【図解】電力自由化とは?仕組みやメリット・デメリットをわかりやすく解説
※この記事は2025年4月23日に最新の情報に更新されました。
2000年から2016年にかけて実施された電力自由化。これによって法人・個人ともに、大手電力会社以外の電力会社とも契約できるようになった。
この記事では「電力自由化」の仕組みや目的、メリット・デメリットをわかりやすく解説。新電力と契約するうえで重視すべきポイントを説明する。
この記事でわかること ・電力自由化とは?なぜ実施されたのか? ・電力自由化で私たちにはどういうメリットがあるのか? ・電力自由化でどうすれば電気代を安くできるのか? |
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電力自由化とは?わかりやすく解説!
結論をまとめると ・電力自由化とは、2000年から2016年にかけて実施された、電気事業の自由参入を促すもの。 ・電力自由化によって、私たちは電力会社を自由に選べるようになった。 |
電力自由化とは、大手電力会社が独占していた電気事業に対し、他の企業も参入できるように実施された法改正や制度改革のことである。
電気事業には「発電部門(電気をつくる)」「送配電部門(電気を運ぶ)」「小売部門(電気を売る)」の3部門があり、これまでは東京なら東京電力、近畿なら関西電力と、各地域の大手電力会社10社が3つの事業を独占していた。これは、インフラが整っていない戦後に電気を安定供給する必要があったからだ。
しかし徐々に日本のインフラシステムが構築されたこと、大手電力会社が事業を独占することで様々な弊害が生じたことから、2000年から2016年にかけて電力自由化が実施されている。これにより「発電部門」と「小売部門」については他の業種の企業も参入できるようになった(送電部門は自由化されていない)。
特に小売の自由化により、新電力と呼ばれる民間企業が続々と新規参入。以前は各地域の大手電力会社としか契約できなかったが、私たちは個人法人を問わず、電力会社や料金メニューを自由に選択できるようになった。
電力自由化の歴史
2000年から2016年にかけて電力自由化が実施されたと説明したが、16年もの年月をかけて電力業界の仕組みはどう変わったのだろうか? まずは電力小売部門の自由化から解説していく。
電力の小売自由化の歴史
電力小売部門の自由化は2000年〜2016年にかけて段階的に行われている。最初に自由化が実施されたのは2000年で、これによって特別高圧(契約電力が2,000kW以上)の法人が電力会社を自由に選べるようになった。
次に2004年に高圧大口の法人(契約電力が500kW〜2,000kW)、2005年4月に高圧小口の法人(契約電力が50kW〜500kW)も電力自由化が実施された。
そして2016年に一般家庭や小型店舗といった低圧電力(契約電力が50kW未満)も自由化が行われ、これで電力小売の全面自由化となった。これを機に「電力自由化」や「新電力」という言葉が世間に広がっていくこととなる。
発電部門と送配電部門の電力自由化
次に発電部門、送配電部門の自由化について説明する。
発電部門は1995年の電気事業法改正により、大手電力会社以外の発電事業者も参入できるようになった。この新規参入した発電事業者を「独立系発電事業者(IPP)」という。
送配電部門は自由化ではなく、2020年に「発送電分離」が行われている。発送電分離とは、大手電力会社の送配電部門を別会社として独立させることだ。電気を使うには送電線が欠かせないが、大手電力会社が抱えたままでは公平性に欠けてしまう。そこで中立的な送配電網の運営を行うために、発送電分離が行われた。
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電力自由化の目的とは?
ここまで電力自由化の概要と歴史を解説してきた。大手電力が電気事業を独占することでさまざまな弊害が生じたと述べたが、では、電力自由化は何を目的として実施されたのだろうか? ここからは電力自由化の目的を3つ解説する。
結論をまとめると 電力自由化の目的は以下の3つ。 ①電力をつねに安定供給するため |
①電力をつねに安定供給するため
1つ目の目的が電力の安定供給を確保するためだ。もともと日本では、大手電力会社がそれぞれの地域を独占しており、他地域への電力供給は行わない仕組みになっていた。
しかし2011年の東日本大震災で原子力発電所や火力発電所が被災し、関東・東北エリアで大規模な停電が発生したことを受けて「エリアを超えた電力供給の実現」が叫ばれることに。そこで電力広域的運営推進機関が設立され、エリアを超えた電力供給が円滑にできるようになった。
②電気代をできるだけ安くするため
2つ目が、電気代を最大限に安くするためだ。
電力自由化が行われるまで、大手電力会社の電気代は経済産業省の認可のもと決められていた。独占によって競争原理が働かないことから、電気代が下がる可能性が低かったのだ。
しかし電力自由化により、多くの企業が「大手よりも電気代が安い」ことを売りに電力小売事業に参入した。「価格競争を起こすことで電気代をできるだけ安くしよう」という狙いもあるのだ。
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③電気を使う人の選択肢を増やすため
3つ目の目的が、電力需要家の選択肢を増やすためだ。前述したように、これまでは大手電力会社の電気プランしか契約できなかった。しかし新電力の登場により、安価な料金プラン以外にも、ガスと電気のセットプランやCO2を排出しない電気など、新しい付加価値を提供する電力会社が続々と現れた。
またこれに対抗するために大手電力も、これに対抗すべく様々な電力プランの提供を開始している。電気小売ビジネスを活性化させ、選択肢を増やす。これも小売自由化の目的なのだ。
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電力自由化で、どんな新電力と契約できるようになった?
ここまで電力自由化の目的を解説してきた。新電力には電気代削減や選択肢の増加が期待されているが、それでは新電力は現在何社ほどあり、どういった企業が運営しているのだろうか?
(経済産業省が発表した資料などをもとに弊社が作成)
上図は新電力の企業数の推移だ。2022年に燃料費が高騰した関係で電気代が上がり、倒産や事業撤退などで企業数がわずかに減っているものの、2025年現在も700社を超える新電力が存在する。
新電力を営む企業の業種は、ガス会社や石油会社、太陽光発電を扱う企業、通信会社や住宅メーカーまで多種多様だ。自治体やスポーツチームが電力事業を行うケースもある。「ガスと電気のセットプラン」「WiFiと電気のセットプラン」など、親会社の特色を活かしたプランもあるため、気になる方は調べてみるといいだろう。
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電力自由化のメリットとは?
ここからは、電力自由化による需要家(法人や家庭などの電気を使う人)のメリットを5つ解説していく。
結論をまとめると 電力自由化のメリットは以下の5つ。 ①電気代が安くなる可能性がある |
①電気代が安くなる可能性がある
電力自由化の最大のメリットは、電気代が安くなる可能性がある点だ。これまでは政府が電気代を決めていたため、電気代が下がることはなかった。しかし今は多くの新電力が大手電力会社よりも安い料金プランを販売している。
新電力は電気代が安くなる可能性が高いこともあってシェアを伸ばしており、2024年9月時点では電力供給量のうち20.45%を新電力が占めている。
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②さまざまな電力プランを自由に選べる
2つ目のメリットが、個人法人それぞれのニーズに合った電力プランを選択できる点だ。太陽光発電や風力発電などCO2を排出しない再生可能エネルギーを届ける電力プランや、地方自治体が発電した電力プラン、基本料金が0円のプランなど、様々な電力プランが販売されている。
「脱炭素(カーボンニュートラル)に取り組みたい」「地元地域に貢献したい」など、自社の価値観に合った電気プランを選べるようになったのだ。
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③スマートメーターの普及が進む
3つ目のメリットが、スマートメーターの普及が進む点だ。スマートメーターとは、電力使用量をデジタルで計測できる通信機能が搭載された電力メーターのことである。
通常のアナログ式では通信機能がないため、作業員が毎月使用状況を手作業で確認するなど手間がかかった。しかし現在ではオンライン上で電気使用量を把握できるようになっている。スマートメーターの普及により、節電に取り組めるのはもちろん、作業員の人件費を省けることから電気代が下がる可能性もあるのだ。
④ポイントを貯めて生活費がおトクになる
これは個人向けのメリットだが、新電力の中には電気代に応じてポイントが貯まるプランなどを提供しているケースがある。こうした電力会社を選ぶことで、生活費をよりお得にすることが可能だ。
しかしポイント還元を謳っている電力会社の中には、そもそも電気代が高いパターンがある。ポイントだけで判断せず、ちゃんと電力会社の単価を比較した上で契約することをおすすめする。
⑤契約を一本化でき、支払いや管理がラクになる
これは主に法人のメリットだが、電力自由化によって契約を一本化でき、支払いや管理の手間を省けるようになっている。これまで、全国に拠点がある法人は各エリアの大手電力会社と契約し、地域ごとの支払い・管理が必要だった。
しかし新電力の中には、全国に電気を供給しているケースがある。そういった新電力と契約すれば、電気契約を一本化でき、事務・経理の負担を軽減できるのだ。
電力自由化のデメリット・注意点とは?
ここまで電力自由化のメリットを解説してきた。次に、電力自由化による失敗やトラブルを防ぐためにもデメリット・注意点を3つ紹介する。
結論をまとめると 電力自由化のデメリットは以下の3つ。 ①電気代が確実に安くなるとは限らない |
①電気代が確実に安くなるとは限らない
電力自由化の1つ目のデメリットが、電気代が確実に安くなるとは言い切れない点だ。新電力は「大手電力よりも電気代が安い」ことを売りにしているが、新電力のプランによっては当然、電気料金が割高になるものがある。
さらに昨今は燃料費高騰により、電気代自体が値上がりしている。そのため新電力に乗り換える場合、見積もりをとるか、単価をちゃんと比較した上で慎重に見極めるべきだ。
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②違約金が発生する場合がある
2つ目のデメリットが、新電力の中には「契約期間」「解約時の違約金」を設けているケースがあることだ。プランによっては契約期間中に解約する場合、違約金を請求される場合がある。
一般家庭の違約金は大体2,000〜10,000円程度だ。しかし、法人の場合は契約電力が大きく、1〜3ヶ月分の電気代を違約金として請求するケースもある。契約前に違約金の有無を確認するようにしよう。
③新電力が倒産・値上げするリスクがある
3つ目のデメリットが、新電力が経営難に陥り、倒産や事業撤退、大幅値上げするリスクがあることだ。実際に2020年以降は燃料費が高騰し、多くの新電力が苦戦している。
帝国データバンクの調査によると、2022年に電気代が過去最高値となった際、195社の新電力が倒産・事業撤退したことが明らかになった。これは当時の新電力の約27.6%にあたる。倒産しないとしても、燃料費高騰で発生した赤字分を補填しようと、電気代を大幅値上げするケースもあるため要注意だ。
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法人の電力会社の切り替え方法とは
ここまで電力自由化によるメリットとデメリットを紹介してきた。一番のメリットは電気代が安くなる可能性がある点だが、電力会社はどのような流れで切り替えるのだろうか? まずは法人の電力会社の切り替え方法を紹介する。
法人の電力会社の切り替え方法は以下の4ステップだ。
①電力会社に見積もりを依頼 ②見積もりの確認・電力会社の決定 ③申込書の提出・契約締結 ④電気の供給開始 |
法人の場合、申込書を出してから短くて1ヶ月、長くて2ヶ月ほどで新しい電力会社からの電力供給が始まる。見積もりなども含めると家庭向けよりも時間がかかるため、ある程度時間に余裕を持って切り替えることをおすすめする。
また見積もりの際、「自社の契約電力数」や「月々の電気使用量の回答」が必要となるケースが多いため、検針表や電力会社から届いた請求書を用意しておくといいだろう。
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個人・家庭の電力プランの切り替え方法とは
次に個人・家庭の電力プランの切り替え方法を解説する。家庭向けの電力切り替えの流れは以下の4ステップだ。
①現在の電力会社との契約内容を確認する ②電力会社を選び、電気代を比較する ③電力会社の乗り換えに必要な情報を用意する ④電力会社に契約を申し込む |
家庭向け電力プランは法人と違って見積もり依頼がないため、すぐに電力会社を切り替えることができる。電気が供給されるのは次の検針日から、というケースが多いが、即日切り替えに対応する企業もある。
また切り替えにあたって「契約名義」「お客様番号」「供給地点特定番号」が必要だ。これらは検針表やWebのマイページで確認できるが、契約中の電力会社に電話で教えてもらうこともできる。すぐわからない、マイページにログインできない、という方は電話するといいだろう。
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契約中の電力会社に解約の届け出は必要?
家庭向け電力プランを切り替える場合、契約中の電力会社に対する解約手続きや連絡は原則として必要ない。切り替えるにあたり、そうした連携は新しい電力会社が行ってくれる。
しかし引っ越しの場合や、単に電力会社を解約する場合、解約手続きは自分でする必要が生じるため注意しておこう。
切り替えにあたって初期費用は発生する?
電力会社を切り替えるにあたり、初期費用が発生することはほとんどない。電力会社によっては事務手数料などを請求する場合があるが、これはかなり稀なケースだ。
場合によってはスマートメーターへの交換工事が必要となるが、これも無料で行われる。切り替えにあたって基本的に私たちが費用を負担することはない点を理解しておこう。
すぐに新しい電気を使うことはできる?
前述したが、基本的に電力会社は申し込んでから切り替えまでに時間がかかる。大体が次回の検針日からの切り替えとなるため、申込後から1週間〜1ヶ月ほどはかかると考えておこう。
引っ越し先の電気契約を忘れていたなど、急ぎで契約したい場合、即日開通が可能な企業もあるが、電気代が高いケースもあるため、余裕を持って電気代を比較した上で乗り換えることをおすすめする。
新電力には簡単に切り替えられる?ケース別に解説
ここまで、法人個人それぞれの新電力への切り替え手順を解説してきた。どのケースも手軽に電力会社の切り替えができるが、「個人だと持ち家か一軒家じゃないと切り替えは無理なのでは?」「法人は自社所有のオフィスしか切り替えられないのでは?」という疑問をお持ちの方も多いのではないだろうか?
実はこの認識は間違いで、マンションやアパート、オフィスが自社所有でなくても新電力と契約できる場合がある。ここからは4つのケースごとに新電力に切り替えられるケース、切り替えられないケースを解説していく。
結論をまとめると ・マンションやアパート、オフィスが建物単位で電力会社と契約していない場合、基本的に新電力に切り替えることができる。地方やオール電化住宅も乗り換えが可能。 |
マンション・アパートの場合
まず、マンションやアパートは新電力との契約が可能だ。分譲マンションだけでなく、賃貸の物件であったとしても、入居者名義で電力会社と契約している場合は自由に電力会社を変えることができる。
しかし分譲や賃貸に関係なく、そのマンションやアパートの電力契約を建物全体で結んでいる場合、個別に電力会社を変えることはできない。電気代を安くしたい、環境にやさしい電気を使いたい場合は管理組合や管理会社に相談する必要がある。
地方在住の場合
地方に住んでいる場合でも新電力への切り替えは可能だ。電力自由化により、自分が使いたい電力会社を自由に選んで契約できるようになっている。
ただし、新電力によっては対象エリアが限られていたり、離島などには電気を供給していない場合があるため要注意だ。契約したい新電力がある場合、自宅または会社に電気が供給できるのかを確認するといいだろう。
オール電化住宅の場合
オール電化住宅でも新電力への切り替えは可能だ。新電力の中には「夜間の電気代が安いプラン」や「昼間の電気代が安いプラン」「蓄電池の充電を無料でできるプラン」など、幅広い電力プランを提供している電力会社がいる。
大手のオール電化よりも24時間を通して単価が安いプランは存在するため、電気代を安くしたい場合は探してみるといいだろう。その場合、オール電化住宅でもそのプランに契約できるかを新電力に確認することをおすすめする。
法人・事業者の場合
新電力は法人でも契約が可能だ。低圧もしくは高圧・特別高圧などの契約電力に関係なく、新電力に乗り換えることができる。
ただし賃貸のオフィスビルに入っていて、そのビルが一括契約を結んでいる場合などは電力会社を切り替えられない。法人名義で電力会社と直接契約している場合は切り替え可能なため、ここを確認することをオススメする。
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電力自由化にあたってよくある質問とは?
ここまでケース別に電力会社を乗り換えられるかどうかを解説し、アパートやマンション、賃貸のオフィスビルでも乗り換えられる場合があることがわかった。次に、電力自由化にあたってよくある質問を紹介する。
結論をまとめると ・新電力が倒産しても電力供給が止まることはない。 ・新電力の「電気の質」「停電リスク」は大手電力と同じ。 |
①契約中の新電力が倒産したら電気の供給は止まる?
まず1つ目が、新電力が倒産・事業撤退した場合、電気が止まるかどうかについてだ。もし新電力が倒産しても、個人法人ともに電気が止まることはないため安心していただきたい。
法人の場合、電力会社が倒産すると最終保障供給に切り替わる。最終保障供給とは、倒産した電力会社の代わりに、一般送配電事業者が電気を供給する制度だ。ただし最終保障供給の電気料金は割高なため、早いうちに別の電力会社を探す必要がある。
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②新電力は大手電力より電気の質が悪い?
2つ目の質問が、新電力が提供する電気は大手電力より質が悪いのではないか、というものだ。確かに「大手電力=安心」というイメージがどうしてもあるが、そもそも電気には質という概念がない。
そのため、新電力に乗り換えてもなんの心配もなく電気を使えるため安心していただきたい。
③新電力は大手電力と違ってすぐに停電する?
3つ目の質問が、新電力は大手より停電の回数が増えるのではないか、というものだ。電気の質はどの電力会社も同じ、ということを述べたが、実は停電リスクも新電力と大手電力は同じである。
これは新電力も大手電力も同じ送配電ネットワークを使って電力を供給しているからだ。そのため、新電力に切り替えたから停電が増える、ということはない。
④「電力自由化センター」から電話が来た。どういう組織なの?
消費者庁や多くの自治体が注意喚起しているが「電力自由化センター」という組織は存在しない。住所や電話番号など個人情報を聞かれることがあるため、回答せず電話を切ろう。
電話を受け取り、もし不安に感じたら、近隣の消費生活センターなどに相談しよう。消費者庁では消費者ホットラインを設けている(電話番号は局番なしで「188」)。
⑤電力自由化で新電力に切り替えたい。電力会社選びのポイントはある?
電力会社を切り替えたい場合、法人や家庭に関係なく、以下のポイントに注意することをオススメする。
・その新電力の電気代は安いのか? ・その新電力の母体企業は安心できるところなのか? ・その電力プランはCO2を出さないものか? ・その新電力の対象エリアは自宅や会社をカバーできているか?(法人は複数地点と一括契約できるかも確認しよう) ・契約期間と違約金はあるのか?満足できない場合にすぐ解約できるか? ・支払い方法は口座振替やクレジットカードなど、選択肢があるか? ・キャンペーンをやっているのか? ・ガスセット割やインターネット割など、セット割が適用できるか? |
詳しいポイントについては、下記記事を参考にしていただきたい。
関連記事:【法人向け】電力会社・電気料金プランの選び方とは?注意点と電気代を安くする方法を解説!
関連記事:【家庭向け】電力会社・電気料金プランの選び方とは?注意点と電気代を安くする方法を解説
特に法人は、これからはニーズに合った電力プランを選ぶことが重要
ここまで電力自由化と、それによって誕生した新電力の切り替え方法、選び方を解説してきた。
どうしても「大手電力=安心」というイメージがあったり、現状から電力プランを見直すのは怖い、と感じるかもしれない。しかし、新電力ならニーズに合った電力プランを提供している場合があり、そのプランを選ぶことができれば、電気代をさらに削減することができるのである。
特に法人の場合、電気代が上がると負担もかなり重くなるだろう。こういった点からも、これからは自社に合った電力プランを選び、コストパフォーマンスをさらに高める必要がある。
それでは、自社に合った電力プランとはなにか? 例をあげると以下のようになる。
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このように、法人によって選ぶべき電力プランは異なるのである。
現在、大手電力あるいは新電力が提供する「法人向け電力プラン」を契約中の法人が多いのではないだろうか。実はこのプラン、法人によって多少単価に違いがあるものの、基本的にはどの法人に対しても電気代の仕組みは同じである。
しかし会社によって電力需要のニーズは異なるだろう。そこで、自社のニーズに合った電力プランを選ぶことで、電気代のコストパフォーマンスを高めることができるのだ。
電力会社によっては「プランを会社ごとにカスタマイズできる」「適切な電力プランを提案してくれる」会社もあるため、電力会社選びが面倒な場合は、こうした法人から見積もりをとるのも一つの手だろう。
<業界トップクラスのプラン数!電気代を45%削減した例も>
御社に最適なプランで電気代・CO2を削減しよう
しろくま電力では、高圧・特別高圧の電力を使用する法人向けに電力プランを提供している。
しろくま電力の強みは「電気代の安さ」と「業界トップクラスのプラン数」だ。
電気代が大手電力より安いのはもちろん、「電気代をとにかく安くしたいから市場連動型プラン」「価格の安定性も重視したいから燃調リンクプラン」など、ニーズに合わせて電力プランを選ぶことができる。中には電気代を45%(1.5億円)削減したプランもある。プランをカスタマイズし、御社だけの電力プランを作ることも可能だ。
以下はしろくま電力を導入する主な企業・自治体である。
しろくま電力は、入札制(価格が安い場合に導入が決まる)を実施する数多くの自治体に対しても電力供給を行っている。多くの法人からも低価格であることが好評で、契約更新率は92%を超えた。
また、しろくま電力の電気は全てCO2を一切排出しない実質再生可能エネルギーだ。電気を切り替えるだけで御社のCO2削減量を減らすことができる。
見積もりは「複数のプランの電気代の提示」や「現在の契約先との電気代・CO2削減量の比較」にも対応している。「どれがいいかわからない」法人にはこちらからプランを提案することも可能だ。
見積もりだけでなく「プランについて説明してほしい」「なぜ安いのか、本当に倒産しないか知りたい」といった面談も行っている。切り替えを検討中でなくとも、気軽にお問い合わせいただきたい。
<大手電力会社よりも単価が安い>
しろくまプランなら大幅に家庭の電気代が下がる可能性がある
ここまで電気代を下げる方法を解説し、最も効果的な方法は「電力会社を切り替えて電気代の単価を下げること」だと説明した。
そこで電気代を安くしたい方におすすめなのが、しろくま電力が家庭・小規模法人向けに提供する「しろくまプラン」だ。しろくまプランの主なメリットとして以下の2点がある。
①電気料金が大手電力会社の値上げ後よりも安い
②還付金制度があるので、電気料金の急激な上昇を防げる
それぞれのメリットについて説明していく。
①電気料金が大手電力会社の値上げ後よりも安い
1点目が、大手電力会社の値上げ後より、電気料金が大幅に安くなる可能性がある点だ。しろくまプランは、電気料金の業界最安値を実現すべく、単価を安く設定している。
上図は4人世帯の場合の、大手電力との電気料金を比較した図だ(契約アンペア数が40A、月間電力使用量が450kWhの場合)。先述したように、大手電力会社は2023年6月より電気料金を大幅に値上げした。
一方、「しろくまプラン」の電気料金は大手電力の値上げ前よりも安く、便乗値上げも実施しないため、場合によっては約3割も電気代を安くできるのだ。しかし「電気代が大幅に安くなる」と言われても、信じられない方も多いのではないだろうか。なぜ「しろくまプラン」は大手電力よりも安いのか?その理由は電気料金の内訳にある。
上図は双方のプランを比較した図だ。まずしろくまプランは大手よりも基本料金と電力量料金を安く設定している(再エネ賦課金の単価は国が定めるため、全ての電力会社で同じ)。
また東京電力の燃料費調整額としろくま電力の電源調達調整費を比較してみると、2023年5月度における東京電力の燃料費調整額が5.13円(政府の7円/kWhの補助金を除いた場合)なのに対し、しろくま電力の電源調達調整費は、政府の補助金を含んでいない状態で1.95円である。
このように大手電力会社よりもお手頃な料金設定にしているため、しろくまプランにすれば電気代を安くできるのだ。
②還付金制度があるので、電気料金の急激な上昇を防げる
2つ目のメリットが、電気料金高騰時に還付金を適用するため、電気料金の急激な上昇を防げる点だ。電源調整調達費は、燃料費ではなく、JEPXの市場価格をもとに決まる。市場価格が平均よりも高いと電源調整調達費はプラスになるが、平均より安いとマイナスになることもある。
通常、プラスの場合は電力会社は電気料金にプラス分を上乗せし、マイナスの場合はマイナス分を値下げして請求するのが一般的だ。しかしそうすると、電気料金の上下の幅が大きくなってしまう。
そこでしろくまプランでは、電源調整調達費がマイナスの場合、上図の①のようにマイナス分を「料金高騰準備金」として蓄えている。
そして③のように市場価格が高騰した際、①で貯めたお金を還付金として充てることで、電気料金の急激な上昇を防ぐことができる。これによって、電気料金の激しい浮き沈みを抑えることができ、しろくまプランなら年間を通して電気料金を安く抑えられるのだ。
またしろくまプランの電気は、発電の際にCO2を出さない「実質再生可能エネルギー(※)」だ。ただ安いだけでなく、電気を切り替えるだけで環境改善にも貢献できる。
「電気料金を安くしたい」「電気料金値上げの通知がきた」など、ご家庭・小規模法人で電気料金にお悩みの方は、「しろくまプランお申し込みページ」または以下のバナーよりお申し込みを。
またしろくま電力では、電気料金の高騰に悩む法人(高圧・特別高圧)に向けて、昼間の電気使用量が多いほどお得になる電力プランを提供している。気になる方は、ぜひ「市場連動型しろくまプラン」をご覧いただきたい。
※実質再生可能エネルギーとは、電気に環境価値証書(CO2を出さないという証明書)を組み合わせたもののこと。
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