%の節電・電気代削減が期待できる。なお、自動主電源遮断装置を導入する費用の回収期間は、中規模の倉庫で1〜2年ほどが目安だ。

 

③定期的に機器をメンテナンスする

定期的に機器をメンテナンスすることも節電になる。これにより、約5〜10%の節電・電気代削減が期待できる。

冷凍庫内の機器は、低温や湿気、油分、粉じんなどの影響で機械抵抗が起きやすい。そのため、定期的に汚れを落とし、潤滑油などで機械抵抗を減らすといいだろう。

各機器のモーターや軸受の清掃は1〜3ヶ月に1回、潤滑油やグリスの補充は3〜6ヶ月に1回、ベルトやチェーンの調整は3ヶ月に1回がメンテナンスの目安だ。

 

 

冷凍倉庫の「その他」の節電・電気代削減方法

冷凍倉庫の「その他」の節電・電気代削減方法

結論をまとめると

冷凍倉庫の「その他」の節電・電気代削減方法は以下の2つ

①従業員に協力してもらう
②太陽光発電設備を設置する

ここまで、冷凍倉庫の「冷凍設備」「照明」「空調・換気」「動力」と主な設備の節電方法を解説してきた。ここからは、その他の効果的な2つの節電方法を説明する。

関連記事:【最新】今後も電気代は値上げする?高い原因と予測、法人・家庭でできる電気代削減方法を徹底解説!
関連記事:【最新】工場の節電・電気代削減に効果的な方法を徹底解説!

 

①従業員に協力してもらう

設備の設定やシステム導入だけではなく、従業員にも節電を呼びかけ協力してもらおう。もし従業員の節電意識が高まれば、コストをかけずに冷凍倉庫全体の約3〜10%の節電・電気代削減が期待できるのだ。

例えば、ドアの開けっ放しや照明の消し忘れなどは、従業員の節電意識が高まれば防げる。省エネ標語や節電チェックリストを掲示したり、節電成果を月次レポートにして従業員へ共有したりすることで、節電意識が定着しやすくなるだろう。また、「ドアの開放は5秒まで」などと具体的なルールを定めることが節電効果を高めるコツだ。

 

②太陽光発電設備を設置する

大幅な節電・電気代削減を目指したい場合「太陽光発電設備の設置」がおすすめだ。冷凍倉庫は屋根面積が広く日中に稼働している施設が多いため、太陽光発電を導入すれば全体の約20〜40%を自家発電でまかなえる可能性が高い。

また、太陽光発電設備は、地形や日射量のデータをもとに影が発生しないよう設計することで、発電の効率を高められる。そのため、施工してもらう事業者選びにはこだわろう。

太陽光発電設備の設置はしろくま電力

なお、しろくま電力は、店舗の屋根や駐車場に設置するソーラーカーポートなど、国内の太陽光発電設備の施工を多く担当してきた。グリーンエネルギーの発電・送電・売電に特化した電力会社であり、設備の設置からメンテナンス、売電まで一気通貫で担当している。

太陽光発電設備を検討している場合には、ぜひ「しろくま電力」にお気軽にご相談いただきたい。

関連記事:【図解つき】太陽光発電の仕組みや基礎知識をわかりやすく解説!
関連記事:【法人向け】ソーラーカーポートとは?メリット・デメリット、注意点をわかりやすく解説

 

 

最も効果的な冷凍倉庫の節電・電気代削減方法とは

最も効果的な冷凍倉庫の節電・電気代削減方法とは

結論をまとめると

  • 最も効果的な冷凍倉庫の節電・電気代削減方法は電力会社の切り替えである

ここまで、冷凍倉庫の節電・電気代削減方法を紹介してきた。節電を行う目的は、やはり、「高騰している電気代を安くしたいから」という法人も多いだろう。

電気代を大幅に安くするには、節電以外にも効果的な方法がある。それは、電気料金の単価を安くすることだ。

電気料金の単価は、電力会社やプランによって異なる。そのため、今より単価の安い電力会社やプランに切り替えれば、使用する電気の量は同じでも、電気代を下げることができる。節電と違い、電力会社の切り替えをするだけなので手間も少ない。

電力会社の法人向け電力プランには、以下のようにさまざまな種類がある。

  • オフィスや工場など昼間の電力使用量が多い法人は「市場連動型プラン」

  • 市場連動のリスクを軽減したい法人は「上限付き市場連動型プラン」

  • 昼間の電力使用量が多いものの市場連動型プランのリスクが怖い法人は「固定単価型プラン」

  • 市場連動型にしたいが、季節ごとの高騰リスクは軽減したい法人は「ミックスプラン」

  • 大手と同じ料金体系のまま電気代を安くしたい法人には「燃調リンク型プラン」

  • 予算管理を確実にしたい、電気代の変動リスクを確実にゼロにするなら「完全固定型プラン」

このようなプランの中から冷凍倉庫の特性に合ったものを選べば、電気代を抑えながらコストの管理も簡単になるのだ。

「大手の電力会社の方が安心だ」と考えている方もいるかもしれない。しかし、新電力の中にも安心して利用できる企業はたくさんある。大手電力会社から新電力に切り替えたとしても、電気の質や停電リスクは変わらない。それどころか、電気代は安くなる可能性が高い。

まだ電力会社の見直しを検討したことがない法人は、一度、新電力に見積もりを取ってみていただきたい。どれくらい電気代が安くなるのかを確認した上で、切り替えを検討してみるといいだろう。

関連記事:電力会社を乗り換える方法とは?切り替え方法とメリット・デメリット、注意点を解説

 

 

<業界トップクラスのプラン数!電気代を約45%削減した例も>しろくま電力で御社の電気代を削減しよう

しろくま電力では、高圧・特別高圧の電力を使用する法人向けに電力プランを提供している。

しろくま電力の強みは「電気代の安さ」と「業界トップクラスのプラン数」だ。電気代が大手電力より安いのはもちろん、「電気代をとにかく安くしたいから市場連動型プラン」「価格の安定性も重視したいから燃調リンクプラン」など、ニーズに合わせて電力プランを選ぶことができる。中には電気代を45%(1.5億円)削減したプランもある。プランをカスタマイズし、御社だけの電力プランを作ることも可能だ。

しろくま電力は、商業施設や店舗などさまざまな施設・法人に導入いただき、電気代の削減を実現している。例えば、以下はしろくま電力に切り替えた法人が電気代をどれほど削減できたかの実績の一部である。

しろくま電力の電気代削減実績

さらに、以下はしろくま電力を導入する主な企業・自治体である。

しろくま電力を導入する主な企業・自治体

多くの法人から、低価格であることが好評で、契約更新率は92%を超えた。

また、しろくま電力の電気は全てCO2を一切排出しない実質再生可能エネルギーだ。電気を切り替えるだけで御社のCO2削減量を減らすことができる。

見積もりは「複数のプランの電気代の提示」や「現在の契約先との電気代・CO2削減量の比較」にも対応している。「どれがいいかわからない」法人にはこちらからプランを提案することも可能だ。

見積もりだけでなく「プランについて説明してほしい」「なぜ安いのか、本当に倒産しないか知りたい」といった面談も行っている。切り替えを検討中でなくとも、気軽にお問い合わせいただきたい。