【2024年最新】法人の電気代が高いのはなぜ?電気料金が高騰する理由と対策をわかりやすく解説!
※この記事は2024年11月6日に最新の情報に更新されました。
法人向けの電気代は2022年に過去最高値を記録し、2024年現在も高い状況が続いている。中には会社の電気料金を見ては、なぜこれだけ高いのか、どうすれば安くできるのかを知りたい方も多いのではないだろうか。
そこでこの記事では、しろくま電力の電力事業部監修のもと、法人の電気代はどれくらい高いのか、なぜ高いのか、電気代値上げの原因を解説し、今後も値上げが続くのか、そして法人の電気料金を安くする方法について解説する。
この記事を読んでわかること ・法人の電気代が高い。実際にどれくらい上がっている? |
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関連記事:電気代を値上げする電力会社一覧!電気料金はどれくらい高くなる?
電気代が高い!法人の電気代の推移と現状
最初に、法人の電気代がどれだけ高いのか、単価の推移と現状について説明する。
(出典:新電力ネット「電気料金単価の推移」をもとに弊社作成)
上図は法人向け電気代の推移を図にしたものだ。
法人は電力を消費する規模によって4つに分類されるが、どのケースにおいても2021年以降は電気代が上がっており、2023年1月ごろにピークを迎えていることがわかる。
それ以降は電気代がほんの少しだけ下落したが、2024年に入ってからは高止まりするか、再び値上げするかといった状態が続いている。
関連記事:【2024年】電気代はどれくらい値上げした?推移と今後の予測、法人でできる電気料金の高騰対策を解説
関連記事:【2024年最新】電気代の値上げを徹底解説!電気料金が高騰する理由と対策とは?
電気代は2023年1月にピークを迎え、それ以降は高止まりしていることを説明した。電気代が高い理由について触れる前に、まずは「法人の電気代がどのように決まるのか」を簡単に押さえておこう。
法人は電気を使用する規模ごとに分類される
先ほどのグラフにもあったように、法人は電力を使用する規模によって区分される。どう分類されるかで電気代の単価が大きく変わるため、以下の違いを簡単に押さえておこう。
特別高圧 |
契約電力が2,000kW以上の法人。大型ショッピングモール、広い敷地を持つ工場施設など。 |
高圧 |
契約電力が50〜2,000kWの法人。ショッピングセンターやモール、オフィスビル、工場など。 50〜500kWは高圧小口、500〜2,000kW未満は高圧大口に分類される。 |
低圧 |
契約電力が50kW未満の法人。個人経営の店舗や小規模な商店など。一般家庭も含まれる。 |
法人の電気代の内訳とは?
法人は「低圧」「高圧」「特別高圧」に分類され、それぞれで電気代が異なることを解説した。次に法人の電気代の内訳だが、高圧や低圧といった分類に関係なく、基本的に以下のようになっている。
月々の電気代は以下の数式で算出できる。
月々の電気代= |
定額の基本料金があり、電気を使った分だけ電気代が上乗せされていくという仕組みだ。それぞれの内訳について簡潔に解説していく。
参考記事:電気代は安くできる!内訳と計算方法、基本料金の下げ方、法人がすべき対策とは?
電気代の基本料金とは?
電気代の基本料金とは、電気の使用量に関係なく毎月定額で発生する料金のことだ。発電設備の維持費用や人件費など、電気の安定供給に必要な経費を賄うために設定されている。
法人の基本料金の決定方法は「実量制」と「協議制」の2つ。これによってkWあたりの単価と契約電力量が決まり、それらを掛けたものが基本料金となる。具体的にどうやって決まるのかは下の記事を確認いただきたい。
関連記事:電気代の基本料金とは?仕組みと種類、電気料金を安くする方法をわかりやすく解説
電気代の電力量料金とは?
電力量料金とは、使用した電力量に応じて請求される料金のことだ(従量料金ともいう)。1kWhあたりの単価が設定されており、それに電力使用量をかけて算出される。
電力量料金は家庭・法人に関係なく、使用量が増えるにつれて単価が上がるケースが多い(三段階料金という)。電力会社によっては季節や時間帯ごとに単価が変わるプランもある。
電気代の燃料費調整額とは?
燃料費調整額とは、化石燃料(石油・石炭・天然ガス)の価格変動分を電気代に組み込んだものだ。燃調費ともいう。
燃料費調整額は、過去3〜6ヶ月の燃料費の平均額が、各電力会社が定める平均よりも高い場合は電気代が高くなり、安い場合は電気代が割引される。燃料費調整額は単価が毎月変動する。
関連記事:【図解】電気代を左右する燃料費調整額とは?仕組みや今後の見通し、安くする方法をわかりやすく解説
関連記事:「市場価格調整単価」とは?電気代がまた上がる?仕組みと対策をわかりやすく解説
関連記事:電源調達調整費とは?独自燃調の仕組みと特徴をわかりやすく解説
電気代の再エネ賦課金とは?
再エネ賦課金とは、太陽光発電や風力発電などの「再生可能エネルギー」の買い取りにかかった費用を電気代に反映したものである。正式名称を「再生可能エネルギー発電促進賦課金」という。
国はFIT制度(固定価格買取制度)やFIP制度(固定価格差補助金制度)を通して、発電事業者から再エネでできた電気を買い取っている。
この買取にかかった費用を、私たちは再エネ賦課金という形で負担しているのだ。再エネ賦課金の単価は年度ごとに経済産業省によって見直される。
関連記事:電気代の再エネ賦課金とは?仕組みと推移、値上げの理由と今後の予想をわかりやすく解説!
関連記事:再生可能エネルギーとは?メリット・デメリット、種類の一覧を簡単に解説!
関連記事:カーボンニュートラルとは?意味や背景、実現に向けた世界の取り組みをわかりやすく解説
法人の電気代が高い原因とは?
電気代は2023年1月にピークを迎え、それ以降は高止まりしていることを説明した。では、なぜ法人の電気代は高いのか? その原因を5つ解説する。
関連記事:【2024年最新】電気代が高いのはなぜ?電気料金の平均額と値上げする理由、安くする方法を解説
①大手電力会社の「基本料金・電力量料金の値上げ」
電気代が高い理由の1つ目が、大手電力会社の基本料金・電力量料金の値上げだ。
2023年4月より、大手電力会社7社は高圧・特別高圧向けの電気代を見直し、以下のように値上げを実施している(下図は高圧の電気代値上げ)。
大手電力が電気代を値上げした主な要因は「燃料費高騰」である。2022年に発生したロシアウクライナ問題により化石燃料費が過去最高値となった。これにより火力発電のコストも高騰し、大手電力は数百億〜数千億円規模の赤字を出している。
この赤字分を補填するために、これまで値上がりしていなかった「基本料金」「電力量料金」の大幅な値上げを実施したため、電気代が大幅に値上がりしているのだ。
参考記事:電気代を値上げする電力会社一覧!電気料金はどれくらい高くなる?
②燃料費高騰による「燃料費調整額の値上げ」
電気料金が高い2つ目の理由が、燃料費高騰による「燃料費調整額の値上げ」だ。下図のように、2020年以降、化石燃料費(石炭・天然ガス・石油)の輸入価格は高い状況が続いている。
(出典:経済産業省が発表した資料や各社の研究データをもとに弊社作成)
特に2022年に入って燃料費が大幅に値上がりしている。燃料費が上がった主な原因は以下の3つだ。
・脱炭素の促進による化石燃料への投資撤退
・2022年ロシア・ウクライナ問題
・急激な円安ドル高の進行
化石燃料を手掛ける企業や火力発電所からの投資撤退(ダイベストメント)、さらにロシアが西側諸国の経済制裁に反発し燃料の輸出を制限した結果、化石燃料の供給量が減少した。その一方、コロナ禍からの景気回復に向けて世界的な需要量が増加したことで燃料価格が世界的に高騰した。
こういった経緯から燃料費が高騰し、その影響で下図のように燃料費調整額も値上がりしたのだ。
(出典:新電力ネット「燃料費調整額の推移」より)
上図は東京電力の燃料費調整額(特別高圧)の推移だ。
燃料費調整額とは燃料費の変動分を電気代に組み込んだものである。燃料費調整額は「半年前〜3ヶ月前の燃料費の平均額」を反映する場合が多いため、値上がりするタイミングにズレがあるが、2023年に10円/kWhを超えている。
2023年に入り燃料費が少し下がったため、燃料費調整額も多少下がった。しかし2024年に入っても燃料費の高止まりが続いているため、いまだに電気代に上乗せされる状況(プラス調整)が続いている。
③再エネ導入量増加による「再エネ賦課金の値上げ」
法人の電気料金が高い3つ目の理由が、再エネ導入量増加による「再エネ賦課金の値上げ」だ。
(出典:公表されているデータをもとに弊社作成)
上図は再エネ賦課金の単価の推移をグラフにしたものだ。FIT制度がはじまった2012年度、再エネ賦課金の単価は0.22円/kWhだったが、2024年度には3.49円/kWhとなっている。
年々単価が上がっている理由は、再エネの導入量が増加し、買い取りにかかる費用が増えているからだ。2023年度には1.40円/kWhまで下がったが、これは一時的に下がっただけで、2032年ごろまでは上昇が続くものと考えられる。
再エネ賦課金の単価の計算式や、なぜ2023年度に単価が下がったのかなどは下記記事で解説している。
参考記事【図解】再エネ賦課金とは?仕組みと値上げが続く理由、今後の予想をわかりやすく解説!
④レベニューキャップ制度開始による「託送料金の値上げ」
電気代が高い4つ目の理由が、2023年4月から託送料金が上がっているからだ。
託送料金とは送電線の使用料のことで、電力会社から電気を購入する場合に支払う必要がある。この送電線の管理を行うのは送配電事業者とよばれる事業者だが、これまで、送配電事業者の利益は国によって約束されていた。
しかし2023年4月より、送配電事業者の利益を確保せず、各社にコストの効率化を促すことで利益を捻出させる「レベニューキャップ制度」がスタート。これによって託送料金が上がっているのだ。
しかし、この制度で各社ともにコストを効率化させる必要があるため、今後、託送料金は下がっていくものと考えられる。詳しい値上げ幅や、託送料金とレベニューキャップ制度の解説は下記記事で行っている。
関連記事:【2024年】託送料金とは?概要とレベニューキャップ制度をわかりやすく解説!
⑤電力需給のひっ迫
5つ目の原因が、電力需給のひっ迫である。電力需給のひっ迫とは、需要量が供給量ギリギリとなり、電気の予備がほとんどない状態を指す。
これは電力会社の仕入れ値が上がる原因のため、直ちに電気代に影響するものではない。しかし、電力会社が赤字となれば、電気代を引き上げざるを得ないため、電気代にも影響する。
(出典:資源エネルギー庁「エネルギー白書2022」)
上図は、日本の電力供給量の推移だ。図を見ると、2010年以降、日本では供給量が減少していることがわかる。電力供給量が減少した理由は以下の2つだ。
・東日本大震災による原子力発電所の停止
・電力自由化による老朽化の進んだ火力発電所の廃止
2011年に東日本大震災が発生し、原子力発電所の停止が相次いだ。2010年では約25%を占めていたが、2020年には約4%まで減少したのである。これによって、日本では発電量が減少した。
そして2000年から始まった電力自由化により、多くの新電力が小売電気事業に参入。これによって電気代の価格競争が厳しくなり、大手電力会社は老朽化の進んだ火力発電所や、発電効率の悪い発電所を続々と廃止した。
これらが原因で電力の供給量が減少し、電力需給のひっ迫が多々発生している。これにより電気の仕入れ値が上がり、各電力会社は利益を出すためにも電気料金プランの見直しをせざるを得ない状況となっているのだ。
関連記事:電力需給のひっ迫はなぜ起きる?いつまで続く?
関連記事:【図解】新電力とは?電気代が安い会社の特徴、契約のメリットデメリットをわかりやすく解説!
今後も法人の電気代は高いままの可能性がある
ここまで法人の電気代はどれくらい高いのか、なぜ高いのかを解説した。では今後、法人の電気代は安くなるのか?というと、そうは言い切れない。
次になぜ法人の電気代が今後も高い可能性があるのか、詳しく解説していく。
関連記事:【2024年】今後も電気代は値上げする?高い原因と予測、法人・家庭でできる電気代削減方法を徹底解説!
①燃料費が以前のように安くなるとは考えづらい
2023年に入って燃料費は安くなりつつある。しかし、先述したように燃料費高騰の主な原因である「ロシア・ウクライナ問題」などは収束の見通しがついていない。
さらに2023年10月よりイスラム組織ハマスとイスラエルとの戦闘が激化しており、イスラエル産の天然ガスが一時21%値上がりするなど、不安定な状況は続いている。化石燃料費は社会情勢の影響を受けることから、2024年以降、また値上がりする可能性すら考えられるのだ。
②容量拠出金が電気代に含まれている
2020年より、日本では容量市場というものがスタートしている。容量市場とは「4年後に必要となる電気の供給力」を売買する市場のことだ。簡単にいうと、電力が不足しないように前もって発電所のキャパを抑える、というのが容量市場である。
2024年4月より、多くの電力会社は容量市場で押さえた発電所から電力を供給されている。電力会社はこの対価として容量拠出金を支払う必要があるのだ。そしてこの容量拠出金を電気代に上乗せする電力会社が増えている。契約している電力会社によっては2024年に入って電気代が上がっている可能性があるのだ。
③政府の電気代補助金は2024年10月に終了
電気代高騰を受けて、政府は以下のように電気代を補助してきた。
電気・ガス価格激変緩和対策事業費補助金 |
・2023年1月〜2024年5月まで実施。 |
酷暑乗り切り緊急支援 | ・2024年8月〜10月まで実施・ ・一般家庭が2.5〜4円/kWh、法人は1.3〜2.0円/kWhが補助された |
しかし、これらの電気代の補助金は現在実施されていない。2025年より復活する可能性がある、とは言われているが、まだ未定である。2024年11月使用分以降、電気代が再び値上がりするため注意が必要だ。
関連記事:政府が電気代を支援へ!補助金額や電気料金を安くする方法をわかりやすく解説!
④2024年度以降も再エネ賦課金が上がる可能性がある
再エネ賦課金は、FIT制度やFIP制度を通して国が買い取る再生可能エネルギーの量が多いほど高くなる。太陽光発電の場合、FIT制度は20年間続くため、FIT制度の終了案件がで始めるのは2032年以降だ。
2023年度のように単価が安くなる可能性があるものの、基本的にこの期間までは再エネ賦課金が値上がりするものと考えられる。
関連記事:RE100とは?仕組みや日本の加盟企業についてわかりやすく解説
電気代が上がると新電力の倒産リスクも上がる
電気料金の高騰は出費が増えるだけでなく、新電力の倒産や事業撤退につながるリスクもある。
新電力とは、2016年の電力小売の完全自由化を受けて、小売電気事業に新規参入した電力会社をさす。大半が自社で発電所を持たず、JEPX(日本卸電力取引所)で仕入れた電気を契約者に提供している。
新電力は「大手電力会社よりも電気代が安い」ことを売りにシェアを拡大した。しかし燃料費高騰やJEPXの市場価格高騰を受けて収支が悪化。仕入れ値が売値を超える事態となり、2023年3月時点で全体の3割に当たる195社が倒産・事業撤退した。2024年に入って倒産するケースは減っているが、それでも要注意だ。
もし契約解除された場合、法人は最終保障供給を通して電力供給を受けられるが、最終保障供給は2022年9月1日より料金体系が変動し、大幅に値上がりしている。詳しくは「最終保障供給とは?2022年9月から料金が大幅値上げへ!対策を解説」をご確認いただきたい。
関連記事:【2024年】新電力はなぜ倒産・撤退する?法人がすべき対策も解説!最終保障供給は値上げへ
関連記事:【図解】JEPXとは?取引の仕組みや市場価格の推移をわかりやすく解説!
関連記事:【図解】電力自由化とは?仕組みやメリット・デメリットをわかりやすく解説
法人が基本料金・電気料金を安くする4つの方法とは?
ここまで、今後も法人向け電気代は高い可能性があり、電力会社の倒産リスクもあることを解説した。次に、法人ができる電気料金を安くする方法を4つ解説する。
関連記事:無料で電気代を安くする方法を徹底解説!電気料金を安くしたい方必見!
①最大デマンド値を下げる
1つ目は法人が基本料金を下げる方法だ。基本料金の決定方法が「実量制」の場合、直近12ヶ月のうち、もっとも多い電力消費量(デマンド値)をもとに基本料金が決まる。つまり、デマンド値を下げれば基本料金を安くできるのだ。
デマンド値を下げる方法として挙げられるのが、エネルギーマネジメントシステム(EMS)の導入である。
エネルギーマネジメントシステムとは、エネルギー(電気・ガス・水道)の使用状況を見える化し、管理や分析、制御を行うシステムのこと。BEMS(ビルや商業施設向け)やFEMS(工場向け)、CEMS(地域全体を管理できる)など様々なシステムがある。
これらのシステムは初期費用が発生するが、導入するとデマンド値が上がりすぎるのを自動で防止できる。使い方によってはデマンド値を下げて基本料金を抑えられるのだ。
関連記事:省エネ法とは?2023年改正のポイントと概要をわかりやすく解説
②節電を徹底する
2つ目は節電の徹底である。節電し、電気の使用量を減らせばそれだけ電気代も安くなる。例えば照明を蛍光灯や白熱電球からLEDに変えれば、使用電力を80%以上カットできるのだ。
しかし節電といっても、具体的にどこをどうすればどれだけの効果が得られるのかは非常にわかりづらい。そこで下記記事では、法人向けだが、オフィスと工場ですぐにできる節電方法と、それぞれの取り組みで得られる節電効果を解説している。
関連記事:【2024年最新】オフィスですぐできる電気代削減・節電方法を解説
関連記事:【2024年最新】工場の電気代削減・節電方法を徹底解説!
③太陽光発電設備を導入する
「電気代・CO2排出量を削減したい」法人におすすめなのが、太陽光発電設備の導入だ。
太陽光発電設備を設置し、そこで発電した電気を自社で使用すれば、その分の電気代・CO2排出量を削減できる。
蓄電池を併用すれば、昼間に発電した電気を蓄えて夜に活用したり、非常時などに活用したりすることも可能だ。
太陽光発電は以下のようにさまざまな場所に設置できる。
・工場やオフィスの屋根上
・自社敷地内または自社所有の遊休地
・屋外の駐車場(ソーラーカーポート)
・池の上や自社の敷地外など
太陽光発電の導入方法は下記の3種類から選択できる。
・発電設備の設置費用を自社負担する「自社所有型」
・リース会社を介して発電設備導入する「リース契約」
・PPA事業者が敷地に発電設備を無料で設置し、その電気を買い取る「PPAモデル」
それぞれの違いをまとめると、下図のようになる。
PPAモデルを選択した場合、無料で太陽光発電設備を導入でき、さらに電気代が通常よりも安くなる可能性が極めて高い。資金に余裕がある法人は自社で発電設備を所有するといいだろう。自社所有型の場合、発電した電気は全て無料で使用できる。
関連記事:【図解】自家消費型の太陽光発電とは?メリット・注意点、PPAと自己所有の違いを徹底解説!
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しろくま電力は高い施工品質で、CO2排出量・電気代の削減を実現
しろくま電力は太陽光発電所の適地探しから土地開発、資材調達、施工までを一気通貫で行っている。大規模発電所を多く手がけており、高い技術力をもとに発電量を最大22%も増やすことに成功した実績もある。
(左が通常の発電所、右がしろくま電力が独自開発した「影のない3D設計」)
太陽光発電設備は、屋根上や遊休地はもちろん、水の上や遠隔地、駐車場にも設置できる。特に駐車場に設置するソーラーカーポートには強いこだわりがあり、一級建築士監修のもと、2年もの歳月をかけて改良を重ねてきた。
上図左側のように、従来のソーラーカーポートは4本足で、駐車や扉の開閉がしづらく、導入費用も高い。
しかししろくま電力では、前方に足がない2本足タイプを開発。これによって駐車しやすく、扉の開け閉めが容易になった。実際にホームセンターなどで導入されている。オンサイトPPAに関するお問い合わせやご相談は下記のバナーから。
関連:しろくま電力のPPA事業ページ
関連:しろくま電力のソーラーカーポート事業ページ
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④電力会社を乗り換える
4つ目の方法が電力会社の切り替えだ。電気代は大まかに以下の数式で計算できる。
電気代 = 電力使用量(kWh)× 電気代の単価(円/kWh)
節電は前者の電力使用量を減らす方法である。しかし電気を使う量を減らすには限界があるだろう。そこで知っておきたいのが電気代の単価を下げる取り組み、つまり「電力会社の切り替え」である。
2024年現在、電気代は高いと説明したが、それでも電気代の削減に成功する新電力は多く存在する。節電と合わせて単価を見直せば電気代を大幅に安くできるため「手軽に電気代を安くしたい」法人は乗り換えを検討するといいだろう。
関連記事:電力会社を乗り換える方法とは?切り替え方法とメリット・デメリット、注意点を解説
法人が電力会社・プランを比較する際の手順とは
法人が電気代を効率よく下げる方法として、電力会社の乗り換えがあることを説明した。それでは次に、電力会社を変更する場合、どういった手順で行うのかについて解説していく。
①プランを見直す目的を明らかにする
電力会社を切り替える前にすべきが、なぜ電力会社を切り替えるのか、ということだ。目的として「電気代削減」や「CO2排出量削減」「電気代の請求の一本化」などが挙げられる。
新電力は大手にはないサービスや付加価値を提供している場合が多い。目的にあった新電力を探すためにも、まずはなぜ電力会社を乗り換えたいのか、目的を明らかにしておこう。
②電力会社に見積もりを依頼
目的を決めた次に、電力会社の候補をいくつか出し、各社に見積もりを依頼しよう。電力会社によっては急ぎの見積もりに対応できたり、他社や最終保障供給などの電気代と比較した見積もりを作成できたりする場合がある。
見積もりの場合、「自社の契約電力数」や「月々の電気使用量の回答」が必要となるケースがあるため、検針表や月々の請求書を用意しておくといいだろう。
③見積もりの確認・電力会社の決定
見積もりが上がってきたら、それぞれの数字を確認し電力会社を決定する。どの電力会社と契約するかに悩んだ場合は、次の項目で述べる注意点や、下記記事の重視すべきポイントを参考にしていただきたい。
関連記事:電気代を安くしたい法人必見!電気代が安い新電力の選び方を解説
④申込書の提出・契約締結
電力会社が決まったら、次に申込書を作成し、提出する。手続きの場合、口座やクレジットカードの情報が必要となる場合もあるため注意が必要だ。申込書が電力会社に受諾されれば、無事に契約締結となる。
⑤電気の供給開始
決定した日時より、新しい電力会社から電気の供給が開始される。大体、これらの手続きは短くて1ヶ月、長くて2ヶ月はかかる場合がほとんどだ。個人と違い、法人が電力会社を乗り換える場合は時間がかかることを頭に入れておこう。
法人が電力会社・プランを乗り換える際の注意点
電力会社を乗り換える手順について説明した。あわせて電力会社を乗り換える際の注意点も知っておこう。
①新電力は、電気の質も停電の頻度も大手電力会社と同じ
新電力との契約にあたってよくあるのが「新電力は電気の質が悪いのではないか」「新電力はすぐに停電するのではないか」という質問だ。
まず、電気には質という概念がないため心配する必要はない。また新電力は大手電力会社と同じ送配電線を使用して電気を需要家に供給している。停電のリスクは大手電力会社と同じである。
②電力会社の対象エリア内かどうか
大手電力会社と違い、新電力は幅広いエリアに対応しているケースが多い。だが新電力によって対象エリアが異なるため、供給地域をしっかり確認することをおすすめする。
特にいくつかの県や地域に拠点がある法人の場合、それらすべてをカバーできるかを把握すべきだ。もし対象外のエリアがあった場合、別の電力会社と契約する必要があり、支払いや管理などに手間がかかってしまう。
③高圧・特別高圧でもクレジットカードでの支払いができるか
電力会社を検討する際、支払い方法についても確認すべきだ。電力会社の中には、口座振替(引き落とし)や払込書での支払いだけでなく、高圧・特別高圧の法人の電気代でもクレジットカードで支払いができるケースがある。
支払い方法にクレジットカードを選択するメリットは2つ。クレジットカードのポイントが貯まることと、支払い期間を1ヶ月先延ばしにできる点だ。特に後者の場合、キャッシュフローの改善にも役立てることができる。
④契約期間はどれくらいなのか?違約金は発生するのか
高圧・特別高圧の電力会社を探すにあたって、「契約期間」と「違約金の有無」も確認すべきだ。
燃料費が高騰する今、電気代が突然高騰するリスクは当然ある。いつでも他の電力会社に乗り換えられるようにするためにも、契約期間は長すぎないか、契約を途中で破棄した場合に違約金はあるのかを把握しておくといいだろう。
一般家庭の場合、違約金は2,000〜10,000円程度だ。しかし、高圧や特別高圧といった法人向けの電気となると、違約金も一気に跳ね上がる。電力会社によっては、1〜3ヶ月分の電気代を請求するケースもあるので要注意だ。
契約後に後悔しないためにも「契約期間はどのくらいなのか」「途中で解約をすると違約金は発生するのか。それはいくらなのか」「更新する際に費用は発生するのか」を確認しよう。
⑤見積もりは一社だけでなく、必ず相見積もりを
見積もりを取る場合、必ず一社でなく、複数社から相見積もりをとるようにしよう。一社だけではその新電力の電気代が本当に安いのか、判断することは難しい。
必ず複数社から見積もりをとって電気代を比較し、どの電力会社と契約するか決めることをおすすめする。
また、電気代の中に「燃料費調整額」や「再エネ賦課金」を含まず、わざと安く見せているケースもあるため注意しよう。
<法人向け電気代が45%下がった例も>
電気代・CO2を削減するなら「しろくま市場連動型プラン」
電気代を安くするには、電気プランを見直すのが効果的であると説明した。しろくま電力では、高圧・特別高圧の法人向けに市場連動しろくまプランを提供している。
市場連動型プランとは、JEPXという電力卸市場で取引される電気の価格(市場価格)に合わせて、30分ごとに電気代の単価が変わるプランのことだ。一般的なプランと比較すると料金内訳は以下のようになる。
この電力量料金が市場価格に応じて変動するのだ。市場価格には燃料費が含まれるため、このプランには燃料費調整額(燃料費の変動分を電気代に組み込んだもの)がない。
JEPXの市場価格は、条件によっては高騰するリスクはある。しかし昨今は太陽光発電が増えているため、市場価格が0.01円/kWhとなる時間数も増えている。
上図は弊社電力事業部の担当者が計測した、市場価格が0.01円/kWhとなった時間数の推移だ。全国的に再生可能エネルギーが増加したことで、最安値をつける時間が増えている。特に2023年の九州エリアでは、年間1,174時間、年間の総時間数(8,760時間)の約13%が0.01円/kWhとなった。
市場連動型プランでは、昼間の電気代が安くなる傾向にあるため、日中に稼働が多い工場やオフィスなどでは、電気代を下げられる可能性が高いのだ。以下は市場価格が0.01円/kWhをつけた際の、2つのプランの価格イメージ図だ。
実際に、ある導入企業では電気代を年間約45%(約1.5億円)も削減するなど、多くのお客様の電気代削減に貢献してきた。
そして、しろくま電力の市場連動型プランはただ電気代が安いだけではない。
翌日の市場価格を毎日午前中にメールで共有し、市場価格が安い時間に稼働を増やしたり、逆に市場価格が高い場合は従業員に在宅勤務を促したりできるよう、電気代の節約を徹底してサポートする。電気代に関する個別での相談にも対応可能だ。
また、しろくま電力の電気はCO2を一切排出しない。非化石証書つきの電気を供給するため、電気を切り替えるだけで脱炭素でき、御社のカーボンニュートラルの実現もサポートする。
以下のように、しろくま電力は多くの企業・自治体に導入いただいている(PPAも含む)。
以下は、実際にしろくま電力の市場連動型プランを導入した企業様の声だ。
【導入事例】電気代の値上げ幅を30%削減し、脱炭素もできた。ウェディング企業の市場連動型プラン実例を紹介 |
お見積もりについては、他の電力会社や最終保障供給を契約した場合の電気代との比較もできる(比較を希望した法人のみ)。年間のお見積もりだけでなく、毎月の電気代を算出するため月ごとの料金比較も可能だ。以下は、レポートとお見積書の例である。
お見積もりは「しろくま電力の市場連動型プランページ」または下記バナーから。お急ぎの見積もり依頼にも対応できる。契約上のご相談や不明点などにも対応可能だ。
関連記事:電気の市場連動型プランとは?特徴とメリット・デメリットをわかりやすく解説!電気代高騰を防げる?
関連記事:非化石証書とは?仕組みや価格、種類や購入方法などをわかりやすく解説
大手より最大25%も安い
安心して電気を安く使いたい法人は「固定単価型プラン」がおすすめ
また、しろくま電力では「市場連動型プランはどうしても不安だ」という法人に向けて「固定単価型プラン」も提供している。このプランは大手と違って「3〜6ヶ月前の燃料費の平均価格」でなく「前月の市場価格」を1kWhあたりの単価に落とし込むため、不透明な値上げリスクがない。
さらに、以下の2点により電気代が大手電力会社よりも「最大25%安くなる」可能性がある。
①基本料金と電力量料金が大手電力会社より安い
②燃料費調整額でなく、電源調達調整費を電気代に組み込んでいる
①について、しろくま電力では電気代の基本料金と電力量料金を大手電力会社よりも低くなるように設定した。そのため月々の電気代を安く抑えることができる。
②については、大手電力や新電力が電気代に燃料費調整額(化石燃料費の変動分だけ)を組み込む一方、しろくまプランでは電源調達調整費を含んでいる。電源調達調整費は、先述したJEPXの市場価格を1kWhあたりの単価に落とし込んだものだ。
燃料費調整額は化石燃料だけを価格に反映するため、燃料費が高騰すると燃料費調整額も上がってしまう。2020~2022年にかけて電気代が高騰したが、この原因は燃料費調整額だった。しかし市場価格は前述したように燃料費以外も参考にされるため、電気代の高騰リスクを軽減できる(当然、電源調達調整費が高騰するリスクもある)。
このように内訳を変更することで、大手電力よりも最大25%安くすることが可能となった。ちなみに市場連動型プランと固定単価型の価格の違いは以下である。
・市場連動型プランは電力量料金が市場価格を元に決まる ・固定単価型プランは従来の電力プランと同じく電力量料金は一定。 ・市場価格は賢く電気を使えば電気代が大幅に安くなる。しかし市場価格高騰時はリスクもある ・固定単価型プランは市場連動型よりも市場価格の影響を受けづらい。安心して電気代を下げたい。 |
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