宿泊施設(ホテル・旅館)の利益改善には、節電・電気代削減が重要である。お客さまの快適さを損ねず節電したい、電気代を下げたいとお考えのご担当者も多いだろう。
そこで本記事では、宿泊施設の節電・電気代削減のポイントと設備ごとの節電方法を詳しく解説していく。最も大幅に電気代を下げる方法も紹介するので、ご参考にしていただきたい。
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記事でわかること
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宿泊施設(ホテル・旅館)で節電・電気代削減する際のポイント
結論をまとめると 宿泊施設(ホテル・旅館)で節電・電気代削減するポイントは以下4つ ①宿泊施設の電力使用量は「空調」「照明」が全体の4〜5割を占める |
はじめに、宿泊施設(ホテル・旅館)で節電・電気代削減に取り組む際のポイントを紹介する。
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まず「宿泊施設(ホテル・旅館)で電力を多く使用しているのはどの設備か」を把握しておきたい。電力使用量が多い設備から優先して取り組むと、節電に効果的だからだ。
資源エネルギー庁による「夏季・冬季の宿泊施設の電力使用量の内訳」は以下のようになる。
【宿泊施設(ホテル・旅館)の電気代の内訳】
設備 | 夏季 | 冬季 |
空調 | 29.2% | 22.5% |
照明 | 17.7% | 19.4% |
調理機器 | 10.7% | 11.7% |
エレベーター等 | 7.4% | 8.1% |
冷凍・冷蔵 | 7% | 6.7% |
給湯 | 4.7% | 4.9% |
その他 | 23.4% | 26.9% |
上図から、宿泊施設では年間を通して「空調」の電力消費が最も大きいとわかる。次いで「照明」の使用が多い。この「空調」と「照明」だけで全体の約4〜5割を占めている。つまり、宿泊施設の節電・電気代削減に取り組む際には「空調」と「照明」を優先して節電すると効果的だということだ。
次に「宿泊施設(ホテル・旅館)は、いつ節電すると効果的か」を把握するために電力使用のパターンを見ていこう。
上図はしろくま電力が独自に調査した宿泊施設(ホテル・旅館)の1日単位と年間の電力使用量をグラフにしたものだ。宿泊施設では曜日による電力使用量の差はあまりなく、1日を通して電力使用量が多いとわかる。
さらに、年間では、空調の使用頻度が増える夏と冬に電力使用量が増えている。そのため、夏・冬は特に節電効果が得られやすい。つまり、宿泊施設では「1日」と「夏・冬」の節電・電気代削減対策が重要なのだ。
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冒頭で宿泊施設(ホテル・旅館)で電力使用量が多い設備を紹介した。加えて、電力使用量が多い部門も把握し、優先的に節電するとより効果が出やすくなるだろう。
一般社団法人省エネルギーセンターによると、宿泊施設で電力消費量が最も多いのは「宿泊部門」である。これは宿泊施設に占める面積が大きいからだ。宿泊施設の節電は、客室から優先して取り組むといいだろう。
次いで「宴会部門」の電力使用量が多くなっている。宴会場は広い会場の空調や照明には多くの電力を使用するからだ。続いて多いのは「飲食部門」である。飲食店では空調や照明に加えて冷凍・冷蔵庫や調理機器など多くの電化製品を扱うため、これら設備の節電対策も重要となってくるのだ。
このように宿泊施設の節電・電気代削減は「宿泊部門」「宴会部門」「飲食部門」に重点を置いて取り組むと効果的である。
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最後のポイントとして、なぜ電気代が上がっているかを説明する。2022年のロシアによるウクライナ侵略をきっかけに、世界的に燃料価格が上がった。その影響を受けて日本の電気代も高騰している。
当初は政府の補助金制度が適用されていたが、補助金の終了などにより電気代は上がり続け、現在は高止まりの状況だ。今後も電気代が下がる可能性は少なく、横ばいか緩やかに価格が上昇する見込みである。
このような背景があるなか、宿泊施設(ホテル・旅館)が節電対策に取り組むことで、高騰する電気代の負担を軽減できるだろう。
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結論をまとめると 宿泊施設(ホテル・旅館)の「空調設備」の節電・電気代削減方法は以下の8つ ①館内の空調の設定を見直す |
意識すべきポイントを押さえたところで、ここから具体的な宿泊施設の節電・電気代削減方法を解説していく。まずは、宿泊施設の電力消費量が最も多い「空調設備」について説明する。
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1つ目の宿泊施設の節電・電気代削減方法は、館内の空調の設定温度を見直すことだ。冷房は設定温度を1℃上げると約13%、暖房は1℃下げると約10%節電できる可能性がある。
特に電力使用量の割合が大きい客室は、冷房26℃・暖房20度を目安に冷暖房の温度を設定すると節電に効果的だ。ただし、快適な室温は人によって異なるため、お客さまがリモコンで設定温度を微調整できるようにしておくといいだろう。
2つ目は、場所ごとに空調の強弱をつけることだ。宿泊施設(ホテル・旅館)の空調を稼働させる時間や強弱設定を場所ごとに調整すると、10〜15%の空調の節電効果が期待できる。
例えば、客室はお客さまのチェックイン前は弱設定にしておく。また、ロビー・レストランはピーク時は中(通常)設定で、お客さまが少ない時間帯は弱設定にするといいだろう。
宿泊施設(ホテル・旅館)の節電・電気代削減方法の3つ目は、「使わない部屋は空調をつけない」ことだ。空室の客室の空調をオフするだけで、一般的に施設全体の約6〜10%の節電効果が期待できる。
空調をオフした部屋は、チェックインの30〜60分前に空調を稼働させる設定にしておくと、快適な室温でお客さまに入室してもらえるだろう。
次に、扇風機やサーキュレーターを活用することもおすすめだ。宿泊施設(ホテル・旅館)でサーキュレーターを使用すれば空調効率を高められ、年に施設全体で約2〜3%の節電・電気代節約効果が期待できる。
使用する際には、サーキュレーターをエアコンの対角線上から斜め上へ向けて設置すると、滞留している暖かい空気や冷たい空気が循環しやすくなる。
空調のフィルターをこまめに掃除することも宿泊施設(ホテル・旅館)の節電対策として有効だ。これにより、施設全体で約1.5〜3%の節電効果が見込める。
空調のフィルターが目詰まりを起こすと、冷風・暖風の出が悪くなり空調効率が下がってしまう。そのため、客室やロビー、宴会場など空調負荷の大きな場所を優先して、月1回を目安にフィルター掃除をするといいだろう。
ブラインドや遮光カーテンで日光を遮ると、宿泊施設(ホテル・旅館)の冷房に対し節電効果が期待できる。なぜなら、窓からの日差しによって室温が上がり、冷房効率が低下するからだ。一方、ブラインドや遮光カーテンを利用すれば、冷房電力の約3〜8%が節電できる。
ただし、客室ではお客さまが入室時に暗く感じないよう10cmほどカーテンを開けておくなど、節電対策と並行した顧客満足度のための工夫も必要だ。
空調制御サービスの導入も節電に効果的だ。空調制御サービスで空調を最適化することにより、空調電力の8〜18%の節電につながる。
例えば、客室の在室・空室を感知して自動で空調をオンオフし、混雑状況や外気温など様々な要因に合わせて空調設定を最適化することが可能だ。サービス導入にはコストがかかるが、1〜3年で回収できる可能性が高い。
古い設備を使っている場合、新しい空調設備への更新を検討するのもいいだろう。
最新の空調設備は省エネ性能に優れ、2010年ごろの設備と比べ消費電力が約20〜50%も減っている。そのため10年以上使っている空調設備を買い換えれば、大幅な節電・電気代削減が期待できる。
空調設備の更新には当然コストがかかるが、一般的には3〜5年で回収が可能だ。空調の故障リスクも低減できるため、古い空調設備を更新する価値は大いにあるだろう。
結論をまとめると 宿泊施設(ホテル・旅館)の「照明器具」の節電・電気代削減方法は以下の8つ ①照明をLEDにする |
ここまで、宿泊施設(ホテル・旅館)の「空調設備」の節電・電気代削減方法を説明してきた。次に、宿泊施設の消費電力が2番目に多い「照明器具」の節電方法について解説していく。
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まずは、照明をLEDにすることだ。LED照明は蛍光灯や白熱電球と比べ、約50〜80%も消費電力が少ない。そのため、宿泊施設(ホテル・旅館)の全館をLED照明に切り替えることで、年に約5〜10%の節電・電気代削減が期待できる。
また、LEDは蛍光灯・白熱電球と比べ4〜20倍も長寿命で、電球の買い替えコストも削減できる。LED照明への切り替えにはコストがかかるが、1.5〜2年ほどで回収できるだろう。
次に、照明をこまめにオンオフすることだ。これにより、照明の約15〜30%の節電効果が期待できる。
当然ながら、使用していない場所の照明を点けていれば無駄な電力が発生する。トイレや自販機前など共有部分は、使用頻度の減る深夜帯には消灯するようにするといいだろう。また、宴会場や催事場は、イベントが終了したら消灯し、片付けは作業灯のみにすると節電につながる。
次の宿泊施設(ホテル・旅館)の節電・電気代削減方法が、「照明の間引き」だ。これにより、照明の電力を約15〜30%削減できる。
客室廊下や共用通路は5割、宴会場やレストランの仕込み・清掃時は7割ほど照明を間引きしても問題ない場合が多い。ただし、暗くなりすぎないよう、客室は250lx(ルクス)、廊下は80lx、宴会場などの仕込み時は300lxを明るさの目安にするといいだろう。なお、照度の計測には照度計を持っておくと便利だ。簡易的なものであれば、5,000円以下で購入できる。
照明の間引きだけではなく、照度を調整することでも宿泊施設(ホテル・旅館)の節電・電気代削減になる。照度を下げれば約15〜30%の節電効果が見込める。
照明の間引きと同様、照度を調整する際には明るさの基準を明文化しておくと、快適な明るさに調整しやすい。
また、同じ照度でも白い光と比べてオレンジ色の光は体感照度が高く感じられる。そのため、照度を下げる際には色温度も意識するといいだろう。
次におすすめの宿泊施設(ホテル・旅館)の節電・電気代削減方法は、人感センサーやタイマーの導入だ。これにより、照明の約18〜22%を節電することが可能である。
人感センサー・タイマーがあれば、人がいない時間帯の照明を自動で減光・消灯できる。廊下やエレベーターホールなどは不在10分で減光、バックヤードなどのお客さまが訪れない場所は不在1分で消灯といったように、エリアごとに設定を調整するといいだろう。
自然光を取り入れることも、宿泊施設(ホテル・旅館)の節電・電気代削減につながる。これにより、照明の約15〜20%の節電効果が期待できるのだ。
南向きの廊下やロビー、客室清掃時の客室は、カーテンやブラインドを開けることで日中の照明を減らせる。
ただし、日差しにより室温が上がりやすくなる点には注意が必要だ。気温が高い日のみカーテンを閉めて空調効率を優先するなど、状況に合わせて判断するといいだろう。
宿泊部門が占める電力消費量は多い。そのため、空室時の客室は基本的に照明をつけないようにすることで、宿泊施設(ホテル・旅館)の節電・電気代削減につながる。具体的には、照明の約3〜5%を節電できるだろう。
例えば、キーカードと連動し客室を消灯するシステムを導入すると、照明の切り忘れが防げる。さらに、予約が少ない日にはフロアごと消灯すると節電に効果的だ。
定期的に照明器具を清掃することも、宿泊施設(ホテル・旅館)の節電・電気代削減には重要だ。なぜなら、照明器具を1年清掃しないと、約20〜30%も照度が失われてしまうからだ。照度を維持するために照明を増やせば、当然、電気代が高くなってしまう。
照明器具は月に1回を目安に清掃することで、明るい状態を保てる。これにより、ほぼコストをかけずに8〜12%の節電効果が期待できるのだ。
結論をまとめると 宿泊施設(ホテル・旅館)の「調理機器」の節電・電気代削減方法は以下の5つ ①冷凍・冷蔵庫の中を詰め込みすぎない |
ここまで「空調」「照明」の節電・電気代削減方法を解説してきた。
宿泊施設(ホテル・旅館)では、「空調」「照明」に次いで「調理機器」の消費電力も大きい。そこで、ここからは「調理器具」の節電対策について説明していく。
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1つ目が、冷凍・冷蔵庫の中を詰め込みすぎないことである。これは、冷凍・冷蔵庫の詰め込みすぎは、冷気の循環を妨げ冷却効率を下げるからだ。
宿泊施設(ホテル・旅館)の冷凍・冷蔵庫の中を7割に抑えることで、5〜15%の節電・電気代削減につながる。7割部分にテープなどでラインを引いておくと、詰め込みすぎの防止に効果的だろう。
2つ目の調理機器の節電・電気代削減の方法は、冷凍・冷蔵庫の温度調整だ。設定温度を1℃上げるだけで、冷蔵庫は約3〜5%、冷凍庫は約2〜3%の節電効果が期待できる。
ただし、温度調整は食品の品質に影響がないことが前提だ。冷蔵庫は0〜5℃、冷凍庫は-18℃以下を目安に、食品ごとに適温に設定するといいだろう。
3つ目の調理機器の節電・電気代削減方法は、使わない調理機器をコンセントから抜くことだ。
宿泊施設(ホテル・旅館)にある調理機器は、電源を切っていても待機電力を消費している。例えば、液晶付きの電子レンジは待機電力が大きく、待機電力が約2〜4割を占めている。使わないときに調理器具をコンセントから抜くだけで、これらの待機電力を節電できるのだ。
調理機器により待機電力の割合は異なるが、先ほど例に挙げた電子レンジは不使用時にコンセントから抜くと1台あたり年に500〜1,000円の電気代の削減になるだろう。
設備のドアの開閉回数を減らすことも、節電・電気代削減に効果的だ。
開閉回数を減らせば、冷蔵・冷凍庫やオーブンの庫内の温度が変化するのを防げる。そのため、温度維持に必要な消費電力を減らし、節電ができるのだ。例えば開閉頻度を5割にすれば、冷凍庫は約10〜20%、オーブンは約7〜10%の節電につながる。
紹介してきた節電対策に加えて取り組みたいのが、調理機器や冷凍・冷蔵庫の定期的な掃除だ。なぜなら、汚れによる機器の性能の低下を防ぐからだ。
例えば、冷凍・冷蔵庫に霜や埃がつくと、冷却効率が悪くなり余計な電力を消費する。また、オーブンは壁面に付着した油によって赤外線が吸収されて食材を熱する力が弱まる。
掃除をするだけで、10〜35%もの節電効果が期待できる。冷凍・冷蔵庫は3ヶ月ごと、オーブンは週に1回を目安に掃除をするといいだろう。また、冷凍庫には自動霜取り設定を取り入れるのがおすすめだ。
結論をまとめると 宿泊施設(ホテル・旅館)の「その他」の節電・電気代削減方法は以下の7つ ①お客さまにも節電のお願いをする |
ここまで、宿泊施設(ホテル・旅館)で電力消費量の占める割合の高い「空調」「照明」「調理機器」の節電・電気代削減方法を解説してきた。これらの設備の他にも節電に効果的な対策はある。
ここからは、その他に宿泊施設でできる節電・電気代削減の方法を説明していく。
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まず、客室が占める電力消費量は多いため、お客さまにも節電のお願いをすると効果的だ。
例えばあるホテルでは、1時間以上の外出時に空調をオフすることを呼びかけている。また、外出時の消灯の呼びかけも重要だ。さらに、連泊のお客さまへタオル・リネンの再利用をお願いすれば、洗濯や乾燥で発生する電力の節電になる。
このようにお客さまに協力してもらうことで、年に約15%の節電・電気代削減ができる可能性が高い。掲示物での呼びかけに加え、お客さまのチェックイン時にスタッフから「節電にご協力お願いいたします」と直接ご案内するといいだろう。
宿泊施設(ホテル・旅館)は、厨房の他に各客室にも冷蔵庫がある。この冷蔵庫の電源をこまめにオフすることで節電・電気代削減になるのだ。
例えば、空室時のみに電源をオフするだけでも、年間で約18〜22%の節電になる。また、お客さまにも協力してもらい必要なときだけ客室の冷蔵庫の電源を入れるように伝えると、約60%もの節電効果が期待できる。100室規模の宿泊施設では、約30〜40万円の電気代削減につながるだろう。
次に、使わない設備をコンセントから抜くことで節電・電気代削減ができる。宿泊施設(ホテル・旅館)の待機電力は、10%ほどだと予想される。使わない設備をコンセントから抜けば、待機電力を約8割減らし、施設全体で約8%の節電効果が期待できるのだ。
例えば、共有部の自販機やバックオフィスのOA機器は使用時間を区切り、客室のテレビなども空室時にはコンセントから抜いておくといいだろう。
まずは、施設内で常に通電している設備を棚卸しし、コンセントを抜いてもいいものをリスト化することがおすすめだ。
宿泊施設(ホテル・旅館)はトイレの設置数が多いため、温水洗浄便座の温水・便座の温度を下げると節電・電気代削減に効果的だ。具体的には、温度を1℃下げるだけで約18%の節電になる。
夏は便座のヒーターをオフにし、冬場は使用時以外は便座のフタを閉めて保温すると、さらに節電効果が高まるだろう。これらを組み合わせれば、温水洗浄便座1台あたり30〜40%の節電も可能だ。
エレベーターやエスカレーターを一部停止することも、宿泊施設(ホテル・旅館)の節電・電気代削減におすすめだ。
例えば、エレベーターは稼働中の使用電力よりも待機電力が大きい。深夜帯に1基停止させるだけでも、約30〜35%の節電になる。また、エスカレーターの利用が少ない時間帯は低速で稼働し、人感センサーで通常速度になるよう設定すると約30%の節電効果が期待できるのだ。
エスカレーターへの速度調整機能や人感センサーは簡単な工事で追加可能なため、導入を検討してもいいだろう。
自動販売機の温度設定を見直すのもいいだろう。例えば、冷却温度を3℃から5℃に上げれば、約10%の節電になるのだ。さらに、保温温度を標準値の55℃から50℃に下げれば、約14%節電できる。
宿泊施設(ホテル・旅館)では、ロビーや宿泊フロアなどに複数台の自動販売機が置かれていることが多いはずだ。仮に自動販売機が5台だとすれば、すべての冷却温度を2℃上げるだけでも、年に3万円以上の電気代削減につながる。
最後に、大幅な節電・電気代削減をしたい場合は、太陽光発電設備の導入がおすすめだ。実際に太陽光発電設備を導入している旅館では、年間の電力消費の約6〜7%を太陽光発電でまかなえている事例もある。
太陽光発電設備は屋根や壁面、駐車場などに設置できるが、地形や日射量のデータをもとに影が発生しないよう設計することで、発電の効率を高められる。そのため、施工してもらう事業者選びにはこだわろう。
なお、しろくま電力は、店舗の屋根や駐車場に設置するソーラーカーポートなど、国内の太陽光発電設備の施工を多く担当してきた。2025年にはホームセンター国内最大級となる、348台分のソーラーカーポートを、ジョイフル本田千葉ニュータウン店に設置している。
太陽光発電設備を検討している場合には、ぜひ「しろくま電力」にお気軽にご相談いただきたい。
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結論をまとめると
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ここまで、宿泊施設(ホテル・旅館)の節電・電気代削減方法を紹介してきた。節電を行う目的は、やはり、「高騰している電気代を安くしたいから」だという法人も多いだろう。
電気代を大幅に安くするには、節電以外にも効果的な方法がある。それは、電気料金の単価を安くすることだ。
電気料金の単価は、電力会社やプランによって異なる。そのため、今より単価の安い電力会社やプランに切り替えれば、使用する電気の量は同じでも、電気代を下げることができる。節電と違い、電力会社の切り替えをするだけなので手間も少ない。
電力会社の法人向け電力プランには、以下のようにさまざまな種類がある。
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など、法人によって選ぶべき電力プランは異なるのである。このようなプランの中から宿泊施設の特性に合ったものを選べば、電気代を抑えながらコストの管理も簡単になるのだ。
「大手の電力会社の方が安心だ」と考えている方もいるかもしれない。しかし、新電力の中にも安心して利用できる企業はたくさんある。大手電力会社から新電力に切り替えたとしても、電気の質や停電リスクは変わらない。それどころか、電気代は安くなる可能性が高い。
まだ電力会社の見直しを検討したことがない法人は、一度、新電力に見積もりを取ってみていただきたい。どれくらい電気代が安くなるのかを確認した上で、切り替えを検討してみるといいだろう。
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しろくま電力では、高圧・特別高圧の電力を使用する法人向けに電力プランを提供している。
しろくま電力の強みは「電気代の安さ」と「業界トップクラスのプラン数」だ。
上図は2024年度の、しろくま電力の宿泊施設の電気代削減事例だ。2023年には45%(1,5億円)の電気代を削減した宿泊施設もあるなど、これまでに数多くのホテルや旅館の電気代削減に貢献してきた。
しろくま電力は電気代が大手電力より安いのはもちろん、「電気代をとにかく安くしたいから市場連動型プラン」「価格の安定性も重視したいから燃調リンクプラン」など、ニーズに合わせて電力プランを選ぶことができる。プランをカスタマイズし、御社だけの電力プランを作ることも可能だ。
しろくま電力は、宿泊施設(ホテル・旅館)をはじめ、24時間電気を使用することが多い医療施設でも導入いただき、電気代の削減を実現している。以下はしろくま電力を導入する主な企業・自治体である。
多くの法人から、低価格であることが好評で、契約更新率は92%を超えた。
また、しろくま電力の電気は全てCO2を一切排出しない実質再生可能エネルギーだ。電気を切り替えるだけで御社のCO2削減量を減らすことができる。
見積もりは「複数のプランの電気代の提示」や「現在の契約先との電気代・CO2削減量の比較」にも対応している。「どれがいいかわからない」法人にはこちらからプランを提案することも可能だ。
見積もりだけでなく「プランについて説明してほしい」「なぜ安いのか、本当に倒産しないか知りたい」といった面談も行っている。切り替えを検討中でなくとも、気軽にお問い合わせいただきたい。
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