※この記事は2024年3月22日に最新の情報に更新されました。
電気代の値上げが続いている。しかし、電気料金を安くするために節電しても、思ったよりも電気代が下がらなかった、という方も多いのではないだろうか。
一般家庭や法人を問わず、電気代を下げるには電気代の計算方法や内訳を知っておく必要がある。
そこでこの記事では、電気料金プランの内訳と電気代の計算方法について触れ、基本料金など電気代を安くする方法を解説。最後に、さらに電気代を安くしたい法人がすべき対策を説明する。
※この記事は法人向けと個人向けの2部構成です。法人(高圧・特別高圧)の方はこのまま、一般家庭など個人(低圧)の方はこちらからお読みください。
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目次 ・一般的な料金プランの電力会社は、大幅値上げ・倒産に踏み切るケースが増えている ・市場連動型プランなら、電気代高騰・電力会社の倒産リスクを軽減できる |
最初に、電気代の計算方法について解説する。まず電気料金は以下の内訳で成り立っている。
このプランは一般的な料金体系だ。大手電力会社に加えて、ほとんどの新電力がこの料金プランを提供している。このプランは燃料費調整額が毎月変動するが、それ以外の単価は同一だ。電気代は次の計算方法で算出できる。
基本料金 +(電力量単価 ± 燃料費調整単価 + 再エネ賦課金)× 電力使用量 = 電気代
電気代は「原価主義の原則」「公正報酬の原則」「電気の使用者に対する公平の原則」という3つのルールをもとに決定されている。そのため、電力会社が利益を上げるためだけに不自然に高い料金設定をすることはできない。
電気代には4つの要素があることを解説した。次に、それぞれの内訳について詳しく説明する。電気代を下げるヒントにもなるため、ぜひ基本を押さえておこう。
基本料金とは、電気の使用量に関係なく毎月定額で発生する料金のことだ。発電設備の費用や人件費、機材費を賄うために設定されており、一年ごとに変動する。算出方法は以下である。
基本料金単価(円/kW)× 契約電力(kW)×(185 − 力率)÷ 100 = 基本料金
各電力会社ごとに基本料金の単価が設定されており、それに契約電力、力率をかけた上で算出される。力率とは、電力がどれだけ効率よく使用されたかを表す割合のことだ。85%以下なら基本料金が上がり、85%以上の場合は安くなる。力率は電気料金の明細書で確認可能だ。
次に契約電力とは、過去1年の最大需要電力のうち、最も高い数値を表したものだ。この最大需要電力の決定方法は、その法人の規模によって「実量制」と「協議制」の2種類にわかれる。
実量制とは、当月も含む過去1年のうち、最も使用電力量が大きいものを契約電力とすることだ。対象となるのは、契約電力が50〜500kWの「高圧電力の小口」である。
例えば上のグラフの場合、最も使用電力量が多いのは8月の490kWのため、8月の最大需要電力が契約電力となる。この契約電力は1年ごとに見直されることから、もし7月が8月を上回った場合、翌年の契約電力は7月の最大需要電力となるのだ。
それでは、毎月の最大使用電力量はどのように決まるのだろうか?決まる流れは以下である。
①該当する月の中で、1日を30分単位で区切り、1ヶ月を1,440の枠にわける
②その枠の中で、平均電気使用量が最も多い値がその月の最大電力使用量となる
このように、毎月の最大電気使用量はその月の30分ごとの数値を比較し、決定するのだ。この30分ごとの平均使用電力をデマンド値といい、12ヶ月のうち、最も高いデマンド値が契約電力となる。
契約電力が500〜2,000kWの「高圧大口」、2,000kW以上の「特別高圧」の場合にとられる契約電力の決定方法が、協議制である。協議制とは、年間のデマンド値をもとに電力会社と協議を行ったうえで基本料金を決める方法だ。
高圧大口、特別高圧は電気の使用量が多く、停電や事故があった場合に周囲の需要家への影響が大きいことから、法人ごとのさまざまな状況を踏まえたうえで基本料金が決まる。こちらも年に1回、基本料金の見直しが実施される。
関連記事:電気代の基本料金とは?仕組みと種類、電気料金を安くする方法をわかりやすく解説
電力量料金とは、使用した電力量に応じて請求される料金のことだ。従量料金ともいわれる。1kWhあたりの単価が設定されており、使用量をかけて算出される。
電力量料金は上図のように3つの段階に分かれている場合が多い。これを三段階料金といい、電気を使用する量が増えるほど単価も上がっていく仕組みだ。また電力会社によっては季節や時間帯によって異なる単価が設定されていたり、単価が固定だったりとさまざまなプランがある。
燃料費調整額とは、化石燃料(石油・石炭・天然ガス)の価格変動分を電気代に組み込んだものだ(燃調費ともいう)。過去3〜6ヶ月の燃料費をもとに、毎月単価が変動する。それに電力使用量をかけたものが月々の燃料費調整額として請求される。
燃料費調整制度が導入されたのは1996年のこと。燃料費は世界情勢や為替レートでこまめに変動することから、過去数ヶ月分の変動分を燃料費調整単価とし、それに電力使用量をかけて請求するようになった。燃料費調整額の算出方法や価格が反映されるタイミングなど、詳しい解説は以下の記事で行っている。
関連記事:【図解】電気代を左右する燃料費調整額とは?仕組みや今後の見通しをわかりやすく解説
また新電力の中には、燃料費でなく「JEPXの市場価格(電気の卸市場の取引価格)の変動分」を電気代に落とし込む場合もある。この場合の料金内訳を、市場価格調整単価や電源調達調整費、独自燃調などという。
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再エネ賦課金(再生可能エネルギー発電促進賦課金)とは、電力会社がFIT制度を通して買い取った「再生可能エネルギーの費用」を電気代に組み込んだものだ。「さいえねふかきん」と読む。
※FIT制度とは、太陽光や風力で発電した電気を、電力会社が一定期間、国が決めた固定価格で買い取る制度のこと。これによって収益性が安定するため、再エネ導入量が増加している。
再エネ賦課金は、家庭や法人に関係なく請求される仕組みだ。再エネ賦課金の単価は、太陽光や風力など、その年度の再エネの導入量に応じて変動する。2012年度は0.22円/kWhだったが、2022年度は3.45円/kWhとなった。
2023年度は1.40円/kWhまで下がったものの、これは一時的に下がっただけの可能性が高い。単価の決定方法や、今回単価が下がった理由などは下記記事で解説している。
関連記事:電気代の再エネ賦課金とは?仕組みと推移、値上げの理由と今後の予想をわかりやすく解説!
ここまで、電気代の内訳について一般的な料金プランの内訳を説明した。次に、電気代を安くする方法を解説する。
デマンド値を下げる方法として挙げられるのが、エネルギーマネジメントシステム(EMS)またはデマンドコントローラー(デマコン)の導入だ。
エネルギーマネジメントシステムとは、エネルギー(電気・ガス・水道)の使用状況を見える化し、管理や分析、制御を行うシステムのこと。
BEMS(ビルや商業施設向け)FEMS(工場向け)CEMS(地域全体を管理できる)など様々なシステムがある。初期費用が発生するが、このシステムを導入すればデマンド値が上がりすぎるのを自動で防止できる。
一方、デマンドコントローラーとは、電力使用量を見える化できる装置のことだ。設定した上限値を超えた場合に事業者に警告を行い、あわせて設備の自動制御も行う。主に空調や照明の管理を行うものだが、工場の生産設備に設置できるものもある。こちらは比較的安価で、申し込みから1ヶ月程度で設置できるケースが多い。
こういったシステムや装置を導入すれば、デマンド値を下げて基本料金を抑えることができる。
2つ目の方法が節電の実施だ。電気代の単価自体が上がる今、電気の使用量を減らすことで電気代を安くすることができる。例えば照明をLEDにすれば、消費電力を蛍光灯の約50%、白熱電球の約80%削減できるのだ。
しかし節電といっても、具体的にどこをどうすればどれだけの効果が得られるのかは非常にわかりづらい。そこで下記記事で、オフィスと工場ですぐにできる節電方法と、それぞれの取り組みで得られる節電効果を解説した。ぜひご確認いただきたい。
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3つ目の方法が電力会社の切り替えだ。節電に加えて、今よりも単価の安い電力会社と契約することで、電気代をさらに安くすることができる。
2023年現在、大手電力をはじめ多くの電力会社が値上げに踏み切っている。しかし新電力(2016年以降に新規参入した電力会社)によっては、現在の契約先よりも電気代を安くできる可能性があるのだ。
「節電をしても電気代が安くならない」「使用量を気にせず電気を使いたい」場合は、電力会社の切り替えを検討するといいだろう。
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ここまで電気代を安くする方法し、最も効果的なのは「電力会社の切り替え」であると説明した。しかし、電力会社の料金プランによっては切り替えたあとに電気代が値上がりしたり、契約後に倒産したりするリスクがあるため注意が必要だ。
それではどういったプランに注意すべきなのか。それは、この記事で紹介してきた一般的な料金プランである。
このプランでは、先述したように化石燃料費の平均価格を電気代に組み込んだ「燃料費調整額」と言う要素が含まれている。こ燃料費調整額だが、「過去数ヶ月分の燃料費の平均を電気代に組み込む」ため、燃料費の反映までにタイムラグが発生しているのだ。
事実、燃料費は2020〜2022年の間に石油と天然ガスが約5倍、石炭は約8倍に値上がりするなど、過去最高値を記録した。しかし、この燃料費が燃料費調整額に反映されるまでにタイムラグがあるため「燃料費調整額を上げたが、今月の燃料費の方が高い」という事態が続いてきた。電気の売り上げよりも、電気をつくるコストの方が高い状態が長らく続いたのだ。
その結果、大手電力会社は軒並み赤字となり、2022年度は大手10社中9社が数百億円〜数千億円規模の赤字を計上。2023年4月より法人向けの高圧・特別高圧の電気代を大幅に値上げしている。2023年6月からは、一般家庭向けの低圧電気料金も値上げされた。
さらに新電力は、2023年3月時点で全体の約27%にあたる195社が倒産・事業撤退に踏み切っている。この中には、事前に1.5〜2倍の値上げをしたものの事業を継続できなかった新電力もあるのだ。
2023年に入って、燃料費の高騰は落ち着きつつある。しかし、燃料費高騰の主な原因である「ロシア・ウクライナ問題」は解決の見通しがついていない。そのため、今後も燃料費がまた上がり、電力会社が値上げしたり、倒産や事業撤退を選択する可能性が考えられるのだ。
今後も高騰する可能性がある電気代。それでは、電気代を安くしたい法人はどう対策を打てばいいのか。そこで法人が検討すべきなのが、市場連動型プランである。
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一方、市場連動型プランの内訳は以下である。
このプランは、JEPX(日本卸電力取引所)が販売する電気の市場価格に基づいて電力量料金、つまり電気代の単価が決まる仕組みだ。市場価格は30分ごとに変動し、それに合わせて単価も変わっていく。市場価格は「燃料費」「天候状況」「電力の需給状況」と、主に3つの条件をもとに決まる(燃料費が含まれているため、このプランには燃料費調整額はない)。
「市場連動型プラン」と聞くと2021年1月のように、200円/kWhを超える高騰で電気代が数倍に膨れ上がる、というイメージがあるかもしれない。しかし市場価格は30円/kWh以下を記録する方が多い。実際に2009〜2022年度の市場価格の平均を見ると、0.01〜30円/kWhが95%を占めている。
特に、晴れた場合は太陽光発電の電気が市場に増えるため、昼間の電気代が安くなるケースが多い。太陽光発電の導入が進んだことで、近年は昼間の市場価格が0.01円/kWhをつけるケースが増えてきている。特に、九州エリアでは市場価格が0.01円/kWhの時間が2022年は年880時間となり、年間の総時間数(8,760時間)の約10%に達しているのだ。
一般的な料金プランは電気代の単価が変動しないが、市場連動型プランの場合、市場価格が安くなる場合には電気代の単価も下がる。市場価格が安い時間帯に工場の操業をシフトするなど、柔軟に電気の使用量を変えれば、電気代を大幅に安くできる。
また電気自動車や蓄電池など、電気を貯められる設備を併用すればさらに電気代が削減可能だ。市場価格が安い時間帯に電気を蓄え、高い時間帯に貯めた電気を使えば、さらに電気代を安くできる。
以下は、昼間に0.01円/kWhの市場価格になっている日における、2つのプランの価格のイメージ図である。
また、市場連動型プランは、市場価格に経費が上乗せされるケースが多いため、電力会社がいきなり固定単価を引き上げたり、突然倒産・撤退したりするリスクはほとんどない。
電気代を安くしたい法人は、市場連動型プランに切り替え、電気をうまく活用していくのも1つの手だろう。まずは見積もりをとり、電気代を比較することをおすすめする。
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しろくま電力では、高圧・特別高圧の法人向けに市場連動型プランを提供している。新電力ネットが実施した販売量増加率ランキングでは第3位を獲得。2022〜2023年にかけてお問合せ件数は約40倍に増加している(出典はこちら)。
しろくま電力では、翌日の市場価格を、毎日午前中にメールで共有。これによって、市場価格の高騰が見込まれる際には、従業員に在宅勤務を促したり、工場の稼働を減らしたりでき、電気代の節約をサポートする。個別での相談にも対応可能だ。
電気を切り替えるだけで脱炭素ができるのも、しろくま電力の強みだ。私たちが提供する電気は、実質再生可能エネルギー100%であり、CO2を一切排出しない。カーボンニュートラルの実現もサポートする。
以下は、実際にしろくま電力の市場連動型プランを導入した企業様の声だ。
お見積もりについては、他の電力会社や最終保障供給を契約した場合の電気代との比較もできる(比較を希望した法人のみ)。年間のお見積もりだけでなく、毎月の電気代を算出するため月ごとの料金比較も可能だ。以下は、レポートとお見積書の例である。
お見積もりは「しろくま電力の市場連動型プランページ」または下記バナーからすぐに完了できる。市場連動型プランに切り替えると電気代がどうなるのか、他社と比較して安くなるのかを試算したい方はぜひお申し込みを。お急ぎの見積もり依頼にも対応できる。契約上のご相談や不明点などにも対応可能だ。
また、しろくま電力では「市場連動型プランはどうしても不安だ」という法人に向けて「固定単価型プラン」も提供している。このプランは大手と違って「3〜6ヶ月前の燃料費の平均価格」でなく「前月の市場価格」を1kWhあたりの単価に落とし込むため、不透明な値上げリスクがない。
さらに、以下の2点により電気代が大手電力会社よりも「最大25%安くなる」可能性がある。
①基本料金と電力量料金が大手電力会社より安い
②燃料費調整額でなく、電源調達調整費を電気代に組み込んでいる
①について、しろくま電力では電気代の基本料金と電力量料金を大手電力会社よりも低くなるように設定した。そのため月々の電気代を安く抑えることができる。
②については、大手電力や新電力が電気代に燃料費調整額(化石燃料費の変動分だけ)を組み込む一方、しろくまプランでは電源調達調整費を含んでいる。電源調達調整費は、先述したJEPXの市場価格を1kWhあたりの単価に落とし込んだものだ。
燃料費調整額は化石燃料だけを価格に反映するため、燃料費が高騰すると燃料費調整額も上がってしまう。2020~2022年にかけて電気代が高騰したが、この原因は燃料費調整額だった。しかし市場価格は前述したように燃料費以外も参考にされるため、電気代の高騰リスクを軽減できる(当然、電源調達調整費が高騰するリスクもある)。
このように内訳を変更することで、大手電力よりも最大25%安くすることが可能となった。ちなみに市場連動型プランと固定単価型の価格の違いは以下である。
・市場連動型プランは電力量料金が市場価格を元に決まる ・固定単価型プランは従来の電力プランと同じく電力量料金は一定。 ・市場価格は賢く電気を使えば電気代が大幅に安くなる。しかし市場価格高騰時はリスクもある ・固定単価型プランは市場連動型よりも市場価格の影響を受けづらい。安心して電気代を下げたい。 |
「市場連動型だと不安だ」「安心して安い電気代を使いたい」という企業様は、ぜひ下記からお見積もりを。
前半部分では、法人の方を対象に電気代の内訳や計算方法、電気代を下げる方法を解説してきました。
ここからは、一般家庭や個人の方を対象に、電気代の内訳と計算方法、世帯別・年度別の電気代平均額、今すぐできる電気代を安くする方法について、わかりやすく解説していきます。
※この記事は法人向けと個人向けの2部構成となっています。一般家庭など個人(低圧)の方はこのまま、法人(高圧・特別高圧)の方はこちらからお読みください。
参考記事:【2024年最新】電気代値上げを徹底解説!推移と料金が高い原因、今後の見通し、法人ができる高騰対策とは
目次 |
最初に、基本的に電気代は以下の4つの要素で成り立っています。
これは一般的な料金体系で、大手電力会社やほとんどの新電力がこの料金プランを提供しています。そして電気代は、以下の計算式で求めることができます。
電気代=基本料金+(電力量料金単価+燃料費調整単価+再エネ賦課金単価)×電力使用量(kW)
「基本料金」は定額で、それ以外の「電力量料金」「燃料費調整額」「再エネ賦課金」は使用した電力量に応じて価格が決まる仕組みです。この電力使用量は、「消費電力(W)×時間(h)」で求めることができます。
例えば、消費電力が1,000Wの電化製品を5時間使った場合、電力使用量は5,000Whです。そして1kW=1,000Wですので、この場合は5kWhの電気を使ったことになります。
仮に基本料金が1,000円で、3つの要素の単価の合計が31円/kWhとすると、
電気代=1,000円+31円×5kWh=1,155円
上記の計算により、電気代は1,155円ということになります。
※単価を31円に設定した理由は、全国家庭電気製品公正取引協議会が令和4年7月22日に提示した電力料金の目安単価が31円だからです。
電気代の計算方法について解説しましたが、当然のことながら消費電力は電化製品ごとに異なります。カタログや仕様書に記載されているので、気になる方は確認してみましょう。
(出典:三菱電機「家庭用 ハウジングエアコン」)
上記はエアコンのカタログを抜粋したものですが、冷房の場合、消費電力は690Wです。この消費電力はあくまでも最大値で、稼働状況によってはこの電力を消費していない場合がありますが、大体の電気代はこの数字をもとに算出できます。
より具体的に消費電力を知りたい方は、消費電力測定器(ワットチェッカー)がおすすめです。最近のものはCO2の排出量も計測できるなど、機能も充実しています。
ここまで電気代の計算方法について解説してきました。ここからは、実際に家庭でよく使う電化製品(エアコン、冷蔵庫、照明器具、テレビ、洗濯機)の電気代を計算してみましょう。電気代の単価は、先ほどと同じく「31円」とします。
エアコンの電気代は以下の数式で求められます。
・1時間あたりの電気代=消費電力(kW)×1kWhあたりの電気代単価(円/kWh)
・1ヶ月あたりの電気代=1時間あたりの電気代(円)×1日の使用時間(時間数)×使用日数(日)
それでは、先述したエアコンのカタログをもとに電気代を算出してみましょう。このエアコンの場合、消費電力は690Wですので、1時間あたりの電気代は「0.69kW×31円/kWh=21.39円」です。
仮にこのエアコンを1日8時間、30日使用したとすると、
1ヶ月の電気代=21.39円×8時間×30日=5133.6円
となります。エアコンは冷房と暖房それぞれで消費電力が異なるため、年間の電気代を計算する場合は注意しましょう。
次に冷蔵庫の電気代を計算していきますが、エアコンとは異なり、冷蔵庫は「年間消費電力量」が記載されているのが一般的です。例えば年間消費電力量が300kWhの場合ですと、年間の電気代は「31円/kWh×300kWh=9,300円」となります。
もし1ヶ月あたりの冷蔵庫の電気代を求める場合、9,300円÷12ヶ月で算出することもできますが、冷蔵庫もエアコン同様、季節によって使い方や消費電力が変化します。あくまでも目安として計算するのがいいでしょう。
また冷蔵庫はファミリー向けのものよりも、単身向けの容量が小さいものの方が電気代が安いと考えてしまいがちですが、実はそこまで大きな違いがない場合があります。それどころか、大型の冷蔵庫の方が省エネ性能に優れているケースも多いです。
冷蔵庫を購入する場合、大きさや価格で決めるのも大切ですが、年間消費電力量も一つの判断材料とすると、購入後の電気代を安くすることもできます。
次に計算するのが照明器具です。私たちが使用する照明器具は、蛍光灯とLEDの2つがあります。蛍光灯を使用する場合、1時間あたりの電気代は消費電力が60Wの場合で「0.06kW×31円/kWh=1.86円」です。これを1日8時間、30日間使用したとすると、1ヶ月の電気代は「1.86円×8時間×30日=446.4円」となります。
一方でLEDは蛍光灯よりも消費電力が少ないのが特徴です。同じ適合畳数としても、消費電力が50%削減できるものも多く発売されています。さらに寿命も非常に長く、蛍光灯の4倍ほど長持ちできるのも大きなポイントです。
LEDは高いと言われることが多いですが、最近は低価格帯のものもかなり増えてきているため、電気代を下げたい場合はLEDがおすすめです。
テレビの場合、電気代はカタログや説明書に書いてある「定格消費電力(全ての機能を使った場合の消費電力)」をもとに求めることができます。
例えば定格消費電力が100Wのテレビを8時間使った場合、電気代は「0.1kW×31円/kWh×8時間=24.8円」です。これを1ヶ月続けた場合、テレビの電気代は744円ということになります。
最近多く発売されている4Kや8Kなどのハイスペックなテレビは定格消費電力が大きいです。現行のテレビの方が電気代が安いため、画質よりもコストパフォーマンスを重視するなら、ハイビジョンのものを買うといいでしょう。
また、電化製品は非常に省エネ化が進んでいます。10年前のものと比較すると、テレビもかなり消費電力を抑えることができるようになっているため、電気代を下げたい場合は思い切って買い換える、というのも一つの選択肢です。
冒頭で電気料金の計算方法を解説する際、基本料金や電力量料金など、色々な内訳が出てきました。ここからは、それぞれの料金内訳がどういうものなのか、簡単に説明していきます。
基本料金とは、電気の使用量に関係なく毎月定額で発生する料金のことです。発電設備の費用や人件費、機材費を賄うために設定されています。
家庭向け電力プランの場合、基本料金の決定方法は「アンペア制」と「最低料金制」の2つがあります。
アンペア制とは、契約アンペア数をもとに基本料金が決まる方式のことです。北海道電力、東北電力、東京電力、北陸電力、中部電力、九州電力などがこのアンペア制を採用しています。
上図はアンペア制の基本料金です。この図を見ればわかるように、契約アンペア数が大きいほど、基本料金も高くなります。自分の家のアンペア数を知りたい方は、家についているアンペアブレーカーを見れば数字がわかります。
最低料金制とは、契約アンペア数に関係なく基本料金が決まっている方式のことです。関西電力、中国電力、四国電力、沖縄電力がこの制度を採用しています。
この制度では、契約ごとに「最低料金(基本料金と同じ意味)」が設定されており、下図のように定められた使用電力量を超えた分が電力量料金として請求されます。新電力なども、最低料金制を設けているケースが多いです。
関連記事:電気代の基本料金とは?仕組みと種類、電気料金を安くする方法をわかりやすく解説
電力量料金とは、使用した電力量に応じて請求される料金のことです(従量料金ともいう)。1kWhあたりの単価が設定されており、そこに電力使用量をかけて料金が算出されます。
電力量料金は、上図のように3つの段階に分かれている場合が多いです。これを三段階料金といい、電気を使用する量が増えるほど単価が上がり、どんどん割高になっていきます。
また、電力会社によっては季節や時間帯によって電力量料金の単価が異なるなど、さまざまな料金プランがあります。
燃料費調整額とは、石油や石炭、天然ガスなどの「化石燃料」の価格変動分を、電気代に組み込んだものです(燃調費ともいう)。
日本の電気は約7割が火力発電でつくられていて、火力発電で使用される化石燃料は9割が輸入したものです。この化石燃料ですが、為替レートや社会情勢によって輸入価格が毎月変動します。その変動分を、電気代に反映させるために設定されているのが燃料費調整額です。
燃料費調整額は、過去3〜6ヶ月の燃料費をもとに、毎月単価が変動し、それに電力使用量をかけたものが月々の燃料費調整額として請求されています。
燃料費調整額の具体的な算出方法や価格が反映されるタイミングなどが気になる方は、ぜひ下記の解説記事をご覧ください。
関連記事:【図解】電気代を左右する燃料費調整額とは?仕組みや今後の見通しをわかりやすく解説
※また新電力の中には、燃料費でなく「JEPXの市場価格(電気の卸市場の取引価格)の変動分」を電気代に落とし込む場合もあります。この場合の料金内訳を、市場価格調整単価や電源調達調整費、独自燃調などといいます。
関連記事:「市場価格調整単価」とは?電気代がまた上がる?仕組みと対策をわかりやすく解説
関連記事:電源調達調整費とは?独自燃調の仕組みと特徴をわかりやすく解説
再エネ賦課金(再生可能エネルギー発電促進賦課金)とは、電力会社がFIT制度(※)を通して買い取った「再生可能エネルギーの費用」を電気代に組み込んだものです。「さいえねふかきん」と読みます。
再エネ賦課金は、家庭や法人に関係なく請求される仕組みです。再エネ賦課金の単価は、太陽光や風力など、その年度の再エネの導入量に応じて変動し、開始当初の2012年度は0.22円/kWhでしたが、2022年度には3.45円/kWhまで上がりました。
2023年度は1.40円/kWhまで単価が下がったものの、これは一時的に下がっただけの可能性が高いです。単価の決定方法や、今回単価が下がった理由などは下記記事で解説しているので、興味がある方はぜひ読んでみてください。
※FIT制度とは、太陽光や風力で発電した電気を、電力会社が一定期間、国が決めた固定価格で買い取る制度のこと。これによって収益性が安定するため、日本では現在、再エネ導入量が増加しています。
関連記事:電気代の再エネ賦課金とは?仕組みと推移、値上げの理由と今後の予想をわかりやすく解説!
ここまで電気料金の内訳を解説してきました。一般的にこの電力プランのことを「従量電灯プラン」と呼びますが、電力会社によっては、基本料金がないプランや、電力量料金が30分ごとに変動する「市場連動型プラン」、燃料費調整額でなく電源調達調整費を含む電力プランなど、さまざまなプランがあります。
通常のプランでなく、こういったプランを選ぶ方が電気代が安くなる場合もあるので、興味がある方は以下の解説記事を読まれることをおすすめいたします。
関連記事:市場連動型プランとは?電気代の仕組みやメリット・デメリットをわかりやすく解説
関連記事:電源調達調整費とは?独自燃調の仕組みと特徴をわかりやすく解説
関連記事:【図解】JEPXとは?取引の仕組みや市場価格の推移をわかりやすく解説!
出費を減らしたいと思っても、意外と毎月の電気代を把握できていない方は多いです。クレジットカード払いや口座振替にすると知らない間に引き落とされるため、手元から余分なお金が出ているのに気づかない方も少なくありません。
電気代を把握するための手っ取り早い方法は「検針表」を見ることですが、最近は紙の検針表がどんどん廃止されています。最近は専用のアプリやWeb上のマイページでのみ確認できるケースがほとんどです。
これらの確認方法は登録が面倒ですが、ログインしてみると、月ごとの電力使用量だけでなく、1日ごとの電力使用量などをグラフで確認できるパターンもあります。実施に私(筆者)は、1日ごとの電力使用量を把握し、電気が多い原因を突き止め対策を講じた結果、翌月の電気代を3,000円安くすることに成功しました。
Webでの確認方法はどうしても面倒ですが、それ以降はとても使いやすいツールですので、ぜひご契約中の電力会社のマイページにログインされることをお勧めします。
電気代を把握することをおすすめしましたが、その場合に必要なのが「この電気代は高いのか?」という判断基準です。そこで次に、電気代の平均額を説明します。一つの評価軸にしてみてください。
上図は、総務省が毎年発表している「世帯別の電気代平均額(1ヶ月あたり)」です。当然のことながら、世帯人数が増えるほど電気代は高くなっています。
一方で、世帯人数が増えるにつれて「1人あたりの電気代」が安くなっていることもわかります。これは、電気代の基本料金は世帯ごとに固定されるからです。
基本料金は契約時に決定するため、人数が増えても変動することはありません。そのため世帯人数が増えれば「一人あたりの基本料金」が安くなります。ちなみに下図は、ガス代や水道代などを含んだ、光熱費全般の平均額(1ヶ月あたり)です。
条件によって電気代は変動しますが、電気代がこれよりも高い場合は、何かしら電気代を下げるアクションをした方がいいかもしれません。なぜ2022年度の電気代が高いのか、世帯別・年度別以外の視点から算出した電気代平均額については、下記のそれぞれの記事で詳しく解説しています。
関連記事:【2024年最新】電気代はなぜ高い?電気料金の平均と高騰する理由、値上げ対策を解説
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ここまで、電気代の平均額と、それよりも電気代が高い場合は何かしらの対策をした方がいいことを解説しました。それでは最後に、電気代を安くする方法を5つ紹介します。
1つ目の方法が、契約アンペア数の見直しです。アンペア制を設けている電力会社の場合、契約容量を見直せば基本料金が下がり、電気代を安くできます。例えば東京電力で考えると、40Aから30Aにすれば月々の電気代が296.24円、20Aにすれば590.48円も安くなるのです。
ただし、契約アンペア数を低く設定しすぎると、ブレーカーが落ちやすくなってしまいます。変更後は1年間数字が変更できない電力会社も多いため、この点には注意しておきましょう。
上図は家電ごとの一般的なアンペア数です。同時に使用することの多い家電のアンペア数を把握した上で、最低限余裕のあるアンペア数へと変更することをおすすめします。例えば一番家電を使う際の合計アンペアが26Aの場合、30Aで契約すると停電の心配をせずに済みます。
電気代を下げる2つ目の方法が、支払い方法の変更です。電力会社によっては、口座振替に変更することで電気代が年間数百円ほど安くなる場合があります。
ただし、電力会社によってはクレジットカードでしか支払えないケースもあるので注意しましょう。またポイント還元率によっては、クレジットカード支払いの方が節約につながる場合もあるため、どちらの方がお得なのか、まずは計算してみるといいでしょう。
3つ目が節電の徹底です。使用電力の多い家電の使い方を見直し、消費電力量を減らせば、それだけ電気代を安くすることができるのです。ここからは、各家電の節電方法と、それによって得られる節電効果について説明していきます。
使用電力の約14.7%と、電気代に占める割合が最も多いのがエアコンです。エアコンは温度調整を行うタイミングで多くの電気を消費するため、以下の取り組みによって電気代を節約できます。
・夏の場合、冷房を1度あげる⇨約13%の節電
・冬の場合、暖房を1度下げる⇨約10%の節電
環境省によると、エアコンの適温は夏が28度、冬が20度です。またオンオフにするタイミングでも多くの電気を消費するため、こまめにオンオフせず、常につけっぱなしにしたほうが逆に節電になるケースもあります。
またフィルターが汚れていると余分な電気を使用するため、こまめに洗うことをおすすめします。ダイキンの調査では、3年分のホコリが溜まったフィルターを洗って使用した場合、消費電力量を約5割削減できたことが明らかになりました。月に一度掃除すれば、無駄な電気の消費を防ぐことができるのです。
24時間365日稼働する冷蔵庫。経済産業省の調査では、家の電気代の約14.2%を占めることがわかっています。白物家電メーカーの団体であるJEMA(日本電機工業会)によると、冷蔵庫は以下の方法で節電すれば、電気代を大幅に安くできることが可能です。
・冷蔵庫の開閉回数を減らす⇨約12%の節電
・冷蔵庫の開閉時間を減らす⇨約5%の節電
・冷蔵庫を壁から少し離す⇨約5%の節電
冷蔵庫を壁から離せば、冷蔵庫内の食品などから奪った熱を放出しやすくなり、その分のエネルギーを節約できるのです。また「冷蔵庫内に食品を詰め込みすぎない(7割程度にする)」「直射日光の当たらない場所に設置する」などの取り組みをすれば、さらに効率よく電気を使用できるようになります。
また料理を冷やす際は、温かいまま入れると冷蔵庫内の温度が上がってしまいます。最低でも「ぬるい」レベルまで冷ましてから入れるようにしましょう。
生活する上で欠かすことができない照明機器。家庭の電気料金の約13.5%を占めていますが、この照明機器も節電によって大幅に電気代を安くできます。
・蛍光灯や白熱電球からLEDに変える⇨約80%の節電
・こまめに電源をオフにする⇨約5%の節電
電気をつけっぱなしにしない、こまめに電気をオフにするのも大切ですが、それよりも照明をLEDに変える方が効果的です。LEDは寿命も長いため、電球代の節約にもなります。
家庭における電力消費量の約10%を占めるテレビ。つけっぱなしや「ながら見」をやめるだけで、約2%の節電効果が期待できます。画面を少し暗くするだけでも節電効果が見込めますよ。
旅行や帰省、出張などで長期間自宅を留守にする場合は、テレビの主電源をオフにする、またはコンセントを抜けばその分だけ電力使用量を減らすことが可能です。しかし主電源を切ると、予約録画できないケースもあるので注意しましょう。
家電の中でも特に消費電力が大きい洗濯機、洗濯乾燥機。例えばPanasonic社が販売しているドラム式洗濯乾燥機の場合、毎日使用すると電気代が2,370円になることがわかっています。
洗濯機・洗濯乾燥機を毎日使用する場合、すすぎを2回から1回に減らすことで約17.5%も節電でき、年間で約5,000円も電気代を安くすることが可能です。さらに、フィルターをこまめに掃除することで効率よく運転できるようになります。
上記以外にも、節電できる電化製品はあります。
例えば電気温水器の場合、家族が入浴するタイミングを開けすぎず、追い焚きの回数を減らせばそれだけ電気代を安くできます。
お湯を使う量を減らせば、効率よくお湯を温められるため、さらに節電効果が期待できるのでオススメです。
またこれは電化全般に言えることですが、1ヶ月以上使わない家電はコンセントを抜くことで節電できます。
待機電力は年間消費電力のうち約5%を占めているため、その対応だけで、電気代が安くなるのです。長時間家を開ける場合は、ブレーカーを落としてもいいでしょう。
さらに遮熱・断熱効果を高めることで電気代を安くできます。例えば遮光一級のカーテンにすれば、窓から外気が入り込んだり、逆に外に冷気や熱が逃げたりするのを防止できるのです。中には、冷暖房の効率を約50%改善できるものもあります。
また窓ガラスに断熱シートを貼る、室外機にのれんや日除け用のシェードをかければ、直射日光を避けることができ、エアコンの稼働効率をさらによくすることも可能です。
電気代を下げる4つ目の方法が家電の買い替えです。環境省によると、電化製品は年々省エネ性能が上がっていることがわかっています。
例えば、2019年製の冷蔵庫は、2009年のものと比較すると年間消費電力量を約40〜47%もカットすることが可能です。エアコンはこの10年間で約17%も節電でき、テレビは約42%も節電できることがわかっています。
また、家電の買い替えはコストが発生しますが、東京都世田谷区や愛知県一宮市など自治体によっては省エネ家電の買替に活用できる補助金制度を実施しているケースもあります。
環境省の比較サイトでは、実際に家電を買い替えた場合にどれだけ電気代を安くできるのか、製品ごとに調べることができるため、買い替えを検討中の方はぜひご活用ください。
5つ目の方法が電力会社の切り替えです。節電・省エネ家電の買い替えでも電気代削減効果は十分に期待できます。しかし電気代を安くするために最も効果的なのは「電気代の単価自体を下げる」取り組みです。
そして単価を下げる方法が、電力会社の切り替えです。ニュースなどでよく取り上げられていますが、2023年6月より、大手電力会社は大幅な電気料金の値上げに踏み切っています。
上図は各大手電力会社の値上げ幅です。特に北陸電力は値上げ幅が大きく、プラン内容によっては44〜46%近く値上がりする可能性があります。
「大手電力会社=安心」というイメージがあるかもしれませんが、その神話は崩れつつあります。先述したように北陸地方は地域別で見ると電気代が最も高いため、特に注意が必要です。
一方、新電力(2016年以降に新規参入した電力会社)によっては、格安の電気プランを提供しているケースがあります。電気代が上がる現在でも、安くできる可能性はあるため、特に大手電力会社と契約中の方は、電力会社の切り替えを検討してみてはいかがでしょうか。
電力会社を選ぶ際に重視すべきポイントや、切り替える上での注意点については下記記事で詳しく解説しています。
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ここまで電気代を下げる方法を解説し、最も効果的な方法は「電力会社を切り替えて電気代の単価を下げること」だと説明しました。
そこで電気代を安くしたい方におすすめなのが、しろくま電力が家庭・小規模法人向けに提供する「しろくまプラン」です。しろくまプランの主なメリットとして以下の2点があります。
①電気料金が大手電力会社の値上げ後より最大3割も安い
②還付金制度があるので、電気料金の急激な上昇を防げる
それぞれのメリットについて説明していきます。
1点目が、大手電力会社の値上げ後より、電気料金が最大で3割も安くなる点です。しろくまプランは、電気料金の業界最安値を実現すべく、単価を安く設定しています。
上図は4人世帯の場合の、大手電力との電気料金を比較した図です(契約アンペア数が40A、月間電力使用量が450kWhの場合)。
先述したように、大手電力会社は2023年6月より電気料金を大幅に値上げしました。
一方、「しろくまプラン」の電気料金は大手電力の値上げ前よりも安く、便乗値上げも実施しないため、場合によっては約3割も電気代を安くできるのです。
しかし「電気代が大幅に安くなる」と言われても、信じられない方も多いのではないでしょうか。なぜ「しろくまプラン」は大手電力よりも安いのか?その理由は電気料金の内訳にあります。
上図は双方のプランを比較した図です。まずしろくまプランは大手よりも基本料金と電力量料金を安く設定しています(再エネ賦課金の単価は国が定めるため、全ての電力会社で同じです)。
また東京電力の燃料費調整額としろくま電力の電源調達調整費を比較してみましょう。
2023年5月度における東京電力の燃料費調整額が5.13円(政府の7円/kWhの補助金を除いた場合)なのに対し、しろくま電力の電源調達調整費は、政府の補助金を含んでいない状態で1.95円です。
このように大手電力会社よりもお手頃な料金設定にしているため、しろくまプランにすれば電気代を安くできるのです。
2つ目のメリットが、電気料金高騰時に還付金を適用するため、電気料金の急激な上昇を防げる点です。
電源調整調達費は、燃料費ではなく、JEPXの市場価格をもとに決まります。市場価格が平均よりも高いと電源調整調達費はプラスになりますが、平均より安いとマイナスになることもあります。
通常、プラスの場合は電力会社は電気料金にプラス分を上乗せし、マイナスの場合はマイナス分を値下げして請求するのが一般的です。しかしそうすると、電気料金の上下の幅が大きくなってしまいます。
そこでしろくまプランでは、電源調整調達費がマイナスの場合、上図の①のようにマイナス分を「料金高騰準備金」として蓄えます。
そして③のように市場価格が高騰した際、①で貯めたお金を還付金として充てることで、電気料金の急激な上昇を防ぎます。これによって、電気料金の激しい浮き沈みを抑えることができ、しろくまプランなら、年間を通して電気料金を安く抑えられるのです。
またしろくまプランの電気は、発電の際にCO2を出さない「実質再生可能エネルギー(※)」です。ただ安いだけでなく、電気を切り替えるだけで環境改善にも貢献できます。
「電気料金を安くしたい」「電気料金値上げの通知がきた」など、ご家庭・小規模法人で電気料金にお悩みの方は、「しろくまプランお申し込みページ」または以下のバナーよりお申し込みください。
またしろくま電力では、電気料金の高騰に悩む法人(高圧・特別高圧)に向けて、昼間の電気使用量が多いほどお得になる電力プランを提供しています。気になる方は、ぜひ「市場連動型しろくまプラン」をご覧ください。
※実質再生可能エネルギーとは、電気に環境価値証書(CO2を出さないという証明書)を組み合わせたもののこと。