中国電力は、2023年4月より法人向けの電気代を、2023年6月より一般家庭向けの電気代を値上げしている。
そこでこの記事では、中国電力の低圧(一般家庭向け)と高圧・特別高圧(法人向け)の電気代値上げ・料金改定についての最新情報を掲載。そして今回、法人向けに新設される市場価格調整単価の概要や、電気代を安くする方法を解説する。
※この記事は法人向けと個人向けの2部構成となっています。法人(高圧・特別高圧)の方はこのまま、一般家庭など個人(低圧)の方はこちらからお読みください。
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目次 ・2023年4月より、中国電力の法人向け電気代は大幅に値上がりしている |
2022年10月28日、中国電力は高圧・特別高圧向けの電気代の値上げを発表した。中国電力グループでは2021年度から赤字が続いており、2022年度の経常利益はマイナス1,860億円となる見込みだ。これは過去最大の赤字である。
そこで2023年4月以降、中国電力は「基本料金」「電力量料金」「燃料費調整額」の3点を値上げしている。それぞれについて、詳しく解説していく。
まずは基本料金の値上げについて説明する。中国電力が提供する電気料金プランの内訳は以下である。
上記プランは一般的な料金体系だ。大手電力会社だけでなく、新電力もほとんどがこの一般的な料金プランを提供している。このプランは基本的に電気の単価が24時間同じで、使った分に応じて電気代が請求される仕組みだ(中国電力では、時間ごとに単価が異なるTOU(Time of Use、時間帯別料金)の電気プランも提供している)。
2023年4月以降、基本料金は以下のように値上がりする。
中国電力では、高圧電力のメニューが業務用、高圧A・B(または業務用TOU、高圧TOU A・B)、特別高圧のメニューが特別高圧A・B(または特別高圧TOU A・B)に分かれている。
だが基本料金については、メニューの種類ではなく、契約電力が高圧か特別高圧かで変わる。特に高圧は1kWあたり264円も値上がりするため、注意が必要だ。
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次に値上げするのが、電力量料金だ。電力量料金は使用した電力量に応じて決定するが、2023年4月以降は下図のように値段が上がる。プランや時期、時間ごとに値上げ幅が異なるため、注意が必要だ。
※夏季とは7月1日~9月30日をさし、ピーク時間は夏季の13〜16時である。昼間時間は8〜22時で、夜間時間は23〜7時をさす。
また、2023年4月以降、全国で託送料金(送電線の使用料)の見直しが行われる。正式な単価は経済産業省の認可後に決定するが、現時点では上記の電力量料金に加えて、高圧なら0.82円/kWh、特別高圧の場合は0.26円/kWhがさらに加算される予定だ。
3つ目が燃料費調整額の値上げだ。燃料費調整額とは燃料費の月々の変動分を電気料金に反映したものである。これまでは「燃料費調整単価×電気使用量」で算出していたが、2023年4月以降は下図のように変更されている。
燃料費調整額の変更点は3つある。「燃料費調整単価の燃料構成比の更新」と「市場価格調整額の新設」「離島ユニバーサルサービス調整額の区分」だ。それぞれ詳しく解説していく。
燃料費調整単価は以下の数式で求められる。
燃料費調整単価=(「平均燃料価格」ー「基準燃料価格」)÷1000(×基準単価)
平均燃料価格とは、過去3ヶ月分の燃料費の平均価格をさす。基準燃料価格は、各電力会社が定めた燃料費の見込み価格だ。もし平均燃料価格が原油換算で1klあたり1,000円変動した場合、電力会社が定めた基準単価も含めて単価を計算する。
もし燃料費調整単価がプラスになった場合は、「実際の燃料価格の方が高い」ということで調整単価も上がる。つまり電気代が高くなる。一方でマイナスの場合は「燃料価格が安い」として調整単価はマイナスになり、電気代が安くなるのだ。
この変更によって、基準燃料価格が26,000円/klから75,400円/klに増加することとなった。また基準単価が高圧は0.234円から0.205円に、特別高圧が0.227円から0.2円に下げられる。
基準燃料価格がプラスとなると悪いことのように思えるが、実際はそうではない。平均燃料価格が上がっている今、燃料費調整単価を安くするには基準燃料価格も上がる必要があるのだ。
2022年12月における中国電力の燃料費調整額は、大手電力会社の中では沖縄電力についで2番目に高かった(高圧は13.71円/kWh、特高は13.3円/kWh。一番安い九州電力は高圧が7.36円/kWh、特高は7.24円/kWh)。今も平均燃料価格が上がっていることから、基準燃料価格も引き上げられたということだ。
今後、燃料費調整単価は多少下がることが期待される。しかし「市場価格調整額の新設」によって料金が上乗せされるため、燃料費調整額の価格は大きく値上がりすることになる。
市場価格調整額は、今回新たに追加される項目だ。中国電力は自社で発電する以外に、JEPX(卸電力市場)から電気を仕入れてきた。JEPXが扱う電気の市場価格(電気の仕入れ値)は30分ごとに変動する。今回の変更では、その変動分も電気代に反映される。
JEPXの平均価格が基準価格(中国電力が算出した金額)よりも高い場合は月々の電気料金に上乗せされ、低い場合は差し引かれる。計算方法は以下だ。
市場価格調整額 = 市場価格調整単価 × 電気使用量
市場価格調整単価 =(平均市場価格-基準市場価格)× 調整係数
平均市場価格とは、算定期間における卸電力市場(中国エリア)の平均価格だ。基準市場価格は、今回の改定では22年6月~22年8月の市場価格をもとに決定されたもので、20.81円/kWhである。
卸市場率とは、平均市場価格の変動を市場価格調整単価へ反映させる割合に、託送損失率と消費税率を反映したものだ。高圧が16.2%、特別高圧が15.8%である。
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ここまで述べた①②の合計により、高圧・特別高圧の法人は16〜17%ほど月々の負担が増えると考えられる。
この変更については、今回は電気代の負担が増えることはない。だが今後値上げする可能性はゼロではないため、説明する。
離島に電気を供給するためには、小規模のディーゼル発電機などを使用するため、どうしても発電コストが高くなってしまう。そこで2016年4月に導入されたのが「離島ユニバーサルサービス調整制度」である。この制度の導入により、離島に電気を供給する際に発生するコストを、本土・離島に関係なく全ての需要家が負担することとなった。
これまで、離島ユニバーサルサービス調整額は燃料費調整単価の中に組み込まれていた。今回の変更では、この離島ユニバーサルサービス調整額が区分して明記されることとなる。この変更で燃料費調整単価がすぐに上がることはないが、内訳が変更されるため把握しておこう。
今回、中国電力が値上げに踏み切った主な原因は燃料費の高騰だ。燃料費の推移については「【法人向け】電気代が高いのはなぜ?電気料金を安くする方法を解説」で解説しているが、燃料費は2020年以降値上がりが続いている。
2022年には「ロシア・ウクライナ問題」と「急激な円安」によって過去最高値を記録。この2年間で、石油と天然ガスが約5倍、石炭は約8倍に値上がりしている。特に中国電力は石炭火力の割合が高く、燃料代高騰の影響は他社と比べても大きいのだ。
そしてロシア・ウクライナ問題も、円安についての問題も解決の見通しがついていない。2024年現在、燃料費はピークを超えたものの、それでも高止まりが続いている。
「【2024年最新】電気代は今後も高騰する!企業がしたい値上げ対策とは?」で今後の燃料費の推移を解説しているが、しばらくはこの状態が続く見込みだ。そのため、電気代が今後も値上がりする可能性は十分に考えられる。
実際に、東北電力は2022年11月に電気代を値上げしたが、2023年4月より再値上げを決定している。同様の動きが他社でもみられる可能性があるのだ。
2022年9月1日より、最終保障供給の電気代が見直されている。これまでの電気代は「各エリアの大手電力会社標準プランの1.2倍」だった。
しかし現在は最低料金を「最終保障供給料金(各エリアの大手電力会社標準プランの1.2倍)」とし、JEPXの市場価格がそれを上回った場合には、補正項(追加料金)がプラスされる仕組みとなっている(下図参照)。
中国電力が値上げを実施するということは、最低料金が底上げされるということだ。2022年9月1日以降、最終保障供給は30%近く値上げしており、2023年4月以降はさらに高騰するのである。
電気料金プランには、通常のプランに加えて「市場連動型プラン」がある。このプランの内訳は以下だ。
市場連動型プランはJEPXの市場価格に経費を上乗せしたものが電力量料金、つまり電気代の単価になる仕組みだ。市場価格には燃料費が含まれるため、このプランには燃料費調整額がない。
冒頭で説明した一般的な料金プランは、いつ使用しても電気料金が同じだ。電気料金を安くしたい場合、節電して電気の使用量を減らすか、電気代が下がるのを待つしかない。
一方で市場連動型プランは、市場価格の変動に合わせて電力量料金の単価が30分ごとに変わる仕組みだ。市場価格が下がっても一般的なプランの電気料金は変動しないが、市場型連動プランは変動するのである。
市場価格は0.01円/kWになることもあるため、市場連動型プランは条件が揃えば電気料金を大幅に削減できる。昨今は特に太陽光発電でできた電気が市場に増えていて、それらは発電に燃料を使わないため市場価格を安くしている。以下のように、市場価格が0.01円/kWhとなる時間数は年々増えているのだ。
上図は弊社電力事業部の担当者が計測した、市場価格が0.01円/kWhとなった時間数の推移だ。全国的に再生可能エネルギーが増加したことで、最安値をつける時間が増えている。特に2023年の九州エリアでは、年間1,174時間、年間の総時間数(8,760時間)の約13%が0.01円/kWhとなった。
市場連動型プランでは、昼間の電気代が安くなる傾向にあるため、日中に稼働が多い工場やオフィスなどでは、電気代を下げられる可能性が高いのだ。以下は市場価格が0.01円/kWhをつけた際の、2つのプランの価格イメージ図だ。
「電気代を安くしたい」「電力会社との契約で悩みたくない」法人は、市場連動型プランを提供する電力会社との契約を検討するのも手だろう。一度、見積もりをとって比較することをおすすめする。
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しろくま電力では、高圧・特別高圧の法人向けに「しろくま市場連動型プラン」を提供している。ある導入企業では電気代を年間約45%(約1.5億円)も削減するなど、多くのお客様の電気代削減に貢献してきた。
しろくま電力の市場連動型プランはただ電気代が安いだけではない。
翌日の市場価格を毎日午前中にメールで共有し、市場価格が安い時間に稼働を増やしたり、逆に市場価格が高い場合は従業員に在宅勤務を促したりできるよう、電気代の節約を徹底してサポートする。電気代に関する個別での相談サービスも利用可能だ。
また、しろくま電力の電気はCO2を一切排出しない。非化石証書つきの電気を供給するため、電気を切り替えるだけで脱炭素でき、御社のカーボンニュートラルの実現もサポートする。
以下のように、しろくま電力は多くの企業・自治体にご利用いただいている(PPAも含む)。
以下は、実際にしろくま電力の市場連動型プランを導入した企業様の声だ。
お見積もりについては、他の電力会社や最終保障供給を契約した場合の電気代との比較もできる(比較を希望した法人のみ)。年間のお見積もりだけでなく、毎月の電気代を算出するため月ごとの料金比較も可能だ。以下は、レポートとお見積書の例である。
お見積もりは「しろくま電力の市場連動型プランページ」または下記バナーからすぐに完了できる。市場連動型プランに切り替えると電気代がどうなるのか、他社と比較して安くなるのかを試算したい方はぜひお申し込みを。お急ぎの見積もり依頼にも対応できる。契約上のご相談や不明点などにも対応可能だ。
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また、しろくま電力では「市場連動型プランはどうしても不安だ」という法人に向けて「固定単価型プラン」も提供している。このプランは大手と違って「3〜6ヶ月前の燃料費の平均価格」でなく「前月の市場価格」を1kWhあたりの単価に落とし込むため、不透明な値上げリスクがない。
さらに、以下の2点により電気代が大手電力会社よりも「最大25%安くなる」可能性がある。
①基本料金と電力量料金が大手電力会社より安い
②燃料費調整額でなく、電源調達調整費を電気代に組み込んでいる
①について、しろくま電力では電気代の基本料金と電力量料金を大手電力会社よりも低くなるように設定した。そのため月々の電気代を安く抑えることができる。
②については、大手電力や新電力が電気代に燃料費調整額(化石燃料費の変動分だけ)を組み込む一方、しろくまプランでは電源調達調整費を含んでいる。電源調達調整費は、先述したJEPXの市場価格を1kWhあたりの単価に落とし込んだものだ。
燃料費調整額は化石燃料だけを価格に反映するため、燃料費が高騰すると燃料費調整額も上がってしまう。2020~2022年にかけて電気代が高騰したが、この原因は燃料費調整額だった。しかし市場価格は前述したように燃料費以外も参考にされるため、電気代の高騰リスクを軽減できる(当然、電源調達調整費が高騰するリスクもある)。
このように内訳を変更することで、大手電力よりも最大25%安くすることが可能となった。ちなみに市場連動型プランと固定単価型の価格の違いは以下である。
・市場連動型プランは電力量料金が市場価格を元に決まる ・固定単価型プランは従来の電力プランと同じく電力量料金は一定。 ・市場価格は賢く電気を使えば電気代が大幅に安くなる。しかし市場価格高騰時はリスクもある ・固定単価型プランは市場連動型よりも市場価格の影響を受けづらい。安心して電気代を下げたい。 |
「市場連動型だと不安だ」「安心して安い電気代を使いたい」という企業様は、ぜひ下記からお見積もりを。
前半部分では、法人の電気代値上げに関する解説を行ってきました。
後半部分では、一般家庭の方を対象に中国電力の電気代値上げに関する情報を解説していきます。
※この記事は法人向けと個人向けの2部構成となっています。一般家庭など個人(低圧)の方はこのまま、法人(高圧・特別高圧)の方はこちらをお読みください。
2023年5月19日、経済産業省は中国電力の電気料金の値上げを認可しました。経済産業省によると、中国電力は2023年6月1日より家庭用の電気料金(規制料金)を、平均26.11%値上げしています。
中国電力の試算では、標準的な家庭(月間300kWh使用)の場合、電気料金は7,082円から8,997円と約27.04%ほど値上がりする見込みです。
中国電力の電気代の内訳は上図のようになっています。このうち、値上げするのは「基本料金」「電力量料金」「燃料費調整額」の3つです。中でも、電気の使用量に応じて価格が決まる電力量料金は、以下のように値上がりしています。
電力量料金 |
旧単価 | 新単価 | 値上げ幅 |
最初の15kWhまで | 589.91円 | 712.67円 | +122.76円 |
15kWhをこえ120kWhまで | 24.65円/kWh | 32.83円/kWh | +8.18円/kWh |
120kWhをこえ300kWhまで | 31.33円/kWh | 39.51円/kWh | +8.18円/kWh |
300kWh超過分 | 33.45円/kWh | 41.63円/kWh | +8.18円/kWh |
2023年6月以降、電力量料金だけを見ても1kWhあたり8.18円も電気代は上がっているのです。基本料金も含めるとさらに割高になっていることがわかります。政府による電気代の補助金は2024年4月まで延長されることになりましたが、補助金額は3.5円/kWhのため、補助金があったとしても電気代は上がっていることがわかります。
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それでは、なぜ中国電力は電気代を大幅に値上げしているのでしょうか?
その答えは、中国電力の決算にあります。中国電力グループでは2021年度から赤字が続いており、2022年度の純利益はマイナス1,553億円となりました。これは中国電力にとっては過去最大の赤字です。
では、なぜ中国電力は大赤字となったのでしょうか?
この1番の原因が、化石燃料(石炭や石油、天然ガス)の価格が高騰したからです。中国電力は火力発電でほとんどの電気を作っていて、その際に使用する燃料はほぼ全てを輸入に頼っています。
今回、ロシア・ウクライナ問題による国際的な燃料供給不足や、円安の進行によって燃料費が大幅に高騰。電気をつくるコストが売上を大きく上回る状況が続いたことで、大幅な赤字となりました。その赤字分を補填するために、大幅な値上げが行われているのです。
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ここまで、中国電力が値上げをした理由は「燃料費高騰によって収益が悪化したから」ということを説明しました。
この化石燃料費ですが、2023年に入って下がりつつあります。そのため、電気代が下がることを期待したいのですが、実はそうなるどころか、また電気代が上がる可能性があります。
なぜ電気代が今後も上がる可能性があるのか。それは、燃料費高騰の主な原因であるロシア・ウクライナ問題が解決する見通しがついていないからです。下記の関連記事にて、今後の燃料費の推移を解説していますが、燃料費は2020年以前の価格に戻るとは考えにくいといえます。
さらに中国電力は、中部電力や九州電力、関西電力と組んでカルテルを結ぶなど、独占禁止法を違反しました。これによって課徴金707億円を支払う必要があるため、ますます中国電力の財政状況が厳しくなると考えられます。
そのため、今後も中国電力が電気代を値上げする、という可能性は大いにあり得るのです。実際に、東北電力は2022年11月に法人向けの電気代を値上げしましたが、2023年4月にもう一度値上げを実施しています。
中国エリアでもそういった事態になるリスクがある、ということを把握しておきましょう。
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ここまで中国電力では今後も電気代が上がる可能性があることを解説しました。それでは最後に、電気代を安くする方法を5つ紹介します。
1つ目の方法が、契約アンペア数の見直しです。アンペア制を設けている電力会社の場合、契約容量を見直せば基本料金が下がり、電気代を安くできます。
基本料金とは電気の使用量に関係なく、毎月定額で発生する料金のことです。電気代は基本的に、以下のように4つの要素から成り立っています。この取り組みでは、そのうちの一つである「基本料金」が安くできるのです。
例えば東京電力で考えると、40Aから30Aにすれば月々の電気代が296.24円、20Aにすれば590.48円も安くなります。
ただし、契約アンペア数を低く設定しすぎると、ブレーカーが落ちやすくなってしまいます。変更後は1年間数字が変更できない電力会社も多いため、この点には注意しておきましょう。
上図は家電ごとの一般的なアンペア数です。同時に使用することの多い家電のアンペア数を把握した上で、最低限余裕のあるアンペア数へと変更することをおすすめします。例えば一番家電を使う際の合計アンペアが26Aの場合、30Aで契約すると停電の心配をせずに済みます。
関連記事:電気代の基本料金とは?仕組みと種類、電気料金を安くする方法をわかりやすく解説
電気代を下げる2つ目の方法が、支払い方法の変更です。電力会社によっては、口座振替に変更することで電気代が年間数百円ほど安くなる場合があります。
ただし、電力会社によってはクレジットカードでしか支払えないケースもあるので注意しましょう。またポイント還元率によっては、クレジットカード支払いの方が節約につながる場合もあるため、どちらの方がお得なのか、まずは計算してみるといいでしょう。
3つ目が節電の徹底です。使用電力の多い家電の使い方を見直し、消費電力量を減らせば、それだけ電気代を安くすることができるのです。
ここからは、各家電の節電方法と、それによって得られる節電効果について説明していきます。
使用電力の約14.7%と、電気代に占める割合が最も多いのがエアコンです。エアコンは温度調整を行うタイミングで多くの電気を消費するため、以下の取り組みによって電気代を節約できます。
・夏の場合、冷房を1度あげる⇨約13%の節電
・冬の場合、暖房を1度下げる⇨約10%の節電
環境省によると、エアコンの適温は夏が28度、冬が20度です。またオンオフにするタイミングでも多くの電気を消費するため、こまめにオンオフせず、常につけっぱなしにしたほうが逆に節電になるケースもあります。
またフィルターが汚れていると余分な電気を使用するため、こまめに洗うことをおすすめします。ダイキンの調査では、3年分のホコリが溜まったフィルターを洗って使用した場合、消費電力量を約5割削減できたことが明らかになりました。月に一度掃除すれば、無駄な電気の消費を防ぐことができるのです。
関連記事:エアコンの電気代はいくら?1時間ごとの計算方法や節約術をわかりやすく解説!つけっぱなしの方が安い?
関連記事:暖房の設定温度は何度が理想?冬に電気代を節約しつつ快適に過ごすコツとは?エアコンの電気代節約術をわかりやすく解説
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24時間365日稼働する冷蔵庫。経済産業省の調査では、家の電気代の約14.2%を占めることがわかっています。白物家電メーカーの団体であるJEMA(日本電機工業会)によると、冷蔵庫は以下の方法で節電すれば、電気代を大幅に安くできることが可能です。
・冷蔵庫の開閉回数を減らす⇨約12%の節電
・冷蔵庫の開閉時間を減らす⇨約5%の節電
・冷蔵庫を壁から少し離す⇨約5%の節電
冷蔵庫を壁から離せば、冷蔵庫内の食品などから奪った熱を放出しやすくなり、その分のエネルギーを節約できるのです。また「冷蔵庫内に食品を詰め込みすぎない(7割程度にする)」「直射日光の当たらない場所に設置する」などの取り組みをすれば、さらに効率よく電気を使用できるようになります。
また料理を冷やす際は、温かいまま入れると冷蔵庫内の温度が上がってしまいます。最低でも「ぬるい」レベルまで冷ましてから入れるようにしましょう。
関連記事:冷蔵庫の電気代はいくらくらい?9つの節約方法もあわせて解説!
生活する上で欠かすことができない照明機器。家庭の電気料金の約13.5%を占めていますが、この照明機器も節電によって大幅に電気代を安くできます。
・蛍光灯や白熱電球からLEDに変える⇨約80%の節電
・こまめに電源をオフにする⇨約5%の節電
電気をつけっぱなしにしない、こまめに電気をオフにするのも大切ですが、それよりも照明をLEDに変える方が効果的です。LEDは寿命も長いため、電球代の節約にもなります。
家庭における電力消費量の約10%を占めるテレビ。つけっぱなしや「ながら見」をやめるだけで、約2%の節電効果が期待できます。画面を少し暗くするだけでも節電効果が見込めますよ。
旅行や帰省、出張などで長期間自宅を留守にする場合は、テレビの主電源をオフにする、またはコンセントを抜けばその分だけ電力使用量を減らすことが可能です。しかし主電源を切ると、予約録画できないケースもあるので注意しましょう。
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家電の中でも特に消費電力が大きい洗濯機、洗濯乾燥機。例えばPanasonic社が販売しているドラム式洗濯乾燥機の場合、毎日使用すると電気代が2,370円になることがわかっています。
洗濯機・洗濯乾燥機を毎日使用する場合、すすぎを2回から1回に減らすことで約17.5%も節電でき、年間で約5,000円も電気代を安くすることが可能です。さらに、フィルターをこまめに掃除することで効率よく運転できるようになります。
関連記事:洗濯機の電気代と水道代は1回いくら?6つの節約術も徹底解説!
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電気代を下げる4つ目の方法が家電の買い替えです。環境省によると、電化製品は年々省エネ性能が上がっていることがわかっています。
例えば、2019年製の冷蔵庫は、2009年のものと比較すると年間消費電力量を約40〜47%もカットすることが可能です。エアコンはこの10年間で約17%も節電でき、テレビは約42%も節電できることがわかっています。
また、家電の買い替えはコストが発生しますが、東京都世田谷区や愛知県一宮市など自治体によっては省エネ家電の買替に活用できる補助金制度を実施しているケースもあります。
環境省の比較サイトでは、実際に家電を買い替えた場合にどれだけ電気代を安くできるのか、製品ごとに調べることができるため、買い替えを検討中の方はぜひご活用ください。
3つ目の方法が電力会社の切り替えです。節電・省エネ家電の買い替えでも電気代削減効果は十分に期待できます。しかし電気代を安くするために最も効果的なのは「電気代の単価自体を下げる」取り組みです。
そして単価を下げる方法が、電力会社の切り替えです。ニュースなどでよく取り上げられていますが、2023年6月より、大手電力会社は大幅な電気料金の値上げに踏み切っています。
上図は各大手電力会社の値上げ幅です。特に北陸電力は値上げ幅が大きく、プラン内容によっては44〜46%近く値上がりする可能性があります。
「大手電力会社=安心」というイメージがあるかもしれませんが、その神話は崩れつつあります。先述したように北陸地方は地域別で見ると電気代が最も高いため、特に注意が必要です。
一方、新電力(2016年以降に新規参入した電力会社)によっては、格安の電気プランを提供しているケースがあります。電気代が上がる現在でも、安くできる可能性はあるため、特に大手電力会社と契約中の方は、電力会社の切り替えを検討してみてはいかがでしょうか。
電力会社を選ぶ際に重視すべきポイントや、切り替える上での注意点については下記記事で詳しく解説しています。
関連記事:【図解】新電力とは?仕組みやメリット・デメリットをわかりやすく解説!
関連記事:【2024年】電力会社の選び方とは?会社選びの注意点と電気代を安くする方法をわかりやすく解説!
ここまで電気代を下げる方法を解説し、最も効果的な方法は「電力会社を切り替えて電気代の単価を下げること」だと説明しました。
そこで電気代を安くしたい方におすすめなのが、しろくま電力が家庭・小規模法人向けに提供する「しろくまプラン」です。しろくまプランの主なメリットとして以下の2点があります。
①電気料金が大手電力会社の値上げ後より最大3割も安い
②還付金制度があるので、電気料金の急上昇を防げる
それぞれのメリットについて説明していきます。
1点目が、大手電力会社の値上げ後より、電気料金が最大で3割も安くなる点です。しろくまプランは、電気料金の業界最安値を実現すべく、単価を安く設定しています。
上図は4人世帯の場合の、大手電力との電気料金を比較した図です(契約アンペア数が40A、月間電力使用量が450kWhの場合)。
先述したように、大手電力会社は2023年6月より電気料金を大幅に値上げしました。
一方、「しろくまプラン」の電気料金は大手電力の値上げ前よりも安く、便乗値上げも実施しないため、場合によっては約3割も電気代を安くできるのです。
しかし「電気代が大幅に安くなる」と言われても、信じられない方も多いのではないでしょうか。なぜ「しろくまプラン」は大手電力よりも安いのか?その理由は電気料金の内訳にあります。
上図は双方のプランを比較した図です。まずしろくまプランは大手よりも基本料金と電力量料金を安く設定しています(再エネ賦課金の単価は国が定めるため、全ての電力会社で同じです)。
また東京電力の燃料費調整額としろくま電力の電源調達調整費を比較してみましょう。
2023年5月度における東京電力の燃料費調整額が5.13円(政府の7円/kWhの補助金を除いた場合)なのに対し、しろくま電力の電源調達調整費は、政府の補助金を含んでいない状態で1.95円です。
このように大手電力会社よりもお手頃な料金設定にしているため、しろくまプランにすれば電気代を安くできるのです。
2つ目のメリットが、電気料金高騰時に還付金を適用するため、電気料金の急上昇を防げる点です。
電源調整調達費は、燃料費ではなく、JEPXの市場価格をもとに決まります。市場価格が平均よりも高いと電源調整調達費はプラスになりますが、平均より安いとマイナスになることもあります。
通常、プラスの場合は電力会社は電気料金にプラス分を上乗せし、マイナスの場合はマイナス分を値下げして請求するのが一般的です。しかしそうすると、電気料金の上下の幅が大きくなってしまいます。
そこでしろくまプランでは、電源調整調達費がマイナスの場合、上図の①のようにマイナス分を「料金高騰準備金」として蓄えます。
そして③のように市場価格が高騰した際、①で貯めたお金を還付金として充てることで、電気料金の急激な上昇を防ぎます。これによって、電気料金の激しい浮き沈みを抑えることができ、しろくまプランなら、年間を通して電気料金を安く抑えられるのです。
またしろくまプランの電気は、発電の際にCO2を出さない「実質再生可能エネルギー(※)」です。ただ安いだけでなく、電気を切り替えるだけで環境改善にも貢献できます。
「電気料金を安くしたい」「電気料金値上げの通知がきた」など、ご家庭・小規模法人で電気料金にお悩みの方は、「しろくまプランお申し込みページ」または以下のバナーよりお申し込みください。
またしろくま電力では、電気料金の高騰に悩む法人(高圧・特別高圧)に向けて、昼間の電気使用量が多いほどお得になる電力プランを提供しています。気になる方は、ぜひ「市場連動型しろくまプラン」をご覧ください。
※実質再生可能エネルギーとは、電気に環境価値証書(CO2を出さないという証明書)を組み合わせたもののこと。