スマートメーターとは、使った電気の量をデジタルで計測する電気メーターです。2016年以降、ご家庭の電力計は従来のアナログ式のメーターからスマートメーターへの切り替えが進んでいます。
急にメーターが切り替わることに戸惑いを覚える方もいるかもしれませんが、従来型のメーターに比べ、スマートメーターにはさまざまなメリットがあります。
この記事では、スマートメーターの機能やメリット、設置のタイミングとプロセスなどを紹介します。
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この記事を読んでわかること
- スマートメーターと従来型メーターの違いは?
- スマートメーターの機能は?
- スマートメーターのメリット・効果は?
- 設置されるタイミングと設置の流れは?
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スマートメーターとはデジタル電力計のこと

スマートメーターとは、各家庭の電力使用量をデジタルで計測する電力計のことです。2016年以降、従来型のアナログ式メーターからスマートメーターへの切り替えが進められています。
スマートメーターは使用した電力量を30分ごとに自動で計測し、そのデータを電力会社へ送信する仕組みです。本体には液晶画面が取り付けられており、電力の使用量が表示されます。また、発電設備のある家庭のスマートメーターは、10秒間隔で電力の使用量と電力会社に販売した電力量の表示が切り替わります。
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従来型メーターとの違い
従来型のメーターはアナログ式で、電気を使用すると円盤が回転する仕組みです。アナログ式のメーターでは、毎月検針員が検針することで、電気の使用量と電気代を計算していました。
一方、スマートメーターではデジタル表示やデータで電気の使用量を把握できるため、アナログ式で行われていた検針員による検針が必要なくなります。
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スマートメーターの機能

結論をまとめると!
スマートメーターの主な機能は以下の4つ
①通信機能が搭載されている
②電力使用量を30分ごとに計測できる
③ブレーカー機能が搭載されている
④HEMSとの連携で電力使用量を可視化できる
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スマートメーターには、アナログ式メーターにはなかったさまざまな機能があります。ここでは、スマートメーターの機能を紹介します。
通信機能が搭載されている
スマートメーターには通信機能が搭載されており、計測した電気の量をデータ化して送配電事業者の管理サーバー、さらに小売事業者(電力会社)へと自動で送っています。電気の使用量のデータを基に、契約している電力会社から各家庭へ毎月の電気代が請求される仕組みです。
このデータ通信機能によって、スマートメーターでは検針が必要なくなります。
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電力使用量を30分ごとに計測できる
スマートメーターなら、電気の使用量を30分ごとに計測できます。従来のメーターでは、電気の使用量を計測するのは検針員が来るタイミング、つまり月に1回のみでした。この方法では、1ヶ月にどれくらい電気を使っているかという情報しか分かりません。
一方、スマートメーターでは30分と細かな間隔で電気の使用量がデータ化されているため、どの時間帯にどれくらい電力を使っているのかがほぼリアルタイムで可視化されます。
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ブレーカー機能が搭載されている
スマートメーターには、ブレーカー機能が搭載されています。
従来のメーターの場合、ブレーカーは室内の壁に設置されていました。この場合、契約アンペア数を超えて電力を使用するとブレーカーが落ち、手動でブレーカーを上げて復旧させなければいけません。
一方、スマートメーターはブレーカーが落ちても、電化製品のスイッチを切って電力の使用量を減らせば、10秒後にはブレーカーが自動復旧します。自分でブレーカーを上げる必要がなく、手間がかからないのが特徴です。
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HEMSとの連携で電力使用量を可視化できる
スマートメーターをHEMSと連携させると、電力使用量を可視化できるようになります。
HEMS(Home Energy Management System)とは、ヘムスと呼び、家庭の電力の使用状況を可視化し、消費電力を制御するシステムです。スマートメーターをHEMSと連動させると、電子機器ごとの消費電力を細かく見れるようになります。
HEMSは家庭における無駄なエネルギー消費を防ぐ効果的な手段として、政府にも普及が進められています。
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スマートメーターのメリット・効果

結論をまとめると!
スマートメーターのメリット・効果は以下の4つ
①電力使用量の可視化で節電につながる
②最適な電気料金プランを選べるようになる
③遠方の家族の見守りができる
④インセンティブ型デマンドレスポンスに参加できる
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従来のメーターと比べ、スマートメーターは機能性が高く、できることがたくさんあります。ここでは、スマートメーターのメリット・効果を紹介します。
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電力使用量の可視化で節電につながる
スマートメーターは30分ごとの電力使用量を可視化できます。そのため「今月に入ってから電力を使い過ぎている」などの情報がリアルタイムで把握でき、節電につながる可能性が高いです。
従来のメーターでは、1ヶ月間に使った電力の量が後から分かる仕組みなので、電力を使い過ぎてしまってからしか、状況を把握できませんでした。
スマートメーターなら「◯月◯日から急に電力消費が増えている」「この家電を使っているときに消費電力が増えている」などの情報も分かるため、電力を使いすぎている原因が特定しやすく、すぐに節電を実行できるようになります。
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最適な電気料金プランを選べるようになる
スマートメーターでは「いつどれくらい電気を使っているか」を把握できます。そのため、最適な電気料金プランを選べるようになります。
電力会社によって、電気料金プランのラインナップはさまざまです。例えば、日中と夜間で電気料金の単価が異なるプランや、電気の使用量に応じて単価が変わる従量料金プラン、契約アンペア数によって基本料金が変わるプランなどがあります。
スマートメーターによって日常で使う電力使用量の最大値や夜間と昼間の電力使用量の差などを把握することで、最適なアンペア数のプランや時間帯によって単価が変わるプランなど、電気代を最も抑えられるプランを選択できるようになります。
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遠方の家族の見守りができる
一部の電力会社・市区町村では、スマートメーターからの電力データを利用した高齢者の見守りサービスを提供しています。1人で暮らす高齢者などの電力消費データから、普段の生活パターンと異なる動きがあれば、緊急連絡先に登録されている人に連絡がいく仕組みです。
見守りサービスを導入するにあたり、新たな機器を購入・設置する必要はないため、利用者の手間や金銭的な負担を軽減できます。同居していない家族の安否が心配という方にとっては、魅力的な機能でしょう。
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インセンティブ型デマンドレスポンスに参加できる
スマートメーターが消費電力を可視化できる機能を利用して、インセンティブ型デマンドレスポンスに参加できるようになります。
インセンティブ型デマンドレスポンスとは、電力消費のピーク時など特定の時間帯に電力会社からの要求に応じて節電すると、節電の量に対してポイント付与や電気料金の値引きなどの対価を得られる制度です。事前に電力会社とインセンティブ型デマンドレスポンスの契約をし、インセンティブ(報奨)の内容などを定めます。
インセンティブ型デマンドレスポンスによって電力会社は電力の安定供給ができるようになり、契約家庭は節電の対価を得られるため、両者にメリットがあります。
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スマートメーター設置のタイミング

結論をまとめると!
スマートメーター設置のタイミングは以下の4つ
①電力会社を変更したとき
②従来のメーターの有効期限が満了したとき
③HEMSなどのサービスを申し込んだとき
④家を新築したとき
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気づいたら家の電気メーターがスマートメーターに変わっていたという方もいるでしょう。また、まだ従来型のアナログ式メーターを使用しており「うちはいつスマートメーターになるの?」と疑問に思っている方もいるかもしれません。
ここでは、スマートメーターが設置される主なタイミングを紹介します。
電力会社を変更したとき
従来型のアナログ式メーターを使っている場合、電力会社の切り替え手続きをすることによって、送配電事業者がスマートメーターの設置をしてくれます。原則、メーターの交換・設置費用は無償です。
ちなみに、時間帯によって電気料金が変わる電力会社のプランは、スマートメーターが設置されていないと契約できません。
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従来メーターの有効期限が満了したとき
従来型のアナログ式メーターの有効期限が満了したタイミングで、新しいメーターが設置される際にスマートメーターに切り替わります。一般的にアナログ式メーターの有効期間は、検定を受けた日から10年間です。
有効期間の満了が近づくと、電力会社からメーターの交換に関する通知が届きます。交換費用は電力会社が負担し、家庭が支払う必要はありません。
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HEMSなどのサービスを申し込んだとき
HEMSは、スマートメーターとHEMSの電力測定ユニットを連携させてエネルギーを管理する仕組みです。HEMSにはスマートメーターが必須であるため、従来のアナログメーターを使用していた場合、HEMSへの申し込み時にスマートメーターへ交換されます。
スマートメーターへの交換には費用はかかりませんが、HEMSの導入には機器代と工事費で約10〜30万円の費用が発生します。
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家を新築したとき
新築で家を建てる場合、最初からスマートメーターが設置されるのが一般的です。2014年に定められた「エネルギー基本計画」によって、すべての家庭にスマートメーターが導入されることが国の目標となっています。そのため、設置を拒否しない限り、原則として新たに設置される電気メーターはスマートメーターとなります。
スマートメーターを設置するデメリットは特にないため、電力の消費状況を細かく確認できるスマートメーターを設置した方が便利でしょう。
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スマートメーター設置の流れ

結論をまとめると!
スマートメーター設置の流れは以下の通り
①電力会社を切り替える
②工事会社から連絡が入る
③設置工事の実施
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従来のアナログメーターを使っている状態で電力会社を切り替える場合、どのような流れでスマートメーターが設置されるのでしょうか。ここでは、スマートメーターが設置されるプロセスを解説します。
①電力会社を切り替える
電力会社を切り替える際には、基本的にWebサイトや電話などで新しい電力会社への申し込み手続きを行います。元々契約していた電力会社の解約は、切り替え先の電力会社が行ってくれる場合がほとんどです。
なお、電力会社の切り替え時には、一般的に以下の情報が必要です。
- 供給地点特定番号
- 契約者番号またはお客さま番号
- 契約者名義
これらの情報は、検針票か現在契約している電力会社のWebサイトのマイページから確認ができます。
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②工事会社から連絡が入る
スマートメーターが設置されていない場合、電力会社を切り替えるタイミングで、地域の送配電事業者がスマートメーターの設置を行います。そのため、電力会社への申し込み後に送配電事業者または工事会社から、メーターを交換する日程調整の連絡が入ります。
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③設置工事の実施
日程を調整した日に、設置工事が実施されます。交換にかかる時間は30分ほどです。また、交換時には15分ほど停電が伴う場合があります。
スマートメーターの設置は基本的に立ち会いが不要です。しかし、現在室内に設置されているブレーカーを取り外す場合、立ち会いが求められます。立ち会いが必要なのか、電力会社または工事会社からの連絡をよく確認しておきましょう。
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