※この記事は2024年10月9日に最新の情報に更新されました。
2023年4月より、中部電力ミライズでは高圧・特別高圧の電気代の値上げが行われている。家庭向けの電気代(低圧)についても、2024年4月より値上がりが続いているため注意が必要だ。
そこでこの記事では、前半部分で法人を対象に高圧・特別高圧の電気代値上げ・料金改定についての最新情報を掲載し、法人が今後とるべき対策について解説。
後半部分では、家庭向け電気代の値上げ状況をわかりやすく解説し、電気代を安くする方法を紹介する(後半部分を先に読む場合はこちらから)。
関連記事:【2024年最新】電気代を値上げする電力会社一覧!電気料金はどれくらい高くなる?
目次 【2022年10月28日】中部電力ミライズが電気代の値上げを発表 |
2022年10月28日、中部電力ミライズは高圧・特別高圧向けの電気代の値上げを発表。2023年1月28日の発表で、具体的な値上げ額が決定した。中部電力グループでは2021年度から赤字が続いており、2022年度の経常利益はマイナス1,700億円となる見込みだ。
2023年4月1日以降、中部電力ミライズは、「基本料金」「電力量料金」「燃料費調整額」の3点を値上げした。全体的な値上げ幅としては8〜10%ほどが見込まれている。それぞれについて詳しく解説していく。
中部電力ミライズが提供する電気料金プランの内訳は以下である。
上記プランは一般的な料金体系だ。大手電力会社だけでなく、新電力もほとんどがこの一般的な料金プランを提供している。このプランは電気の単価が24時間同じで、使った分に応じて電気代が請求される仕組みだ。
電力量料金は使用した電力量に応じて決定するが、2023年4月以降、単価が以下のように値上げされている。
また2023年4月より全国で託送料金(送電線の利用料)の見直しが行われる。中部電力の発表によると、上記の値上げ金額に加えて、高圧の電力量料金に+0.21円/kWh、特高が0.02円/kWhが加算される見込みだ。
託送料金をまとめると、2023年4月以降の電力量料金は、託送料金も含めると高圧が3.49円/kWh、特別高圧が3.25円/kWh値上げされているのだ。
次に見直されるのが、燃料費調整額の値上げだ。燃料費調整額とは、燃料費の月々の変動分を電気料金に反映したものである。
燃料費調整額はこれまで「燃料費調整単価×電気使用量」で算出できた。今回の見直しでは、以下のように変更される。
今回、中部電力ミライズが行った燃料費調整額の変更点は2つ。「燃料費調整単価の燃料構成比の更新」と「卸市場単価の新設」だ。
上図では「燃料価格反映部分」とあるが、これはこれまでの燃料費調整単価に該当するものである。燃料費価格反映部分は以下の数式で求められる。
燃料費価格反映部分=(「平均燃料価格」ー「基準燃料価格」)÷1000(×基準単価)
平均燃料価格とは、過去3ヶ月分の燃料費の平均価格をさす。基準燃料価格は、各電力会社が定めた燃料費の見込み価格だ。もし平均燃料価格が1klあたり1,000円変動した場合、電力会社が定めた基準単価も含めて単価を計算する。
つまり「中部電力ミライズが定めた基準よりも燃料費の平均額が高いかどうか」で、燃料費調整単価は決定しているのだ。
もし燃料費価格反映部分が平均を上回った場合は、燃料費調整額は電気代に上乗せされる(プラス調整)。一方で下回った場合は「燃料価格が安い」として調整単価はマイナスになり、その分だけ電気代が割引される。
2014年の改定時、LNG・石炭・原油の比率は約48%:約43%:約3%だった。今回の改訂では、約44%:約56%:0%へと変更される。
これによって、基準燃料価格が45,900円/klから42,000円/klに引き下げられる。また、基準単価は高圧が0.196円から0.223円になり、特別高圧が0.22円から0.193円に変更されることとなった。
基準燃料価格が下がるのはいいことのように思えるが、実際はそうではないため要注意だ。平均燃料価格が上がっている現状では、電気代を安くするには基準燃料価格も上がる必要がある。だが今回は引き下げられるため、燃料費調整単価がさらに値上げする可能性が高くなるのだ。
次に実施されるのが「卸市場単価の新設」だ。中部電力ミライズは自社で発電する以外に、JEPX(卸電力市場)という「電気の市場」から電気を仕入れている。今回の変更で、その分の費用も電気代に反映されることとなった。
JEPXから電気を購入する際の価格を「市場価格」というが、この市場価格は30分ごとに単価が変動する。こちらも市場価格の平均が基準価格より高い場合は月々の電気料金に上乗せされ、低い場合は差し引かれる。計算方法は以下だ。
卸市場単価=(平均市場価格-基準市場価格)×卸市場率
平均市場価格は、算定期間における6〜18時の卸電力市場(中部エリア)の平均価格だ。基準市場価格は、21年9月~22年8月の市場価格をもとに決定されたもので、今回の改定では19.37円/kWhである。卸市場率は、JEPXからの調達比率に損失率と消費税を加えたもので、高圧は10.3%、特別高圧は10.1%と定められている。
この①と②の合計により、高圧・特別高圧の法人は月々の負担が8〜10%ほど増えると考えられる。
今回、中部電力ミライズが値上げに踏み切った主な原因は燃料費の高騰だ。燃料費の推移については「【法人向け】電気代が高いのはなぜ?電気料金を安くする方法を解説」で解説しているが、燃料費は2020年以降値上がりが続いている。
2022年には「ロシア・ウクライナ問題」と「急激な円安」によって過去最高値を記録。この2年間で、石油と天然ガスが約5倍、石炭は約8倍に値上がりしたのだ。2023年に入ってから燃料費高騰は落ち着いたものの、パレスチナ・イスラエル戦争によってイスラエル産の天然ガスが21%値上がりするなど、2024年現在も不安定な状況が続いている。
ロシア・ウクライナ問題も、円安についての問題も解決の見通しがついていないため、今後も燃料費が上がる可能性は十分に考えられる。そうなると、火力発電に頼る東北電力は発電コストがさらに上がり、電気代もさらに上がる可能性があるのだ。
実際に、東北電力は2022年11月に電気代を値上げしたが、2023年4月より再値上げを決定している。こういった動きは2024年現在、中部電力でも起きる可能性が考えられるため、何かしらの電気代高騰対策が必要だ。
関連記事:【2024年最新】電気代は今後も高騰する!企業がしたい値上げ対策とは?
また中部エリアの最終保障供給も値上がりしていることに注意しておこう。2022年9月1日より、最終保障供給の電気代が見直されている。
これまでの電気代は「各エリアの大手電力会社標準プランの1.2倍」だった。しかし現在は最低料金を「各エリアの大手電力会社標準プランの1.2倍(最終保障供給料金)」とし、JEPXの市場価格がそれを上回った場合には、その上昇分が補正項(追加料金)として電気代にプラスされる仕組みとなっている(下図参照)。
中部電力ミライズが電気代を値上げするということは、最低料金が底上げされることになる。2022年9月1日以降、最終保障供給は30%近く値上げしており、2023年4月以降はさらに高騰するので注意が必要だ。
そこで法人が電気代を安くするために知っておきたいのが、市場連動型プランである。
電気料金プランには、通常のプランに加えて「市場連動型プラン」がある。このプランの内訳は以下だ。
市場連動型プランはJEPXの市場価格に経費を上乗せしたものが電力量料金、つまり電気代の単価になる仕組みだ。市場価格には燃料費が含まれるため、このプランには燃料費調整額がない。
冒頭で説明した一般的な料金プランは、いつ使用しても電気料金が同じだ。電気料金を安くしたい場合、節電して電気の使用量を減らすか、電気代が下がるのを待つしかない。
一方で市場連動型プランは、市場価格の変動に合わせて、電力量料金の単価が30分ごとに変わる仕組みだ。市場価格が下がっても一般的なプランの電気料金は変動しないが、市場型連動プランは変動するのである。
市場価格は0.01円/kWになることもあるため、市場連動型プランは条件が揃えば電気料金を大幅に削減できる。昨今は特に太陽光発電でできた電気が市場に増えていて、それらは発電に燃料を使わないため市場価格を安くしている。以下のように、市場価格が0.01円/kWhとなる時間数は年々増えているのだ。
上図は弊社電力事業部の担当者が計測した、市場価格が0.01円/kWhとなった時間数の推移だ。全国的に再生可能エネルギーが増加したことで、最安値をつける時間が増えている。特に2023年の九州エリアでは、年間1,174時間、年間の総時間数(8,760時間)の約13%が0.01円/kWhとなった。
市場連動型プランでは、昼間の電気代が安くなる傾向にあるため、日中に稼働が多い工場やオフィスなどでは、電気代を下げられる可能性が高いのだ。以下は市場価格が0.01円/kWhをつけた際の、2つのプランの価格イメージ図だ。
「電気代を安くしたい」「電力会社との契約で悩みたくない」法人は、市場連動型プランを提供する電力会社との契約を検討するのも1つの手だろう。一度、見積もりをとって比較することをおすすめする。
関連記事:【2024年】電気の市場連動型プランとは?電気代高騰を防げる?特徴とメリット・デメリットをわかりやすく解説
しろくま電力では、高圧・特別高圧の法人向けに「しろくま市場連動型プラン」を提供している。ある導入企業では電気代を年間約45%(約1.5億円)も削減するなど、多くのお客様の電気代削減に貢献してきた。
しろくま電力の市場連動型プランはただ電気代が安いだけではない。
翌日の市場価格を毎日午前中にメールで共有し、市場価格が安い時間に稼働を増やしたり、逆に市場価格が高い場合は従業員に在宅勤務を促したりできるよう、電気代の節約を徹底してサポートする。電気代に関する個別での相談サービスも利用可能だ。
また、しろくま電力の電気はCO2を一切排出しない。非化石証書つきの電気を供給するため、電気を切り替えるだけで脱炭素でき、御社のカーボンニュートラルの実現もサポートする。
以下のように、しろくま電力は多くの企業・自治体にご利用いただいている(PPAも含む)。
以下は、実際にしろくま電力の市場連動型プランを導入した企業様の声だ。
お見積もりについては、現在の電力会社と電気代を比較したものも作成できる。最終保障供給と比べることも可能だ(どちらも比較を希望した場合のみ)。
年間のお見積もりだけでなく、毎月の電気代や、しろくまにしたことで期待できるCO2削減量も知ることができる。以下は、レポートとお見積書の例である。
お見積もりは「しろくま電力の市場連動型プランページ」または下記バナーからすぐに完了できる。市場連動型プランに切り替えると電気代がどうなるのか、他社と比較して安くなるのかを試算したい方はぜひお申し込みを。お急ぎの見積もり依頼にも対応できる。契約上のご相談や不明点などにも対応可能だ。
また、しろくま電力では「市場連動型プランはどうしても不安だ」という法人に向けて「固定単価型プラン」も提供している。このプランは大手と違って「3〜6ヶ月前の燃料費の平均価格」でなく「前月の市場価格」を1kWhあたりの単価に落とし込むため、不透明な値上げリスクがない。
さらに、以下の2点により電気代が大手電力会社よりも「最大25%安くなる」可能性がある。
①基本料金と電力量料金が大手電力会社より安い
②燃料費調整額でなく、電源調達調整費を電気代に組み込んでいる
①について、しろくま電力では電気代の基本料金と電力量料金を大手電力会社よりも低くなるように設定した。そのため月々の電気代を安く抑えることができる。
②については、大手電力や新電力が電気代に燃料費調整額(化石燃料費の変動分だけ)を組み込む一方、しろくまプランでは電源調達調整費を含んでいる。電源調達調整費は、先述したJEPXの市場価格を1kWhあたりの単価に落とし込んだものだ。
燃料費調整額は化石燃料だけを価格に反映するため、燃料費が高騰すると燃料費調整額も上がってしまう。2020~2022年にかけて電気代が高騰したが、この原因は燃料費調整額だった。しかし市場価格は前述したように燃料費以外も参考にされるため、電気代の高騰リスクを軽減できる(当然、電源調達調整費が高騰するリスクもある)。
このように内訳を変更することで、大手電力よりも最大25%安くすることが可能となった。ちなみに市場連動型プランと固定単価型の価格の違いは以下である。
・市場連動型プランは電力量料金が市場価格を元に決まる ・固定単価型プランは従来の電力プランと同じく電力量料金は一定。 ・市場価格は賢く電気を使えば電気代が大幅に安くなる。しかし市場価格高騰時はリスクもある ・固定単価型プランは市場連動型よりも市場価格の影響を受けづらい。安心して電気代を下げたい。 |
「市場連動型だと不安だ」「安心して安い電気代を使いたい」という企業様は、ぜひ下記からお見積もりを。
前半部分では、法人向け電気代の値上げ情報を解説してきました。
後半からは、家庭向け電気代の値上げについて、最新の情報を踏まえながらわかりやすく解説していきます。前半部分を読みたい方は、こちらにお進みください。
2023年6月より、大手電力6社が家庭向けの電気代を大幅に値上げしました。
中部電力ミライズはその時点では電気代を値上げしませんでしたが、2024年4月より、以下2点の変更を受けて家庭向けの電気代を見直しています。
・発電側課金制度の導入
・託送料金の見直し
電気というのは「つくる」「届ける」「販売する」という3つの流れで成り立っており、それぞれに「発電事業者」「送配電事業者」「小売電気事業者」と3つの事業者が存在します。
発電側課金制度とは、送配電線の維持や拡充にかかる費用を「小売電気事業者」だけじゃなく「発電事業者」にも負担してもらおう、という制度のことです。この分の費用が、2024年4月より電気代に含まれています。
そして託送料金とは、送電線の利用料のことです。これまで託送料金は国が決めていましたが、国が決めた金額では送電線のメンテナンスや拡充のための費用を捻出できない、という問題がありました。
そこで2023年4月より、託送料金を各送配電事業者に設定させるレベニューキャップ制度がスタートし、2024年4月より改めて託送料金の見直しが実施されています。
発電側課金と託送料金。この2点により、中部電力ミライズの家庭向け電気代が見直されているのです。
それでは、中部電力ミライズの家庭向け電気代はどのように変わったのでしょうか?
上図は、中部電力ミライズの電気代見直し額を図にしたものです。今回は主に4人家族の方が契約することが多い「従量電灯Bプラン」と「ポイントプラン」の電気代をまとめています。
電気代は上図のように4つの要素から成り立っていますが、今回は「基本料金」と「電力量料金」が見直されることとなりました。
図をみると、どちらのプランも基本料金が120.7円上がっていますが、電力量料金(電気の使用分に対してかかる費用)は0.13円も安くなっています。
これは電気代が上がっているといえるのでしょうか?それとも実際は安くなっているのでしょうか?
それでは、今回の中部電力ミライズの電気代について、4人家族のケースで試算してみましょう。
条件として契約電力を50Aとし、消費電力量を450kWhとした場合の「基本料金」と「電力量料金」の合計を比較すると、以下のようになりました。
(変更前)=1485 + 21.33 × 120 + 25.8 × 180 + 28.75 × 100 = 11563.6円
(変更後)=1605.7 + 21.2 × 120 + 25.67 × 180 + 28.62 × 100 = 11632.3円
2024年4月以降、中部電力ミライズの電気代は若干ではありますが値上がりしている、ということがわかります。
ここまで、2024年4月より中部電力ミライズの電気代が若干上がっていることを解説しました。
今回に限らず、ニュースなどでも「電気代値上げ」の話題を目にする機会が増えているかと思います。実際に電気代は2020年から値上がりが続いており、2024年現在はピークを脱したものの、依然として高止まりが続いています。
この原因として考えられるのが、以下の2点です。
・燃料費高騰による「燃料費調整額の値上げ」
・再エネ導入量増加による「再エネ賦課金の値上げ」
それぞれについて、簡単に解説をしていきます。
まず1つ目の理由が、燃料費高騰による「燃料費調整額の値上げ」です。燃料費調整額とは、数ヶ月前の化石燃料(石油・石炭・天然ガス)の価格変動分を、1kWhあたりの電気代に反映させたものを意味します。
上図は燃料費の推移を図にしたものですが、2020年以降、石油と天然ガス、石炭の輸入価格が高騰しており、2022年には過去最高値を記録しました。2024年現在も、エネルギー価格はある程度落ち着いたものの、高止まりが続いています。
燃料費高騰の主な原因は以下の3つです。
・脱炭素の促進による化石燃料への投資撤退
・2022年ロシア・ウクライナ問題
・急激な円安ドル高の進行
昨今、脱炭素を進めるに当たって、世界では化石燃料や火力発電所を扱う企業に投資をやめる動きが活発化しています。さらにロシア・ウクライナ問題によってロシアが燃料の輸出を制限した結果、化石燃料の供給量が大幅に減少しました。
一方、コロナ禍からの景気回復に向けて世界的には化石燃料の需要量が増加しています。そして日本は急激な円安ドル高が進んでいるため、燃料費が大幅に高騰しているのです。
(出典:新電力ネット「燃料費調整額の推移」より)
上図は東京電力の燃料費調整額(特別高圧)の推移です。燃料費調整額は「半年前〜3ヶ月前の燃料費の平均額」を反映する場合が多いため、若干値上がりするタイミングにズレがありますが、2023年に10円/kWhを超えています。
2023年に入り燃料費が少し下がったため、燃料費調整額も多少下がりました。しかし2024年に入っても燃料費の高止まりが続いているため、いまだにプラス調整となる状況が続いています。
参考記事:【図解】電気代を左右する燃料費調整額とは?仕組みや今後の推移をわかりやすく解説
電気代が高い2つ目の理由が、再エネ賦課金の単価が上がっているからです。
再エネ賦課金とは、電力会社が発電事業者から買い取った、太陽光や風力などの「再生可能エネルギーの費用」を電気代に落とし込んだものです。再エネ賦課金の単価は「その年にかかった再エネの買取費用」をもとに毎年見直されます。
上図は再エネ賦課金の単価の推移をまとめたものです。国が再エネの買取を始めた2012年度、再エネ賦課金の単価は0.22円/kWhでしたが、国が購入する再エネの量が増えたことで、2024年度には3.49円/kWhまで上がりました。こういった原因から電気代が上がっているのです。
関連記事:【2023年最新】電気代の再エネ賦課金とは?仕組みと推移、値上げの理由と今後の予想をわかりやすく解説!
電気代が高い理由は「燃料費調整額」と「再エネ賦課金」の値上がりが大きいことを解説しました。これら2つについて、今後は安くなることを期待したいところですが、実際は値上がりする可能性が高いと考えられます。
まず燃料費について。先述したように化石燃料費は2022年にピークを迎え、2024年現在も高止まりが続いています。
なぜ燃料費が2020年以前の水準に戻らないのかというと、それは燃料費高騰の主な原因であるロシア・ウクライナ問題が解決する見通しがついていないからです。こうした背景から、燃料費は下がるどころか再び上がる可能性があります。
また再エネ賦課金についても、今後はしばらく単価が上がる見込みです。これは国が発電事業者と「再エネを20年間、同じ単価で買い取る」と契約を結んでいるからで、案件が終了し始めるのは2032年からだからです。そのため2031年ごろまで再エネ賦課金は上がるものと考えられます。
こうした理由から、今後も中部電力ミライズの電気代は上がる可能性が高いといえます。
関連記事:【2024年最新】今後も電気代は値上げする!高い原因と法人ができる高騰対策を徹底解説!燃料費や再エネ賦課金はどうなる
関連記事:【2024年最新】世帯別・季節別・地域別の電気代平均は?電気料金の下げ方・節電方法もわかりやすく解説
関連記事:【2024年最新】一人暮らしの電気代の平均はいくら?高い原因や節約方法を紹介!
関連記事:【2024年最新】二人暮らしの電気代の平均はいくら?節約術や2人の光熱費の平均もわかりやすく解説!
ここまで中部電力では今後も電気代が上がる可能性があることを解説しました。それでは最後に、電気代を安くする方法を5つ紹介します。
1つ目の方法が、契約アンペア数の見直しです。アンペア制を設けている電力会社の場合、契約容量を見直せば基本料金が下がり、電気代を安くできます。
基本料金とは電気の使用量に関係なく、毎月定額で発生する料金のことです。電気代は基本的に、以下のように4つの要素から成り立っています。この取り組みでは、そのうちの一つである「基本料金」が安くできるのです。
例えば東京電力で考えると、40Aから30Aにすれば月々の電気代が296.24円、20Aにすれば590.48円も安くなります。
ただし、契約アンペア数を低く設定しすぎると、ブレーカーが落ちやすくなってしまいます。変更後は1年間数字が変更できない電力会社も多いため、この点には注意しておきましょう。
上図は家電ごとの一般的なアンペア数です。同時に使用することの多い家電のアンペア数を把握した上で、最低限余裕のあるアンペア数へと変更することをおすすめします。例えば一番家電を使う際の合計アンペアが26Aの場合、30Aで契約すると停電の心配をせずに済みます。
関連記事:電気代の基本料金とは?仕組みと種類、電気料金を安くする方法をわかりやすく解説
関連記事:【2024年】4人家族の電気代平均はいくら?季節別や地域別の平均、料金が高い原因や節約方法をご紹介
電気代を下げる2つ目の方法が、支払い方法の変更です。電力会社によっては、口座振替に変更することで電気代が年間数百円ほど安くなる場合があります。
ただし、電力会社によってはクレジットカードでしか支払えないケースもあるので注意しましょう。またポイント還元率によっては、クレジットカード支払いの方が節約につながる場合もあるため、どちらの方がお得なのか、まずは計算してみるといいでしょう。
3つ目が節電の徹底です。使用電力の多い家電の使い方を見直し、消費電力量を減らせば、それだけ電気代を安くすることができるのです。
ここからは、各家電の節電方法と、それによって得られる節電効果について説明していきます。家計の負担を軽くするためにもぜひ参考にしてみてください。
使用電力の約14.7%と、電気代に占める割合が最も多いのがエアコンです。エアコンは温度調整を行うタイミングで多くの電気を消費するため、以下の取り組みによって電気代を節約できます。
・夏の場合、冷房を1度あげる⇨約13%の節電
・冬の場合、暖房を1度下げる⇨約10%の節電
環境省によると、エアコンの適温は夏が28度、冬が20度です。またオンオフにするタイミングでも多くの電気を消費するため、こまめにオンオフせず、常につけっぱなしにしたほうが逆に節電になるケースもあります。
またフィルターが汚れていると余分な電気を使用するため、こまめに洗うことをおすすめします。ダイキンの調査では、3年分のホコリが溜まったフィルターを洗って使用した場合、消費電力量を約5割削減できたことが明らかになりました。月に一度掃除すれば、無駄な電気の消費を防ぐことができるのです。
関連記事:エアコンの電気代はいくら?1時間ごとの計算方法や節約術をわかりやすく解説!つけっぱなしの方が安い?
関連記事:暖房の設定温度は何度が理想?冬に電気代を節約しつつ快適に過ごすコツとは?エアコンの電気代節約術をわかりやすく解説
関連記事:サーキュレーターと扇風機の違いとは?特徴や使い方、電気代の節約術をわかりやすく紹介!
24時間365日稼働する冷蔵庫。経済産業省の調査では、家の電気代の約14.2%を占めることがわかっています。白物家電メーカーの団体であるJEMA(日本電機工業会)によると、冷蔵庫は以下の方法で節電すれば、電気代を大幅に安くできることが可能です。
・冷蔵庫の開閉回数を減らす⇨約12%の節電
・冷蔵庫の開閉時間を減らす⇨約5%の節電
・冷蔵庫を壁から少し離す⇨約5%の節電
冷蔵庫を壁から離せば、冷蔵庫内の食品などから奪った熱を放出しやすくなり、その分のエネルギーを節約できるのです。また「冷蔵庫内に食品を詰め込みすぎない(7割程度にする)」「直射日光の当たらない場所に設置する」などの取り組みをすれば、さらに効率よく電気を使用できるようになります。
また料理を冷やす際は、温かいまま入れると冷蔵庫内の温度が上がってしまいます。最低でも「ぬるい」レベルまで冷ましてから入れるようにしましょう。
関連記事:冷蔵庫の電気代はいくらくらい?9つの節約方法もあわせて解説!
生活する上で欠かすことができない照明機器。家庭の電気料金の約13.5%を占めていますが、この照明機器も節電によって大幅に電気代を安くできます。
・蛍光灯や白熱電球からLEDに変える⇨約80%の節電
・こまめに電源をオフにする⇨約5%の節電
電気をつけっぱなしにしない、こまめに電気をオフにするのも大切ですが、それよりも照明をLEDに変える方が効果的です。LEDは寿命も長いため、電球代の節約にもなります。
家庭における電力消費量の約10%を占めるテレビ。つけっぱなしや「ながら見」をやめるだけで、約2%の節電効果が期待できます。画面を少し暗くするだけでも節電効果が見込めますよ。
旅行や帰省、出張などで長期間自宅を留守にする場合は、テレビの主電源をオフにする、またはコンセントを抜けばその分だけ電力使用量を減らすことが可能です。しかし主電源を切ると、予約録画できないケースもあるので注意しましょう。
関連記事:テレビは電気代が高い?種類ごとの電気代や節約方法をわかりやすく解説!
家電の中でも特に消費電力が大きい洗濯機、洗濯乾燥機。例えばPanasonic社が販売しているドラム式洗濯乾燥機の場合、毎日使用すると電気代が2,370円になることがわかっています。
洗濯機・洗濯乾燥機を毎日使用する場合、すすぎを2回から1回に減らすことで約17.5%も節電でき、年間で約5,000円も電気代を安くすることが可能です。さらに、フィルターをこまめに掃除することで効率よく運転できるようになります。
関連記事:洗濯機の電気代と水道代は1回いくら?6つの節約術も徹底解説!
関連記事:パソコンの電気代はいくら?デスクトップやノート、ゲーミングPCの消費電力と節約方法をご紹介
電気代を下げる4つ目の方法が家電の買い替えです。環境省によると、電化製品は年々省エネ性能が上がっていることがわかっています。
例えば、2019年製の冷蔵庫は、2009年のものと比較すると年間消費電力量を約40〜47%もカットすることが可能です。エアコンはこの10年間で約17%も節電でき、テレビは約42%も節電できることがわかっています。
また、家電の買い替えはコストが発生しますが、東京都世田谷区や愛知県一宮市など自治体によっては省エネ家電の買替に活用できる補助金制度を実施しているケースもあります。
環境省の比較サイトでは、実際に家電を買い替えた場合にどれだけ電気代を安くできるのか、製品ごとに調べることができるため、買い替えを検討中の方はぜひご活用ください。
関連記事:炊飯器の電気代はいくら?8つの節約方法もわかりやすく解説!
関連記事:オール電化の電気代は高い?高い原因や平均額、節約術をわかりやすく解説
関連記事:ホットカーペットの電気代は高い?エアコンなどの暖房器具と比較して解説
5つ目の方法が電力会社の切り替えです。節電・省エネ家電の買い替えでも電気代削減効果は十分に期待できます。しかし電気代を安くするために最も効果的なのは「電気代の単価自体を下げる」取り組みです。
そして単価を下げる方法が、電力会社の切り替えです。ニュースなどでよく取り上げられていますが、2023年6月より、大手電力会社は大幅な電気料金の値上げに踏み切っています。
上図は各大手電力会社の値上げ幅です。特に北陸電力は値上げ幅が大きく、プラン内容によっては44〜46%近く値上がりする可能性があります。
「大手電力会社=安心」というイメージがあるかもしれませんが、その神話は崩れつつあります。先述したように北陸地方は地域別で見ると電気代が最も高いため、特に注意が必要です。
一方、新電力(2016年以降に新規参入した電力会社)によっては、格安の電気プランを提供しているケースがあります。電気代が上がる現在でも、安くできる可能性はあるため、特に大手電力会社と契約中の方は、電力会社の切り替えを検討してみてはいかがでしょうか。
電力会社を選ぶ際に重視すべきポイントや、切り替える上での注意点については下記記事で詳しく解説しています。
関連記事:【図解】新電力とは?仕組みやメリット・デメリットをわかりやすく解説!
関連記事:【2024年】電力会社の選び方とは?会社選びの注意点と電気代を安くする方法をわかりやすく解説!
ここまで電気代を下げる方法を解説し、最も効果的な方法は「電力会社を切り替えて電気代の単価を下げること」だと説明しました。
そこで電気代を安くしたい方におすすめなのが、しろくま電力が家庭・小規模法人向けに提供する「しろくまプラン」です。しろくまプランの主なメリットとして以下の2点があります。
①電気料金が大手電力会社の値上げ後より最大3割も安い
②還付金制度があるので、電気料金の急激な上昇を防げる
それぞれのメリットについて説明していきます。
1点目が、大手電力会社の値上げ後より、電気料金が最大で3割も安くなる点です。しろくまプランは、電気料金の業界最安値を実現すべく、単価を安く設定しています。
上図は4人世帯の場合の、大手電力との電気料金を比較した図です(契約アンペア数が40A、月間電力使用量が450kWhの場合)。
先述したように、大手電力会社は2023年6月より電気料金を大幅に値上げしました。
一方、「しろくまプラン」の電気料金は大手電力の値上げ前よりも安く、便乗値上げも実施しないため、場合によっては約3割も電気代を安くできるのです。
しかし「電気代が大幅に安くなる」と言われても、信じられない方も多いのではないでしょうか。なぜ「しろくまプラン」は大手電力よりも安いのか?その理由は電気料金の内訳にあります。
上図は双方のプランを比較した図です。まずしろくまプランは大手よりも基本料金と電力量料金を安く設定しています(再エネ賦課金の単価は国が定めるため、全ての電力会社で同じです)。
また東京電力の燃料費調整額としろくま電力の電源調達調整費を比較してみましょう。
2023年5月度における東京電力の燃料費調整額が5.13円(政府の7円/kWhの補助金を除いた場合)なのに対し、しろくま電力の電源調達調整費は、政府の補助金を含んでいない状態で1.95円です。
このように大手電力会社よりもお手頃な料金設定にしているため、しろくまプランにすれば電気代を安くできるのです。
2つ目のメリットが、電気料金高騰時に還付金を適用するため、電気料金の急激な上昇を防げる点です。
電源調整調達費は、燃料費ではなく、JEPXの市場価格をもとに決まります。市場価格が平均よりも高いと電源調整調達費はプラスになりますが、平均より安いとマイナスになることもあります。
通常、プラスの場合は電力会社は電気料金にプラス分を上乗せし、マイナスの場合はマイナス分を値下げして請求するのが一般的です。しかしそうすると、電気料金の上下の幅が大きくなってしまいます。
そこでしろくまプランでは、電源調整調達費がマイナスの場合、上図の①のようにマイナス分を「料金高騰準備金」として蓄えます。
そして③のように市場価格が高騰した際、①で貯めたお金を還付金として充てることで、電気料金の急激な上昇を防ぎます。これによって、電気料金の激しい浮き沈みを抑えることができ、しろくまプランなら、年間を通して電気料金を安く抑えられるのです。
またしろくまプランの電気は、発電の際にCO2を出さない「実質再生可能エネルギー(※)」です。ただ安いだけでなく、電気を切り替えるだけで環境改善にも貢献できます。
「電気料金を安くしたい」「電気料金値上げの通知がきた」「詳細を知りたい」など、ご家庭・小規模法人で電気料金にお悩みのお客さまは、「しろくまプランお申し込みページ」または以下のバナーよりお申し込みください。
関連記事:電源調達調整費とは?独自燃調の仕組みと特徴をわかりやすく解説