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【2026年最新】中国電力の法人向け電気料金値上げをわかりやすく解説!島根原発再稼働で値下げ?市場価格調整額とは?

【最新】中国電力の法人向け電気料金値上げをわかりやすく解説!島根原発再稼働で値下げ?市場価格調整額とは?

中国電力は2023年以降、高圧・特別高圧法人向けの電気代の料金単価や算定方法を見直してきた。筆者が試算したところ、法人の電気代はこの数年で約27.7%値上げしており、法人によってはそれ以上に上がっている可能性もあるため注意が必要だ。

2025年4月以降の法人向け電気代に関しては、中国電力は島根原発2号機の再稼働を受けて電力量料金を1kWhあたり0.30円引き下げたものの、同時に燃料費調整額・市場価格調整額の基準を引き下げている。これにより、一見、電気代が安くなったように思えるが、実際は市場価格の高騰が電気代を直撃しやすい仕組みに変わっているのだ。

そこでこの記事では、中国電力の値上げ・見直しの全体像と、今後取るべき電気代の高騰対策を解説していく。

関連記事:【法人向け・最新】電気代を値上げする電力会社一覧!企業がすべき電気料金の削減方法とは
関連記事:【最新】電気代の推移をわかりやすく解説!値上げする理由と法人ができる電気料金の削減方法も紹介

この記事を読んでわかること

・中国電力の法人向け電気代はどれくらい上がっているのか

・2025年4月の「0.30円値下げ」で電気代は本当に安くなったのか

・なぜ中国電力は電気代を見直しているのか

・今後も値上げは続くのか、法人ができる電気代高騰対策とは

 

 

試算では、2023年以降、中国電力の法人向け電気代は約27.7%値上げしている

中国電力は2023年~2026年までの数年間で、法人向け電気代を約27.7%値上げしている。値上げの主因は2023年4月の改定(試算では+24.3%)で、2025年4月には電力量料金が0.30円引き下げられたが、同時に基準価格の見直しにより、市場高騰が電気代に直撃しやすい仕組みに変更されている。

結論をまとめると

中国電力は2023年~2026年までの数年間で、法人向け電気代を約27.7%値上げしている。値上げの主因は2023年4月の改定(試算では+24.3%)で、2025年4月には電力量料金が0.30円引き下げられたが、同時に基準価格の見直しにより、市場高騰が電気代に直撃しやすい仕組みに変更されている。

冒頭でも説明したが、この数年のうちに、中国電力は法人向け電気代の料金単価や算定方法を繰り返し見直している。筆者が中国電力の発表した単価や条件をもとに電気代をシミュレーションしたところ、2023年の値上げ前と比べて、2026年現在の電気代は約27.7%上がっていることがわかった(下図参照)。

年度

値上げの概要

同一条件での
年間電気料金試算

値上げ額
(値上げ率)

2023年4月

・基本料金、電力量料金を大幅値上げ
・燃料費調整の諸元を刷新
・市場価格調整額を新設

約5,162万円
→約6,416万円

+1,254万円
(+24.3%)

2025年4月

・電力量料金を一律0.30円値下げ
・燃調、市場価格調整の基準を大幅に引き下げ

約6,416万円
→約6,590万円

+174万円
(+2.7%)

直近の増加額・
増加率

 

約5,162万円
→約6,590万円

+1,428万円
(+27.7%)

(※中国電力の「高圧電力B」(500kW以上・季節別)を対象に、契約電力1,000kW、年間使用電力量200万kWh(夏季7~9月)、力率100%で試算。原油72,187円/kl、LNG88,743円/t、石炭18,459円/t、市場価格20円/kWhを各制度に共通して適用し、基本料金・電力量料金・燃料費調整額・市場価格調整額を比較した。再エネ賦課金、政府支援、離島ユニバーサルサービス調整、割引は含んでいない。実際の請求実績ではなく、同一条件による料金制度の比較試算)


上図を見ると、特に2023年4月の値上げが大きく影響していることがわかる。

一方で注意したいのが2025年の行だ。2025年4月の「+2.7%」は、0.30円の値下げがあったにもかかわらず、市場価格が20円/kWhまで高騰した場合には旧制度より負担が増える、という試算結果を示している。値下げの行がプラスになる理由は、後ほど詳しく解説する。

関連記事:【2026年最新】電気代の推移をわかりやすく解説!値上げする理由と法人ができる電気料金の削減方法も紹介

 

 

中国電力の法人向け電気代の内訳を理解しておこう

中国電力の法人向け電気代の内訳

中国電力の電気代値上げについて解説する前に、まずは法人向け電気代の内訳を理解しておこう。中国電力の高圧・特別高圧の電気代は、以下の要素で構成されている。

電気料金 = 基本料金 +(電力量単価 ± 燃料費調整単価 + 市場価格調整単価 +再エネ賦課金)× 電力使用量

電気代は以下の数式で算出可能だ。

電気料金 = 基本料金 +(電力量単価 ± 燃料費調整単価 + 市場価格調整単価 +再エネ賦課金)× 電力使用量

それぞれの項目については、以下のようになっている。

項目

内容

基本料金

契約電力(kW)に応じて毎月定額で発生する料金。単価は基本的に固定

電力量料金

使用した電力量(kWh)に応じて発生する料金。単価は基本的に固定

燃料費調整額

燃料費などの変動分を毎月電気代に反映するもの。毎月変動する。燃料費調整額は「燃料費調整額」「離島ユニバーサルサービス調整額」の2つで構成される
(離島ユニバーサルサービス調整額とは、離島での発電に使う燃料費の変動分をエリア全体で負担するもの)

市場価格調整額

JEPXの市場価格(電気の仕入れ値)などの変動分を毎月電気代に反映するもの。

再エネ賦課金

再エネ買取費用を電気代に落とし込んだもの。単価は国が年度ごとに決定

ここで重要なのが、中国電力固有の「市場価格調整額」だ。

2023年4月より、従来の燃料費調整額に加えて市場価格調整額(JEPX=卸電力市場から電気を仕入れる際の価格変動分)が新設されている。これにより、燃料費と市場価格の両方が毎月の電気代に影響を及ぼしているのだ。このように単価でなく、内訳という観点からも電気代が上がりやすくなっていることを理解しておこう。

関連記事:電気代の計算方法は?内訳や電気料金を安くする方法をわかりやすく解説!

 

 

2025年より中国電力の電気代は市場高騰を直撃しやすい仕組みに変わっている

北陸電力は2026年4月、市場価格調整単価の算定方法を見直した。プラス調整が始まる基準値は32円/kWhから29円/kWhへ、マイナス調整が始まる基準値は8円/kWhから5円/kWhへ引き下げられている。これにより、市場価格が高い局面では従来より低い価格から電気代への上乗せが発生する一方、市場価格が安い局面では値引きが発生しにくくなった。

 

結論をまとめると

中国電力は2025年4月、高圧・特別高圧の電力量料金を一律0.30円/kWh値下げする一方、燃料費調整・市場価格調整の基準価格を大幅に引き下げた。市場価格の変動が電気代に跳ね返る割合(調整係数)は約1.6倍に拡大しており、市場価格が高い局面では旧制度より負担が大きくなる。

ここまで電気代の内訳を見てきた。ここからは、中国電力が電気代をどのように見直してきたのかを解説していく。まずは、2025年4月に実施された料金見直しの中身を見ていこう。

中国電力は2025年4月より以下の2点を変更している。

①固定単価(電力量料金)の見直し
②変動単価(燃料費調整額・市場価格調整額)の計算方法の見直し

一見、電気代が下がるように思えるが、実際はそうではなく、燃料費・市場価格が上がった場合に電気代が高騰しやすい仕組みになっているため注意が必要だ。

 

①電力量料金の一律0.30円値下げ(島根原発2号機再稼働の反映)

2025年4月1日より、中国電力は高圧・特別高圧の電力量料金を原則一律で1kWhあたり0.30円引き下げている。基本料金は据え置きだ。高圧電力B(500kW以上)の単価変更は以下のとおりである。

契約種別

区分

現行単価

見直し後単価

変動幅

高圧電力B

電力量料金・夏季

20.88円/kWh

20.58円/kWh

−0.30円/kWh

高圧電力B

電力量料金・その他季

19.58円/kWh

19.28円/kWh

−0.30円/kWh

(出典:中国電力「高圧および特別高圧の標準料金メニューの見直しについて」別紙をもとに弊社作成)


この値下げの原資は、2024年12月に再稼働した島根原子力発電所2号機だ。原子力の稼働により電源調達コストが下がった分を、電力量料金の引き下げとして反映している。

ただし「値下げ」と聞くと電気代が安くなっているように思えるが、実際はそうではない。この見直しでは、これまで燃料費等調整のマイナスとして毎月値引きされていた金額が、新しい単価の中に織り込まれただけだ。

 

②変動単価(燃料費調整額・市場価格調整額)の計算方法の見直し

それよりも注意すべきが、変動単価の計算方法の見直しだ。内訳で説明した「燃料費調整額」と「市場価格調整額」は、以下の計算式で算出できる。

●変動単価の計算式

燃料費調整単価 =(平均燃料価格 − 基準燃料価格)÷ 1,000 × 基準燃料単価
市場価格調整単価 =(平均市場価格 − 基準市場価格)× 調整係数

どちらの数式も、基準額をもとに「今月の燃料費・市場価格の平均価格は高いのか、それとも安いのか」を判断し、1kWhあたりの変動単価を算出している。平均価格が基準より高ければ1kWhの単価はプラスとなって電気代に上乗せされ、基準より安ければマイナス単価として電気代から割り引かれているのだ。

今回、中国電力は変動単価について以下の2点を変更している。

①基準燃料価格・基準市場価格の引き下げ
②市場価格調整の参照価格の変更と調整係数の拡大

これらにより、固定単価は多少下がったものの、実際は電気代が値上がりしやすい仕組みに変わっているのだ。ここからはその詳細を解説していく。

 

①基準燃料価格・基準市場価格の引き下げ

まず1点目が、プラス調整になるかどうかのハードルである「基準価格」の引き下げだ。2025年4月より、以下のように見直されている。

項目

変更前

変更後

基準燃料価格

75,400円/kl

41,900円/kl

基準市場価格

20.81円/kWh

9.45円/kWh

基準価格が下がるということは、ハードルが下がるため、同じ燃料価格・市場価格であったとしてもプラス調整に働きやすくなるのだ。筆者の計算によると、中国電力の高圧・特別高圧向けの電力量料金が安くなったが、この見直しにより、その値下げ分はほとんど消えてしまっているのだ。

 

②市場価格調整の参照価格の変更と調整係数の拡大

もう1つの変更が、市場価格調整の算定方法そのものの見直しである。

項目

変更前

変更後

参照する市場価格

回避可能原価
(FIT電気の調達価格相当)

中国エリアプライス
(JEPXの中国エリア価格)

調整係数(高圧)

0.162

0.265

調整係数(特別高圧)

0.158

0.259

時間帯の構成比(x/y)

0.1316/0.8684
(昼93%、夜7%)

0.4861/0.5139
(昼76%、夜24%)

(出典:中国電力「高圧および特別高圧の標準料金メニューの見直しについて」別紙をもとに弊社作成)

上図の変更をわかりやすく解説すると、以下のようになる。

・参照する市場価格が変わった:太陽光発電の電気を中心に価格を算出していたが、火力由来の電気も含まれるようになった。太陽光はコストが安いが火力は燃料費が高いので、実質的に値上がりする可能性が高い

・調整係数が上がった:調整係数は1kWhあたりの単価に落とし込むための数字。単純計算で1.6倍も上がっていることがわかる。これにより市場価格調整単価が上がりやすくなっている

・時間帯の構成費が変わった:昼間は太陽光発電の電気があるので安い。これまでは実際に93%が昼間の市場価格を参考にしていたが、2025年度からは76%に下がっている。

このように、参考にする市場価格や数式を見直しており、中国電力の市場価格調整額は値上がりしているのだ。特に注目すべきは調整係数で、高圧は0.162から0.265へと、約1.6倍に拡大されている。

筆者が試算したところ、新旧制度の年間負担が並ぶ分岐点は、平均市場価格が約11.5円~13円/kWhのラインである。これを下回る局面では新制度の方がわずかに安いが、上回ると旧制度より負担が大きくなる。仮に平均市場価格が20円/kWhまで高騰した場合、市場価格調整は旧制度なら▲0.13円だったところが新制度では+2.80円/kWhとなり、年間200万kWhの法人では約585万円の負担差が生じる計算だ。

ここで意外に思われるかもしれないが、この高騰リスクはすでに現実味を帯びている。2026年7月には、猛暑による需給ひっ迫でJEPXのスポット価格が急騰し、中国エリアを含む西日本では58.38円/kWhと直近1年の最高値をつけた。

市場価格調整は約2~4ヶ月前の平均市場価格をもとに算定されるため、この夏の高騰は2026年10月分以降の請求から順次反映されていく。今はまだ請求書に表れていなくても、これから高圧・特別高圧の法人の電気代は上がっていく可能性が高いのだ。

関連記事:市場価格調整単価とは?電気代がまた上がる?仕組みと対策をわかりやすく解説
関連記事:【図解】JEPXとは?取引の仕組みや市場価格の決まり方をわかりやすく解説!

 

2025年4月の中国電力の見直し情報をまとめると

ここまで解説した内容をまとめると、以下のようになる。

2025年4月の見直しのポイント

①電力量料金が1kWhあたり0.30円下がった

②しかし基準燃料価格・基準市場価格が大幅に引き下げられ、変動単価がプラス調整に働きやすくなった

③市場価格調整の係数が約1.6倍に拡大し、市場高騰時の電気代への直撃度が増した

→結果的に、単価はわずかに下がったが、変動単価が値上がりしているため、燃料費や市場価格が上がれば見直し前よりも値上がりする可能性が高い

何度も述べているが、電力量料金が下がったといっても、電気代が安くなったわけではない。むしろ市場高騰時に上がりやすい仕組みになっているため注意が必要だ。

 

 

2023年4月より中国電力は法人向け電気代を24.3%値上げした

中国電力は2023年4月、高圧・特別高圧の基本料金・電力量料金を大幅に引き上げ、燃料費調整額の算定方法も見直した。筆者の試算では24.3%の値上げであり、この数年間の値上げの主因である。

結論をまとめると

中国電力は2023年4月、高圧・特別高圧の基本料金・電力量料金を大幅に引き上げ、燃料費調整額の算定方法も見直した。筆者の試算では24.3%の値上げであり、この数年間の値上げの主因である。

ここまで2025年の見直しについて解説してきたが、ここ数年で最も電気代が上がった原因となったのが2023年4月の改定である。2021年度から赤字が続いていた中国電力は、2023年4月より高圧・特別高圧の電気料金を大幅に見直した。変更点は下記の3つだ。

①基本料金の値上げ
②電力量料金の値上げ
③燃料費等調整制度の見直し

それぞれについて解説していく。

 

①基本料金の値上げ

2023年4月1日より、中国電力は高圧・特別高圧の基本料金を値上げしている。高圧は1kWあたり264円、特別高圧は132円の値上げだ。

契約区分 基本料金
高圧 +264.0円/kW
特別高圧 +132.0円/kW

(出典:中国電力「電気料金の見直しについて」別紙をもとに弊社作成)


基本料金は契約電力(kW)に応じて毎月定額で発生するため、この値上げは電気の使用量にかかわらず、すべての高圧・特別高圧法人の負担を押し上げている。特に契約電力が大きいものの、電力使用量はそこまで大きくない法人(負荷率が低い法人)ほど、影響を強く受ける点に注意したい。

 

 

②電力量料金の値上げ

区分

電力量料金(夏季)

電力量料金(その他季)

高圧

+4.46円/kWh

+4.25円/kWh

特別高圧

+4.15円/kWh

+3.96円/kWh

(出典:同別紙をもとに弊社作成。夏季とは7月1日〜9月30日を指す。値上げ幅は現行料金〔2022年11月分燃料費調整単価を含む〕からの幅)


参考までに、冒頭の試算で用いた「高圧電力B」(500kW以上)の単価は、以下のように変更されている。

 

契約種別

区分

現行単価

見直し後単価

変動幅

高圧電力B

基本料金(1kWにつき)

1,732.50円

1,996.50円

+264.00円

高圧電力B

電力量料金・夏季

25.27円/kWh

29.73円/kWh

+4.46円/kWh

高圧電力B

電力量料金・その他季

24.18円/kWh

28.43円/kWh

+4.25円/kWh

(出典:中国電力「電気料金単価表(2023年4月1日実施)」をもとに弊社作成。現行の電力量料金単価には2022年11月分の燃料費調整単価を含む)


①と②の合計により、中国電力の公式モデル試算では、高圧・特別高圧の法人は約16~17%ほど月々の負担が増えるとされている
。なお、この公式試算は2022年11月分の燃料費調整単価を含んだ当時の料金との比較であり、平常時の価格で制度同士を比較した筆者の試算では24.3%となる(冒頭の概要テーブル参照)。

 

 

③燃料費等調整制度の見直し

2023年4月以降、中国電力では燃料費調整額の仕組みが変わる。これまでは燃料費調整単価に電力量をかけていたが、市場価格調整額が新設される。

3つ目の変更点が「燃料費等調整制度の見直し」である。2023年4月の見直しでは、変動単価について以下の3点が変更された。

③−1 燃料費調整単価の燃料構成比の更新
③−2 市場価格調整額の新設
③−3 離島ユニバーサルサービス調整額の区分

それぞれについて簡潔に解説していく。

 

③−1 燃料費調整単価の燃料構成比の更新

まず1点目が、燃料費調整の算定諸元の更新だ。2023年4月より、燃料費調整単価の計算に使う諸元が以下のように見直されている。

項目

変更前

変更後

基準燃料価格

26,000円/kl

75,400円/kl

基準燃料単価(高圧)

0.234円/kWh

0.205円/kWh

基準燃料単価(特別高圧)

0.227円/kWh

0.200円/kWh

燃料構成比(LNG:石炭:原油)

19%:66%:15%

14%:82%:4%


上図の変更をわかりやすく解説すると、以下のようになる。

・基準燃料価格の引き上げ:プラス調整になるハードルが上がるので燃料費調整額が安くなる

・基準燃料単価の引き下げ:燃料費調整額を1kWhあたりの単価に落とし込むための数字。多少は燃料費調整額が下がる効果が期待される

・燃料構成比の変更:石炭の価格が上がった場合、燃料費調整額が上がりやすくなる

こうしてみると「この見直しで燃料費調整額は安くなるのでは?」と感じる方もいるだろう。それは正解で、この見直しによって、中国電力の燃料費調整額は下がった可能性が非常に高いのだ。

それぞれについて補足すると、燃料構成比の更新は、石炭火力の比率が高い中国電力の実態に合わせた変更である。また、基準燃料価格の26,000円/klは2008年の水準であり、2022年の燃料高騰時には平均燃料価格が79,500円/klに達していたため、当時の実勢に合わせて基準が引き上げられた形だ(その後2025年4月に41,900円/klへ再度引き下げられているのは、前章で解説したとおりである)。

なお、2022年12月における中国電力の燃料費調整額は13.71円/kWhと、大手電力会社の中では沖縄電力についで2番目に高かった。当時この水準の燃料費調整が毎月の電気代に上乗せされていたのである(2026年現在の燃料費等調整はマイナス圏まで低下しており、たとえば2026年7月分は▲1.11円/kWhだ)。

このように多少見直されたことがわかるが、ここで安心してはいけない。そもそも固定単価が値上がりしている上に、中国電力はこの見直しに合わせ、電気代の内訳に「市場価格調整額」を新設しているからだ。

 

③−2 市場価格調整額の新設

もともと中国電力は自社で発電する以外に、JEPX(卸電力取引所)からも電気を仕入れていたが、その価格は電気代に反映されていなかった。

しかし2021年ごろより円安が進行し、その後ロシア・ウクライナ問題によって燃料費が急騰するなどして、市場に出回る電気の取引価格も高騰。中国電力の収益は大幅に悪化した。この事態を受けて、中国電力は市場価格調整額を新設している。

2025年にも実質的な値上げをして市場価格調整額は、2023年より追加されているのだ。

 

③−3 離島ユニバーサルサービス調整額の区分

最後の変更が、離島ユニバーサルサービス調整額の区分けだ。離島ユニバーサルサービス調整額とは、離島での発電に使う燃料費の変動分をエリア全体で負担しようというものである。

これはもともと燃料費調整額の中に含まれていたが、2023年の変更によって別勘定として区分けされ、離島ユニバーサルサービス調整額として別で算出されることになっている。この区分けによって電気代が大幅に上がることはないが、一応知識として押さえておこう。

また、2023年4月には全国で託送料金(送配電網の使用料)の見直しも行われた。中国電力の標準メニューでは、上記の電力量料金に加えて、高圧なら0.82円/kWh、特別高圧の場合は0.26円/kWhが加算されている。

関連記事:託送料金とは?仕組みとレベニューキャップ制度をわかりやすく解説!
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なぜ中国電力は法人向け電気代を見直すのか?

中国電力の見直しの理由として、①2023年は燃料費高騰による過去最大級の赤字を埋めるため②2025年は島根原発2号機の再稼働と市場価格の低下により、電源調達コストの変化を電気代へ反映するため、が挙げられる。

結論をまとめると

中国電力の見直しの理由として、①2023年は燃料費高騰による過去最大級の赤字を埋めるため②2025年は島根原発2号機の再稼働と市場価格の低下により、電源調達コストの変化を電気代へ反映するため、が挙げられる。

ここまで中国電力の見直しの中身を解説してきた。ここからは、なぜ中国電力は料金を見直すのか、その背景を解説していく。

2023年の値上げの原因は燃料費高騰による過去最大級の赤字

まず2023年4月に中国電力が値上げした理由は、中国電力の収支が悪化したからだ。ロシア・ウクライナ問題による国際的な燃料の供給不足と急激な円安の進行により、燃料費は2022年に過去最高値を記録。発電コストが収入を上回る状況が続いた。

その結果、中国電力の2022年度連結決算は経常損失マイナス1,067億円、純損失マイナス1,553億円となった。この赤字を補填するために、2023年4月に大幅な値上げが行われたのである。

 

2025年の値下げ・基準見直しは島根原発2号機の再稼働と市場価格の低下のため

一方、2025年4月の見直しの背景は、電源調達コストの変化だ。2024年12月に島根原子力発電所2号機が再稼働し、燃料費のかかる火力発電への依存度が下がった。あわせて、2022年に高騰していた市場価格も落ち着いたため、料金の前提となる基準価格を当時の実勢水準へ据え直したのである。

実際、中国電力の決算は2024年度が連結経常利益1,285億円、2025年度が802億円と黒字が定着しており、決算資料でも島根2号機の稼働による収支改善が明記されている。裏を返せば、値下げの原資は原子力の再稼働であり、燃料価格や市場価格が再び高騰すれば、新しい基準のもとでその変動は以前より速く・大きく電気代へ跳ね返ることになる。

関連記事:【最新】法人の電気代が高いのはなぜ?電気料金が高騰する理由と対策をわかりやすく解説!

 

 

電気代が上がれば中国地方の最終保障供給も値上がりする

2022年9月1日より、最終保障供給の電気代が見直されている。これまでの電気代は「各エリアの大手電力会社標準プランの1.2倍」だった。

しかし現在は最低料金を「最終保障供給料金(各エリアの大手電力会社標準プランの1.2倍)」とし、JEPXの市場価格がそれを上回った場合には、補正項(追加料金)がプラスされる仕組みとなっている(下図参照)。

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実際、2022年9月1日以降、最終保障供給は30%近く値上がりし、2023年4月の中国電力の値上げによって、最低料金の水準もさらに底上げされた。ラストリゾートともいわれる最終保障供給だが、現在の対策としては有効ではない。従来の電気契約プランのままでは、電気代は高騰していく一方である。中国電力以外の電力プランという選択肢がある、ということも理解しておこう。

 

 

今後も中国電力の法人向け電気代は値上がりする可能性が高い

中国電力は電気代を値上げしてきた。今後についても、燃料価格の動向次第で、燃料費調整額がさらに上がる可能性は十分にある。

結論をまとめると

中国電力は電気代を値上げしてきた。今後についても、燃料価格の動向次第で、燃料費調整額がさらに上がる可能性は十分にある。

ここまで中国電力の電気代の値上げ情報を解説してきたが、今後も中国電力の値上げが続く可能性は高い。そもそも電気代値上げの主な原因である燃料費は、2022年のロシア・ウクライナ問題以降、下がるどころか高止まりが続いており、2026年のアメリカとイランの衝突によってまた上昇している。

また市場価格は燃料費の影響を受けるため、燃料費が上がれば「燃料費調整額」だけでなく「市場価格調整単価」も上がることになる。海外情勢が落ち着く目処が立っていない今、電気代が上がるリスクは多分に考えられるのだ。

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電力切替は「電気代が安く経営が安定している新電力」も候補に入れよう

電力切替は「電気代が安く経営が安定している新電力」も候補に入れよう

ここまで、中国電力の高圧・特別高圧の法人向け電気代に関する値上げ情報を解説してきた。この記事を読んだ法人担当者の中にも、中国電力から電気代の値上げを打診された方もいるのではないだろうか。

どうしても「大手電力=安心」というイメージがあったり、現状から電力プランを見直すのは怖い、と感じるかもしれない。しかし、新電力の中には、倒産リスクが低い上、大手電力会社よりも電気代を安くできる可能性は十分にある。

特に、2026年度に電力会社を切り替えるにあたって、以下の3つのポイントを押さえておくと、そういう安心かつ電気代が安い新電力を見つけられるだろう。

①法人の電気代をどれくらい削減した実績があるのか?
②電気代が最高値となった2022年、どのような対応を取ったのか?
③自社のニーズに合わせた電力プランが選べるのか?

電力会社を変えることで法人の電気代が安くなるのは当然だが、今後はそれに加えて電気代の高騰リスクに備えた動きもするべきだ。特に「2022年、ロシア・ウクライナ問題によって電気代が過去最高値になった際、その電力会社がどのような対応をしたか」は必ず確認しよう。

さらに大手電力会社と違い、新電力は会社のニーズに合わせたプラン設計をしている場合がある。例えば、しろくま電力では

  • とにかく電気代を安くしたい法人は「市場連動型プラン」

  • 市場連動のリスクを軽減したい法人は「上限付き市場連動型プラン」

  • さらにリスクを軽減しつつ電気代を下げたい法人は「固定単価型プラン」

  • 電気代を下げつつ、季節ごとの高騰リスクを軽減したい法人は「ミックスプラン」

  • 大手と同じ料金体系のまま電気代を安くしたい法人は「燃調リンク型プラン」

  • 電気代を固定し、確実に電気代を削減するなら「完全固定型プラン」

など、さまざまなプランを用意している。「大手電力会社=安心」というイメージはあるかもしれないが、2022年の高騰を受けて電気代を大幅に値上げしたり、新規契約を停止したりしているため、必ずしも安心できるわけではない。そのため、会社の知名度に関わらずこの3つのポイントを確認することをオススメする。

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「法人向け電気代が安い」だけじゃない。
しろくま電力が法人に選ばれる3つの理由

しろくま電力では、高圧・特別高圧電力の法人向けに電力プランを提供している。私たちの強みは、①電気代削減実績、②高騰時の対応実績、③プラン数が豊富なことの3つである。

 

①電気代削減実績は最大45%(2025年度)

しろくま電力は大手電力よりも電気代が安い場合が多く、2025年度でも最大45%の電気代削減を実現している。以下のように、製造業や商業施設、店舗など、電気の使用方法が異なるさまざまな法人で削減実績がある。

しろくま電力の主な電気代削減実績は①通年連続稼働工場(北陸)で5億4,800万円/年から3億3,500万円/年と年間の電気代を39%削減。②病院(関西)では電気代6億1,300万円/年から3億8,300万円/年へと38%削減③平日日中稼働工場(東北)では2億4,400万円/年から1億6,000万円/年へと電気代34%削減を実現④平日日中稼働工場(九州)では、しろくま電力が2,300万円/年から1,250万円/年へと電気代を45%削減⑤オフィス(東北)では1億7,000万円/年から1億2,600万円/年へと26%削減⑥オフィス(東京)は電気代を9,950万円/年から7,100万円/年と28%削減に貢献
現在、しろくま電力は法人の3,200拠点以上に電力供給を行っている。電気代が安いなどの理由から、しろくま電力の契約継続率は95%を超えた。こうした点から、以下の法人・自治体などにも導入されている。

しろくま電力は法人の3,200拠点以上に電力供給を行っている。電力業界は平均の契約継続率が70%ほどだが、しろくま電力は95%を超えている。導入事例:ヨロズ社、カーボンニュートラルで日本の変革に挑戦!「しろくま電力」の導入秘話
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②2022年の電気代高騰時も新規受付を継続

2022年に燃料価格・電気代が過去最高値となった際、国内の3割の新電力が倒産・撤退し、大手電力会社でも新規受付停止が相次いだ。

しろくま電力はそのような状況下でも新規受付を継続し、300を超える法人の電気代削減をサポートした。これを可能にしたのは、電力仕入れ専門チームが先物取引や相対契約などで電気代の仕入れ値の変動リスクを抑えたからだ。

現在も新電力事業以外に、再エネ発電所の開発事業や系統用蓄電池事業でも成長を続けており、2025年度の売上は401億円、2026年度は案件数も増えて700億円の売上となる予定だ。他事業で収益を上げており、安心して契約できるのも「しろくま電力」の強みである。(出典:しろくま電力「売上高401億円を突破」

しろくま電力では、電力小売事業以外に、太陽光や風力などの再エネ発電所の開発や系統用蓄電池事業でも成長を続けており、2025年度の売上は401億円、2026年度は案件数も増えて700億円の売上となる予定だ。このように、電力仕入れの専門チームによる調達体制に加え、再エネ発電所や系統用蓄電池などの安定した事業基盤を持つことも、しろくま電力の強みである。

 

③業界トップクラスのプラン数

先述したように、しろくま電力はさまざまな電力プランを提供している。「電気代をとにかく安くしたい」「価格の安定性も重視したい」など、ニーズに合わせた電力プランを選ぶことができる。

しろくま電力では  とにかく電気代を安くしたい法人は「市場連動型プラン」  市場連動のリスクを軽減したい法人は「上限付き市場連動型プラン」  さらにリスクを軽減しつつ電気代を下げたい法人は「固定単価型プラン」  電気代を下げつつ、季節ごとの高騰リスクを軽減したい法人は「ミックスプラン」  大手と同じ料金体系のまま電気代を安くしたい法人は「燃調リンク型プラン」  電気代を固定し、確実に電気代を削減するなら「完全固定型プラン」  など、さまざまなプランを用意している。

また、しろくま電力の電気は全てCO2を一切排出しない実質再生可能エネルギーだ。電気を切り替えるだけで御社のCO2排出量を減らすことができる。

見積もりは「複数のプランの電気代の提示」や「現在の契約先との電気代・CO2削減量の比較」にも対応している。「どれがいいかわからない」法人にはこちらからプランを提案することも可能だ。現在の電力会社との比較をするだけでも全く問題ないため、まずはお気軽にお見積もりをご依頼いただきたい。

 

この記事内でよくある質問
Q1. 中国電力の高圧・特別高圧の法人向け電気代はどれくらい値上がりしていますか?
A. 筆者が同一条件で各時代の電気代を試算したところ、2025年4月以降の中国電力の法人向け電気代は、2023年の値上げ前より約27.7%上がっていることがわかった。値上げの主因は2023年4月の改定(試算+24.3%、中国電力の公式モデル試算では約16〜17%)である。
Q2. 2025年4月の値下げで中国電力の電気代は安くなりましたか?
A. 安くなっていない。電力量料金は1kWhあたり0.30円下がったが、同時に燃料費調整・市場価格調整の基準価格が引き下げられたため、制度切り替え時点の実測では正味▲0.19円/kWhとほぼ相殺されている。むしろ市場価格の変動が電気代に跳ね返る割合(調整係数)が約1.6倍に拡大したため、市場価格が高騰する局面では旧制度より負担が大きくなる点に注意が必要だ。
Q3. 今後も中国電力の法人向け電気代は高くなる可能性が高いですか?
A. 可能性は十分にある。2026年7月には猛暑による需給ひっ迫で、中国エリアを含む西日本のJEPXスポット価格が直近1年の最高値(58.38円/kWh)をつけた。市場価格調整は約2〜4ヶ月前の平均市場価格をもとに算定されるため、この高騰は2026年10月分以降の請求分に順次反映されていく。

 

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